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3話目♀︎!

ーあれから、私は神様と一緒に別の国に向かって駆け抜けていた。

一時的に身体強化とか色々してくれたみたいね。

もうすぐ国境だわ………だけれど………?



(………。

今、何だか嫌な予感がしたわ。)


〔奇遇だね、僕もだよ。〕


(ねぇ、神様、何かわかるかしら。)


〔ちょいまち、今調べる。

………うん、女神がまたやらかした。〕


(はぁ!?

今度は何をしたのかしら!!)



私は1度足を止めてクロムが居る方向(コチラからはスキルで探知可能)を睨み付ける。



〔現地人を捕まえて改造と洗脳を施して逃げた君の代わりに"クロム好みの従順な美少女"にしやがったあのクソ女神!!

マジふざけんなよ!?神様だからって何してもいいと思ってんのか!?〕


(………ねぇ、それどうにかならないのかしら?)


〔すまん、無理だ…………

タチ悪い事にアレでもこの世界での最高神だ…!

それにあくまで僕はここの神じゃ無いからな、君以外には直接干渉はできない………クソッタレ!!〕


(気持ち悪いわね、おもいっきり邪神じゃないのよ。)


〔マジ外道だな!〕


(とりあえず目標は女神討伐にしないかしら?)


〔賛成。異議なし!!

あのクソ女神絶許!!はっ倒して世界の管理権限奪っちまうか!!〕


(ノリノリね神様。)


〔いや、神には神の矜持ってのがあんだよ。

いくら自身の世界の創造物だからって好き勝手に弄り回すのはダメだと思う。〕


(なるほど、貴方は常識的…と人間の定義に当てていいかは分からないけれど、そんな神様なのね。)


〔まぁね。

僕は人間が好きだからモノ扱いしたく無いんだよ。

っても、この世界はあくまであのクソ女神の管轄だからな、アウェーなのは変わらないし本来なら他神の世界の事にとやかく言う資格なんか無いんだが。〕


(あら、ならなぜ怒っているのかしら。)


〔君が居るからだよ。

君に実害が出てる以上、ほっとけないだろ?

本当なら僕の世界に転生させたはずなのに僕の人材を自分だけの都合で奪いやがったからな!!せめて君には幸せになってもらわないと納得いかねぇ!君が死んだら本来の転生先に連れて行くけどさ。〕



そう、申し訳なさそうな声が頭に響く。

本当に律儀な神様よね、この神様。



(なら自殺しましょうか?そんな気持ち悪い女神が支配する世界なんて居たくないのだけれど。)


〔それはダメだ。今そんな事したらクロムの1部にされるだけだぞ。

クソ女神が君に仕掛けたアンカースキル、〖双子の絆〗のせいで君とクロムの野郎の魂が微妙に繋がっちまったからな。〕


(え…なら自殺じゃなければいいのは何故?)


〔自殺がダメなのは、自殺した場合〖双子の絆〗スキルに〖贖罪の枷〗が付いちまう様な仕掛けが付けられてるからだな。

この場合、クロエは贖罪としてクロムの1部にされる。

具体的にはクロムが1日1回死ななくなるスケープゴートだな。

しかも、1度そうなったらクロムが2回死んで転生の輪に入っても剥がせなくなっちまうから自殺だけはマジで止めてくれ、万が一自殺してもどうにか出来なくはないが難しい。〕


(そう………つくづく嫌な女神ね。)


〔ホントにな…………はぁ………〕



2人でため息をつく……いえ、本当に、呆れるわ。



(じゃあ、仮にだけれど……

私がクロムを殺したらどうなるのかしら?)


〔……恐らくだけど、無理だ。〕


(何故?もしかして〖双子の絆〗スキルのせいかしら。)


〔いや、あのクソ女神が即時蘇生させるからだな。

僕が君に付いていくように、クソ女神も分体を付けているのは明白だ。

ちなみに僕も分体だ。本体は本来の世界に居る。〕


(そう………じゃあ、私はこの先、本気の戦いか、事故か、病気か、寿命で死ぬしかないのね?

わざと戦いで死んでも自殺になるでしょうし。)


〔本当にすまない、僕が神権限で君を無理矢理連れて行けたなら良かったのに。〕


(アンカースキルが邪魔?)


〔そうだ。何とかして消せるまでの辛抱だが、多分君の寿命が尽きるのが先になる。〕


(そう………)



ならやっぱり、気持ち悪い駄女神の世界だとしてもとりあえずここで暮らすしかないのね…

でも、駄女神だとしても住んでいる人達に罪は無いわけだし………



(とにかく隣国へ逃げましょ。)


〔だな、もうすぐ〖ミストウェル〗だ。〕


(気配遮断もあるし、そうそう見つからないわよね?)


