第九十七話 サンダさんの得意魔法って・・
97話です
「なにが面白いって自分が真っ裸なことに気づいて葉っぱとかを焦って探して街に帰っていく冒険者がだよ」
ただの愉快犯でそこまでするのか?
「なんでそんなことしてんだよ! 暇なのか!?」
とは思っても口には出さない。
「ひ、暇じゃない!」
思考が最近よく読まれる。
目の前の老人は言った。
「儂だって忙しいんだ! 今は仮初の姿じゃけど、本気を出せばこの国なんてイチコロじゃぞ」
たしかにイチコロかもしれない・・
「話もひと段落着いたし、反撃をさせてもらうぞ」
やはりか。詠唱を始めてきた。詠唱はこの前の黒炎を放射する魔法と同じだと思う。
「サンダさん、黒炎が飛んできます」
「ああ、詠唱でなんとなくわかってる」
詠唱聴いただけでどんな魔法が飛んでくるか1発で分かるなんてすごいな。
考え事していたら、黒炎に当たってしまう。
俺は小さくなって避け、《俊足》を使って走り、隙をついて《巨大化》で攻撃。
もちろん防がれるが、これで大きな隙ができた。
「サンダーボルト!」
サンダさんの魔法で天から雷が落ちてきた。
老人は雷から逃げれるわけもなく直撃し、気絶した。
これだったらどんなに『体力』があっても当たれほとんどの敵を倒せるだろう。
それはさておき、雷の属性はないと思うけど・・・・どうやって雷の攻撃を出したんだ!?
「俺が《ブラックホール》で吸いましょうか?」
「いや、まだ殺すには惜しい。というか、私たちが戦っていたのは老人だよな」
雷が直撃し、地面が焦げていた。そこに倒れていたのは白髪の老人ではなく、ロリだった。
雷を食らって動けなかったはずのロリがすくっと立ち上がった。
「そんな攻撃で儂を倒せると思ったか? ぎーしっししししー」
ダンディーだった老人はどこへやら、ロリが凄んでいる。
「あれ? 儂の完璧な変化が解けている???」
「お前、本当の姿はこんなちんちくりんだったんだ」
「だったらなんじゃあー!? 馬鹿にするのかーあ!? 」
ロリは大きく息を吸い込んでいった。
「儂は暗黒龍 ダ・ウ・ネ じゃぞーーーー!!!!!!」
「サンダさん、本当ですかね?」
「いや、私は信じないぞ。たしかに強かったけど、魔族の突然変異か何かだろう。ヒト族と魔族の大問題になる前に私が責任をもって魔族領に返しておこう」
ロリが怒って精一杯大きな足音を立てて近づいてくる。
「いや、だーかーらー、儂は暗黒龍ダウネじゃ」
「おい、ロリ。嘘も休み休み吐け。お前がー、暗黒龍ー?ありえないね。それにドスドスうるさい!! 少し静かにしてて今は大事な話してるから!」
「お主らの目の前にいる儂が暗黒龍だということより大事なことなどないだろう!」
ロリはほっぺを赤く膨らませ言う。
「そもそも龍種という証拠はあるのか? 本物ならドラゴンの姿になってみるとかしてくれよ」
ロリはうーーん、うーーーーんと悩んでいる。
やっぱり、龍種というのは嘘みたいだ。そもそもドラゴンなんて伝説級の生き物とかだし、こんな普通の森とかじゃなくて、勇者の剣が刺さる山とか、レアな宝石のある洞窟とかに住んでいるような生き物だと思う。
「儂は今はドラゴンには成れない。50年前くらいに馬の合わないやつと喧嘩して、そこから体力も魔力も回復しきってないんじゃ」
「まあ、証拠はないんだね?」
「うぐぐ」
ロリはとても悔しそうに口をへの字に曲げてた。
一応《鑑定》を使ってみるか?
「鑑定を使うけど、気にしないでください」
――鑑定――
【暗黒龍・ダウネ】
種族 :龍種
レベル :????
体力 :????
魔力 :????
攻撃力 :????
防御力 :????
素早さ :????
種族スキル: ????
スキル :????
ほとんど見えないが、たしかに龍種だし、暗黒龍でダウネだ。
「お前、本当に暗黒龍だったのか?」
「だからい言ったのじゃ☆」
ダウネは嬉しそうだ。無性に腹がたつ。
「じゃ、もういいじゃろ」
――鑑定失敗――
ダウネによって『鑑定』がはじかれた。
サンダさんは向こうの方でどうやって魔族領に返還しようかと一人でぶつぶつ言ってる。
「サンダさん、ダウネさんは本当に龍です」
「うん、だからなるべく早く魔族領に戻す方法を考えているんだよ。って、えっ!? 本当に龍なの?」
俺は深く肯く。ダウネも肯く。
「俺が鑑定スキルでステータスを見せてもらいました」
「ステータスは見られないようにはできるけど、偽装することはできない・・ つまり、本当なのね・・」
彼女ははあーっと、大きくため息をつく。
「もう無理ーーーー!!
いやだってさ、私師匠から急に賢者の後釜にされたかと思ったら、仕事仕事仕事ってどこの国のお偉いさんも私に回してきて。確かにさ、大金はくれるけど、私がお金を使える時間はないし。それに!それに!それに!『魔族の子供は殺さず返還』なにこれ!? そんなことが簡単にできるわけないだろうが!!??
それで今回は龍種?こんなのどうしろっていうの!!?? 私の最高火力の魔法食らってもピンピンしてるし、次からは絶対に食らってくれないだろうから戦ったら勝ち目ないじゃん。あーもう最悪、最悪最悪。もう嫌ーーー!!」
サンダさんが弾けた・・・・ 精神的に・・
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