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うさちゃんに転生!?  作者: ほーほー
第五章 フレーデルの街
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第九十四話 森の依頼Ⅲ

 94話です!

 やはりというか、こんなに大勢の冒険者で森の中を移動しているのに魔物の影さえ見えない。

本当に平和な森ほど不気味なものはないと、昨日の事を経験してから感じるようになった。

 

 昨日は俺たちが襲われて帰ってきて、町の警備に冒険者が加わってより強固になった。

この街はダンジョン都市なだけあって、強いパーティも多いし、昨日一晩は何も襲ってこなかったので町は平和だった。

夜は食事をとりながら、対策のための事情徴収が行われて、大変だった。

おいしいご飯もまずくなるような質問ばっかりで本当に・・


 事情徴収は遅くまでかかりそうだったから、3人を先に部屋に戻るように言って、俺は長い間聴衆に着きあわされた。最後の方は眠いのか眠くないのかもわからないくらい意識がもうろうとしていて、ちゃんと答えられえた自信がない。

俺はぐったりと疲れて、風呂にも入らず、ベットの空いてるとこを見つけて、子ウサギで布団に飛び込んだ。


 翌朝は、気持ちのいい目覚め・・ではなく、たたき起こされた。それもガンバさんにだ。大の漢の。

「下でえれぇ人が待ってるぞ」

だとよ。もう休みたい・・

「なんおようですか?(何の用ですか?)」

自分でもろれつが回っていないとは自覚しつつも寝巻のまま階段を下りた。

俺は誰が来てるか見た。

・・・・・ギルド長が来てた。

ガンバめ、ギルド長が来てるならそう言ってくれればよかったのに!


 俺は魔法で一瞬にして着替えを済ませ、姿勢を正してギルド長に向き直った。

「おはようございます!」

「あー、おはよう」

ギルド長がこんなところに何の用か聞きたいけど、流石にそれを聞いてはいけない気がする。

「今日は、君に頼みたいことがある。朝から、悪いね」

「いえいえ。そんなことはないです」

「で、要件なんだけどね。今日は老人討伐の事をお願いしたいんだ。多分、君はこの中でも実力だけならかなり高い方だろう。もちろん、戦いには経験の差も生きてくるからそれだけじゃないんだけど」

俺は悩んだけど、やっぱりここで断ることはできないと思い、「3人は休ませたいんで、俺だけでいいですか?」

と聞いた。


 俺はガンバさんのパーティにくっついて森の中を歩いてた。

ガンバさんはこの依頼で成績を残すとAランクのパーティになれるようだ。

「俺もガンバさんにAランクになってもらいたいと思ってます」

自分で言ってて恥ずかしくなって慌てて、ガンバさんに「今の事は忘れてください」って言ったら、笑われた。


 やはりというかギルドのお兄さんが先頭の集団にいて、昨日と同じようにだけど昨日よりびくびくしながら事件の起こる場所まで案内した。

老人はその場に座っていたが、立ち上がった。

その瞬間すさまじい殺気が襲ってくる。

Aランクパーティ3組は互いに連携を取りながら、陣形を組み始めた。

BランクパーティはAランクパーティを少しでも補うように配置に着いた。

前衛はみんなタンクよりの構成。後衛は大魔法の準備を始めているが、せいぜい中級程度の魔法使いだ。

俺は後衛を守るために土の壁を築いて、回復魔法の準備をした。


 前回と違い大人数のため老人は詠唱をせずに最初から物理で攻撃をしだした。

「うわーー」

前衛の悲鳴が広がる。

戦い慣れしているA,Bの冒険者の前衛がいとも簡単に吹き飛ばされていく様子を見ていた。

俺も前衛に入りたいが、回復できるのが俺しかいないからなるべく後衛でサポートしてくれとギルド長に言われている。


 しかし、前衛は10秒も経つと崩壊し始めた。このままだと老人の攻撃が後衛まで届いてしまう・・

俺は回復魔法を展開しながら、前衛とスイッチした。

体を《巨大化(ビッグラビット)Ⅱ》で腕を振り上げ、上から詰めを振り下ろした。

老人は剣も何も持っていないから、2本の腕で俺の攻撃を防いだ。

ただの人間の手のはずなのに俺の爪とぶつかってカキンと金属がぶつかり合うような音が森に鳴り響いた。

(化け物かよ・・)


 驚いてる隙も無く、蹴りが飛んできた。

俺はそれを身体(からだ)を小さいウサギの状態になりかわし、地面に着地した。

老人は先ほどとは違うような構えをしていた。

まるで剣を頭の上で振り上げているような構えだった。

「みんな離れろ!」

俺は叫んだ! こんな構えは見たことがない。危ないと俺の野生の勘がそう言っていた。


 直後、老人の周囲の地面がえぐれ、前方からは斬撃が放たれた。

前衛はみんな離れていたから大丈夫だったが、あんな攻撃を直接食らったら文字通りそこには何も残らないだろう・・

「俺は帰るぞ。こんなの違約金を払ってもおつりがくるくらいだ!!」

いくつかあるBランクパーティの一人がそう言って逃走した。

別にその一人が強かったわけではない。ただ、1人抜けることはその分、他の人の負担も大きくなることになる。それが分かっているのか、同じように逃げだす人も生み出す結果にもつながった。


 気が付けば逃走した人と、怪我した人を除くと戦える人は最初の半分くらいになっていた。

Aランクパーティで今回の指揮をしていた「ケルベロスの左腕」のリーダーが言った。

「撤退だ!」

と・・

このままだと、人死にが出るかもしれない。幸い、この正体不明の老人は森から出てこない。

それが俺たちに説明された理由だった。

俺は怪我をしている人を申し訳ないと思いながら、《収納》に放り込み、《飛行(フライ)》で飛んで運んだ。


 これは完全に敗走だ。負けたのか・・







 読んでくれてありがとうございます


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