〔だとは思う、あの駄女神の事だ、現地人を改造する事にした時点で君の事は早々に諦めてるさ。〕


(勝手に呼んどいて本当に失礼ね?

執着されても迷惑だから別に良いけれども。)



まったく、なんで私がこんな目に遭わなきゃならないのよ………

私は自分を大切に出来ればそれだけで良かったのに、それが並行世界の私の欲を満たす為の人形か、並行世界の私が死んだ時の代替品みたいなものとか、既に私自身を大切に出来てないじゃない。

だけど………自殺さえしなければ良いのなら………


(ねぇ神様?)


〔君が今何考えたかは分かった。

君が絶望して自殺しそうな時は一時的に心を封印してでも自殺だけは止めると約束しよう。〕


(ええ、頼んだわ神様。)



もしもこの先、私に大切な人が出来たりして、その人を失ったりしたら………

その時は……………

今からそんな事を考えるのは止めましょう。

とにかく、私は国境に向かって再び走り出した。



〔あ、そうだ。身分証はアイテムボックスに入ってるのを使いな。〕


(あら、ありがとう神様。)



アイテムボックスから身分証を出す事をイメージすると、手元にカードが出現したわ。

カードは冒険者証みたい。

コレが身分証にもなるのね。

職業ジョブはステータス同様【魔法剣士】になっているわ。

ランクは……B?いきなり??


ちなみにランクは異世界モノではよくあるものだわ。

違う点は最高位がExってところね。

上から順に並べれば………


EX…番外、伝説級のランク。現在は永久格付けになった故人1人だけ。


S…事実上の最高位、冒険者達の憧れらしいけれど、国からの依頼とか断れなくなりそうだわ。

ギルドマスターは大体このランクね。


A…上級者、ね。高位魔物の討伐を出来るようになるし、危険な依頼や貴族からの依頼も受けられるけれど、Aランク以上は昇格試験に筆記試験や面接も加わって本人の品格も問われる様になるわ。


B…プロを名乗れるわ、同時に頭打ちになりがちなランクね。

護衛任務が本格的に受けられるランクだわ。

国境越えもする事が増えるランクでもあるの。


C…アマチュアね、このランクから護衛任務とか受けられるわ。

魔物も中位くらいのを討伐するわね。

荒れくれ者じゃあせいぜいこのランク…かしら。


D…慣れてきたくらいね、最初の能力試験をパスすればここから始まる人もそれなりにいるわ。

泊まりがけの任務が受けられる様になるけれど、実際はDランクへの依頼はそんなに無いわね。


E…初心者ね、最初の能力試験をパスすればここから始まる人も多いわ。

弱い魔物の討伐依頼が受けられるようになるわ。


F…駆け出しね、大抵はここから始まるわ。

薬草摘みとかの簡単なお使い依頼しか受けれないわね。




(神様、なんでいきなりBランクなのかしら??)


〔実力がそれくらいだからだな。

ただ、ギルドで登録すると新人がいきなりBランクとか騒ぎになるだろ。

だからだよ。

クロムならそうゆうの好きそうだが、君は違うだろう?〕


(なるほど…だけど大丈夫なのそれ。

登録した訳じゃないのにカードだけあるって。)


〔ソコはほら、神様パワーって事にしといてくれ。

過去に遡って最初からこの世界で生きて来た〖クロエ〗が存在するんだよ。

要するにその身体の元々の持ち主だな。

あぁ、駄女神の奴と違ってその身体は僕が神の権能でゼロから創り出したモノだから安心しな。

……クロムの身体は強奪、だがな。

偶然か狙ってかは知らんが"もう1人の犠牲者"の幼馴染み、だ。〕


(……気持ち悪い女神ね、本当に。)


〔すまん、不快にさせた。〕


(いえ、教えてくれてありがとう。)


〔…この世界に来てから、何だか僕に優しいね?

とにかく、君にはこの世界を楽しんでもらおう!うん!!

国境に着いたら奴隷を購入する事をオススメする。〕


(なんだかんだで貴方は便宜を図ってくれてるもの…相応な態度にはしたいの…

それはそうと奴隷の件は分かったわ。

…前世での倫理的にはどうかと思うけれど、貰った知識を参考にすればこの世界での奴隷って要するに派遣社員の事みたいだし。

そんな奴隷が一緒に居た方が良いのは女の冒険者が独りだと危ないからね?)


