1話目♀!
また思いつきでネタを。
ただ、我ながら男主人公が気持ち悪い仕上がりになりました。
……ああ、私は死ぬんだな。
死ぬ間際、妙に冷静に私は悟ったわ。
まぁ、幼馴染みの2人を庇って通り魔に立ち向かって、胸にナイフを刺され、更に滅多刺しにされていくこの状況ではまず助からないでしょうし。
薄れゆく意識の中、私の言った通りに2人が逃げてくれているのを確認し、更に背中から何度も何度もナイフを突き立てられる中、私は意識を手放した。
《まったく、自己犠牲精神が美しいとでも思ってんの?馬鹿かな君は。》
え?なによいきなり。
馬鹿とは失礼ね。私は私の幼馴染みを助ける為に行動しただけよ。
《それが馬鹿だってんだよ!もっと自分を大切にしろ大馬鹿者が!!》
うるさいわね。
私の身体なんだからどう使おうが私の勝手でしょ。
《親が悲しむとか思わないのか?庇われた幼馴染み2人が罪の意識に苛まれてこの先も生きていくとは思わなかったのか??》
……思わなかったから体が動いたのだけれど。
《チッ、そらそうか。》
と言うかあなたは何様よ。
《は?神だ。》
あぁ、そう。
で、神様がなんの用かしら。
《……一時的に感情消したはずなのに生意気な娘だなちくしょう!!》
お生憎様ね、感情と性格は別だと思うわ。
《本当に生意気なメスガキだなぁ!?平行世界のお前の2割だけでも気弱要素入れろよド畜生が!?》
神様って案外口悪いし俗物なのね。
《分かった!もう良い!さっさと転生手続進めるし説明も頭にインプットしてやらぁ!
ハイハイ、プレゼントは何かな!!
……なるほど、もっと自分を大切にしたかった、と。
なんだよ!本当は自分自身も助けたかったのか、愛されたかったのか。
ほーん。生意気なのは願望の裏返しか?》
勝手に心とか思考とか読んだ訳ね。
神様だからってプライバシーの侵害じゃないかしら。
《ほんとにうっせーわ!!!さっさと行けや!!!》
ハイハイ、なんか頭に流れてきたし理解はしたわ。
なるほど、転生先は剣と魔法の世界で、私にはいきなり死なないように何個かアビリティやらスキルやらが付与されるのね。
《そうゆうこった!次はせいぜい自分を大切にしろよな!!》
…ええ。今度はちゃんと、"自分自身"も愛するし、大切にするわ……
ごめんね、神様。
《…………なんだよ、最後ばっかり可愛くなりやがって…また会うことになるだろうし、その時はよろしくな。》
ええ、じゃあ、バイバイ。
《良き来世を。》