表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の召喚体(いもうと)たちが優秀(やり)すぎる!  作者: かみきほりと
試験に挑む召喚術士、王都滞在中も奮闘する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/283

45 フェルミンの弟子

 そういえば、冒険者組合(ギルド)の伝統に、そういった儀式(もの)があるという噂を思い出した。しょせん噂だと高をくくっていたが、まさか本当に行っているとは思わなかった。

 新入り冒険者に対する歓迎の儀式のようなものらしいが、あいにく俺は冒険者登録をしていない。だから、歓迎される理由がない。

 そんなことは、相手も分かっているのだろう。だから、つまり、そんな事に関係なく、実力を確かめたいと思えるほど『フェルミンの弟子』という肩書(ワード)に魅力があったのだろう。

 要するに、彼らにとっては格好の暇つぶしなのだ。


 相変わらず危機感の無い様子で、シアは何かを期待しながら、俺にどうすればいいのかと無言で訴えかけている。

 そんな目で見られると、俺もついつい悪ノリしたくなってしまう。

 疲れと眠気で思考能力が低下しているせいだ、ということにして……


 芝居がかった感じで分かり易くガックリと肩を落とし、うんざりした様子を存分に漂わせて振り返る。


「それは脅しのつもりか?」

「どう受け取ろうが、お前さんの自由だぜ?」

「なるほど。ならば、殺すつもりはないが、骨のニ、三本は覚悟してもらおう」


 身体を動かしながら、筋肉を解していく。


「かかってくる奴は前に出ろ。その気の無い奴は壁まで下がれ」

「ほう、やる気か? ボンボンのくせに、威勢がいいじゃねぇか。こりゃ、ちったぁ世間ってもんを教えてやらねぇとなぁ」


 世間知らずなのは認めるし、全て妹頼みなのも自覚している。

 だが、これでも一応、俺も修羅場……と言ってもいいのか分からないが、何度も危険な場面に遭遇している。

 それに比べれば、こんなものはただの余興だ。


「相手は七人か……」


 なぜか、マリーさんも壁際に移動している。

 いやまあ、すぐに助けてくれなかった時点で、そんな気はしてたけど……

 どうやらマリーさんも、俺たちの実力を見物したいようだ。


 俺は、相手と会話をしながらも、次々と念話で指示を出していた。

 お金の入った袋を精神収納(アストラルボックス)へと入れさせて身軽になってもらい、メイプルを俺の背後に移動させ、サンディーに護衛をさせる。

 いつの間にか姿を消したクロエから準備完了の合図を受け取ると、シアに特別な刀を出すようお願いする。


「ったく、しょうがないな……」


 俺は、できるだけ太々しくしく呟くと、腕を高く掲げる。

 その手の中に、光を放ちながら、何かの伝説に出てきそうな豪華かつ切れ味が鋭そうな刀が現れた。

 それをブンとひと振りすると、無造作に構える。

 室内の空気が変わる。

 顔をひきつらせるもの、冷や汗を垂らすもの、明らかに狼狽えているもの……

 わざわざ派手な演出をしたこともあり、相手の注意は俺に集まった……はずだ。


「相手してやる。かかってこい」


 それを合図に、シアとクロエが行動に移る。

 最初に絡んできた大男以外が、あっという間に倒れ伏した。

 何が起こったのか、誰にも分からない。

 狼狽える大男に向かって、俺は容赦なく刀を振り下ろす。


「勝負ありだ。そこまでにしておけ」


 どこかから声が飛んできたが、俺はお構いなしに相手を()()

 悲鳴が上がり、ざわめきが広がり、大慌てで止めようと近づく者がいる中、俺は気にせず()()()()()()()


 ぽふっ、ぽふっ……


 途中から、様子がおかしい事に気付いたのだろう。徐々に失笑が広がっていく。

 頭を抱え、うずくまる大男の身体に、ダメージはないはずだ。

 俺の手の中にあるのは、見た目こそ凄いが、その刀身は全く殺傷能力のない柔らか素材だった。


「ひでぇな。なんてことをしやがる。あんた、本当は奇術師じゃねぇのか?」

「いやいや、俺はただの農夫だよ。召喚術士の見習いもやってるけどね」

「農夫……? なんだそりゃ? 冗談キツイぜ」


 少し悪ノリし過ぎただろうか。周りの半数が安堵し、半数がドン引きしている。

 今さらだが、できるだけ愛想良くしながら話しかけ、手を差し伸べて、大男を立たせてやる。


「脅かして悪かったな。じゃあ俺は、まだ急ぎの用があるから」


 そう言って、妹たちの様子を確認すると、みんなで冒険者組合(ギルド)を後にする。

 その背後から……


「さすが、フェルミンの弟子を名乗るだけのことはある。アイツも相当ぶっ飛んでるぜ」

「あれ、見たか? 一瞬で六人を気絶させたんだぜ? 信じられるか?」

「フェルミンもまた、ヤベー奴を見つけてきやがったな……」

「召喚術士のくせに、召喚獣も使わずこの強さかよ……」


 ……なんて声が微かに聞こえ、マリーさんがクスクスと、いつまでも楽しそうに笑っていた。


読んでみてどうでしたか?


できれば「ブックマーク、評価、いいね」をして頂けると嬉しいです。

低い評価でも参考になりますので、どんどんお待ちしております。


創作の励みになりますので、ぜひ、よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