〔ああ、厄介事は勘弁だろ?それに、国境じゃあ仲間は奴隷商が売っている奴隷ぐらいしか募れないだろうしな。〕


(なるほど、なるべく避けるに越したことはないわね。)


〔それでも完全に避けれる訳じゃあ無いのが口惜しいけどな。〕


(そればかりは仕方ないわ。その時は【気配遮断】を使って逃げるだけよ。)


〔我ながらいいスキルを付与したな!〕


(ええ、そうね。)



まぁ、そのスキルを使って国境を越えようとは思わないけれど。

気配遮断…いくらランクが最高位(番外)のEXとは言え、万が一見つかったら犯罪者になってしまうもの。

あ、国境…かしら?立派な壁と門が見えてきたわ。

洋風な造りの万里の長城、というイメージの外観ね。


列は…案外無いのね。

いえ、国境だからかしら…?

普通、国境に用事があるのは商人かBランク以上の冒険者くらいみたいだし。

そう思いながら見回していると…………


(あ、彼が奴隷商人かしら?)



小綺麗な見た目で優しげな風貌をした男性が馬車の傍で奴隷らしき人達と話していたわ。

この世界での奴隷商人は奴隷を大切にする…だから奴隷達も生き生きしているし、それぞれの職や特技が分かりやすい様にか、

戦士系は鎧、魔法使いはローブ、職人は作業着やエプロン、なんて()()()()()()()服装になっているわね。

……何故そんな彼等が奴隷だとわかるかと言うと、奴隷達には首輪がついているからだわ。


そして、そんな彼等を冒険者らしき人や商人らしき人達が買っていっている。

商人はともかく、冒険者は奴隷を買えるくらいに余裕が出来るのもBランク以上、なのよね。

Bランク未満でもギルドで安く買える(割引分はギルドからお金を借りた事になるので依頼報酬から10%ほど引かれて返済する)んだけど。


ちなみに奴隷は1番安くて金貨10枚=日本円換算で10万円ね。

冒険者の場合は奴隷への給料として依頼報酬から10%以上払うのが基本でもあるわ。

(冒険者は基本的に奴隷を1人しか持たない。Sランクでもなければそれ以上は生活が出来なくなるし。)

…大抵の冒険者は奴隷を大切にするから人数分で割るのだけれど。

私も1人だけ買うつもりだし、依頼報酬から半分は渡すつもりよ。

それ以外にも衣食住の保証は当然しなきゃならないの。

だから奴隷を買ったら責任もあるしお金ももっと稼がなきゃならないのよ………

とは言え、私の場合、神様特典なのか既に金貨が1000枚以上あるのだけれど。


〔アホだな駄女神……金銭感覚狂わせる気か。〕


(このお金は無いものとして、ちゃんと考えて使うわ。)



…とにかく、私は奴隷商人に話しかける事にー

あら…?



「…?」


「……!」



…私をじぃっと見つめていたのは…狐の獣人…かしら?

私が気付くと目を逸らしてもじもじしだしたのだけれど……

そんな彼(?)は稲穂の様な金色の髪にさんかくの耳、大きくてふわふわな狐の尻尾を持つ可愛い系の子供なのだけれど、

そんな彼に気付いたのか奴隷商人さんがその子に話しかける。



「どうしたのかな?ラティス君。」


「あ、いえ…なんでもないです………


「いやいや、そんなに縮こまっていてはチャンスを逃してしまうよ?

君達獣人は、直感的に主にしたい人を決めるという。

ならばこそ、気になる人を見つけたら必ず声を掛けなさいといつも言っているだろう?

ささ、遠慮なく言いたまえラティス君!」



…解説ありがとう商人さん…(微苦笑)

獣人奴隷への扱いはかなり良いのよねこの世界。

それは、今商人さんが言っていた獣人の特性があるからなのよ。

ともかく、私から商人さんへ声を掛けたわ。



「こんにちは。」


「やぁ、いらっしゃいお嬢さん!その格好は冒険者だね!

奴隷をお求めで?見たところ1人の様だ!是非ともウチの奴隷達をお役立ていただきたい!!」(ちらっ)



そう言いつつも狐の獣人君にちらりと優しい目を向ける商人さん。

この商人さん、彼…ラティス君…が私を見ていた事に気付いてるわね。

まぁ、この場にはもう私しか居なかったしあんなに熱い視線を向けていたら間違えようが無いわよねぇ………

私に与えられた常識的にも、奴隷獣人に気に入られたなら積極的にその人を買うべき、とあるし。

…商人さんに視線で促された彼は、顔を真っ赤にしながらも懸命に話しかけてきたわ。



「あ、あのっ…おねえさんっ……!」


「はい、何かしら?」


「えっ…あぅ…そのぅ…ぼぼっぼくは!ラティスっていいます…!」


「ええ。」



私より若干小さいから見下ろす感じになってしまうわね…私は少ししゃがみこんで目線を合わせたわ。

そしたら何だか嬉しそうな顔になってー



「……しゅきぃぃぃっ!!」


「え…」


「はい?」



急に抱きついてきた……

あ。奴隷商人さんもびっくりしてるわねぇ………


あははーこの世界に来てから男の子に抱きつかれるの2回目だわー

数時間で2回目だわー


とか思わず少し現実逃避してしまったわよ。

だけどラティス君はテンパりすぎて暴走してるのか、私にしっかり抱きついて営業トーク(?)を始めた………



「ぼくはこう見えて近接格闘や槍術が得意なんだ!きっとお姉さんの護衛として役に立つから!ぼくがお姉さんを守りたいから連れてって下さいっ!!

それに!家事スキルや支援魔法スキル、アイテムボックスも持ってるからサポーターとしてもバッチリ!!

戦闘だけじゃなくて日常生活でもお役に立てるぼくをぜひ買って下さぁぁぁい!!」


「こ、こら!ラティス君!?いきなりお客様に抱きつく奴があるかい!!?

いやあの、すみませんねお客様!!ラティス君は普段は大人しい子なのです!

決してこのような軽はずみな事をする様な子では無いはずなのですが…!」



あー…商人さんが慌ててるせいか私が逆に冷静になってきたわね。

商人さんが感情的じゃあ致命的だから多分演技だとは思うけど。



「…いえ、気にしないでください。

私もいきなりの事に驚いただけですので。」


「本当に申し訳ないです……!」


(あー…この子、ひょっとしたら今までもこれで売れなかったとかじゃないわよね神様。)


〔うーん…あー…いや、この子今日が初仕事だ。〕


(なるほど…って分かるの!?)


〔〖神の鑑定〗を使ったからね。

ちなみにこの子、スキル構成は優秀だぞ。〕



あ、脳内に鑑定結果が流れてきたわ。



名前:ラティス

種族:狐族

性別:女〔男に偽装中〕

年齢:15

職業:支援魔法士【Lv.23】⇆槍術士【Lv.20】


ステータス:筋力C⇆A+ 耐久EX 俊敏B⇆S 魔力A+⇆C 幸運A

〖耐久は鉄壁防御、絶対回避のアビリティによる〗


鉄壁防御>貫通系

絶対回避>必中系


アビリティ

・異性装術 EX 【Lv.MAX】

→男装時に他人からの認知及びアナライズ系のスキル全てに対して自身を男性として認識させる。

更に女装時にも『女装した男性』として認識させる。

〔看破不可能な隠蔽スキル〕


・槍術A【Lv.8】

→槍使用時の威力が上がり、槍術が使える。

また、槍型の魔法の威力も上がる。


・投擲A 【Lv.3】

→物を投げた時の威力と命中精度が上がる。


・近接格闘B 【Lv.5】


・魔法適正B 《支援魔法》 【Lv.9】

→レベルを上げることで使用出来る魔法が増える、最大Lv.10。

また、レベルを上げることで支援魔法使用時の消費魔力減少量、効果量、効果時間が増える。


・二重人格 EX

→一つの体に2つの魂を持つ者、人格が変わるとステータスと一部スキルの効果が変わる。



>派生スキル

・臆病者 EX ⇆ 勇敢 EX

→基礎防御力アップ、支援魔術効果倍加、〖鉄壁防御〗(貫通を無効化して防ぐ)

基礎攻撃力アップ、物理攻撃威力アップ、〖絶対回避〗(必中を無効化して避ける)


→物理攻撃時威力ダウン【デメリット(この状態の時は魔法攻撃主体なのであまり関係ない)】

被ダメージアップ【デメリット(この状態の時は絶対回避なので関係ない)】


>派生スキル

・絶対不屈 (二重人格)

→即死系状態異常・即死級攻撃を必ず耐える。

ただし1日につき1回のみ、即死攻撃を受けた人格は1日休眠状態となり表に出せなくなる。

もう1人の人格が殺されない限り殺された人格は翌日には復活する。




etc...


アクティブスキル


各種槍術

・二段突きC 《コモンスキル》

→槍術、槍による2回連続攻撃。2撃目は必ずクリティカルヒットになる。


・乱れ突きB 《コモンスキル》

→槍術、槍による無数の連続攻撃。

etc...


各種支援魔法

・フィジカルプラスB+ 《コモンスキル》

→一時的に筋力を増強し、物理攻撃力を底上げする。物理防御力も少し上がる。


・シールドB 《コモンスキル》

→一時的に魔法盾を出現させて物理攻撃と魔法攻撃を防ぐ。



・マジックカウンターシールドA+ 《コモンスキル》

→一時的に魔法を反射する魔法盾を出現させて魔法攻撃を防ぐ。

etc...


・挑発 A 【Lv.8】

→敵を挑発して自分だけを狙う様に仕向ける。成功時被ダメージ40%カット。


・かばう(主特化) EX 【Lv.MAX】

→味方の前に割り込み代わりにダメージを受ける。成功時被ダメージ80%カット。

自身の主を庇う時は転移可能・絶対成功。



・アイテムボックス A 【Lv.7】



(……え。ラティス君って女の子だったの…?)


〔僕もステータス見た時ビックリしたよ、神じゃなかったら見逃していたね…と言うか彼女…二重人格だ。〕


(え。)


〔だから厳密には普段表に出てるのが『男の子であるラティス君』なんだよ。

条件は何となく分かったけど、裏人格が存在するよ、彼女は。〕


(そうなんだ……)



とにかく………!



「あの…この子は私を気に入ってくれたのですよね。」


「え、ええ、左様で。」


「なら契約します。

獣人とのご縁ですし、いきなり当たるなんて寧ろ幸運だわ。」


「…!ありがとうおねえさんっ!」


「宜しいのですか?」


「ええ、獣人奴隷に好かれたのなら積極的に買うべし、でしょう?」


「ほほぅ…お若いのにその心得をご存知とは!

いやはや、お見逸れしました……ご迷惑もかけましたしお値段の方は勉強させていただきます!」


(あれ…?

神様、もしかしてこの『常識』、私くらいの年齢だとズレてる??)


〔ズレてる訳じゃないけど君くらいの年齢だと知らないって人も多いかな、って感じだね。

知っていても珍しくはないからこその『常識』だから気にするな。〕


(分かったわ。)



商人さんは早速とばかりに契約書を取り出して私に渡して来た。

やっぱり商人だからアイテムボックス系のスキルは当然の様に持ってるわよねぇ……

机と椅子も取り出した彼は私に座る様に促してペン(驚く事にボールペンらしきもの)も渡して来た。



「お客様は奴隷契約の基本はご存知ですかな?」


「ええ、奴隷の健康、及び衣食住や賃金の保証、よね。」


「左様で。」



契約書にもその様な事が記載されていて、それを破った主には咎があるとの事。

本当に職業奴隷は手厚く保護されてるわね!

私は契約書を読み、同意の部分にチェックを入れたわ。

値段は金貨25枚から差し引いて20枚。2割も割り引いてくれたみたい。



「おや?いきなり依頼料から50%の契約になさるので?

大抵の方は最初は実力が分からないからと30%ほどにするのですが。」


「私は、私を慕ってくれる彼を手放すつもりがないですから。」

〔おまwクロム捨てといてよく言うわwww〕

(黙っててくれるかしら神様…?と言うか、目が覚めたら自分自身に恋愛対象に見られてて拘束されたらゾッとするでしょうが!?)

〔すまん。〕

この間、0.5秒である


「おねえさん……!」


「ふふっ♪頼りにしてるわよラティス君?」


「うんっ!」


「では、契約成立ですな!冒険者証をお貸し頂けますかな?」


「ええ。」



そう言った商人さんは更にアイテムボックスから水晶を取り出して私から受け取った冒険者証と契約書を水晶にかざした…

すると、契約書が光の粒となって冒険者証に吸い込まれていった……

幻想的ね………



「綺麗ねぇ……」


「だねぇ…!ぼくも何回か見た事があるけどやっぱり綺麗♪」



…と、ラティス君の首輪が光って彼と私の名前が刻まれたドッグタグが出現したわ!!

コレが店売りではなく個人所有になった証みたいなものらしいわ。

それと持ち主が分かる様に、迷子になっても見つけられる様になっているとか。



「さて、これにて契約完了ですぞ!ご契約ありがとうございました!

ちなみに、彼の着替えや武器等の荷物は最初から彼のアイテムボックスに入っていますので後程受け取るなりを彼とご相談くだされ!」


「ええ。」


「今までありがとう!店長さん!!」


「うむ!ラティス君、達者でな!」



こうして、奴隷の獣人『ラティス君』を仲間にした私は改めて門をくぐり、隣国へと渡った。












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