第九十話 這い上がって、
90話です
俺たちは洞窟の奥に進んで魔物を狩っていった。
最初の説明で聞かされた、奥に行くほど強い魔物が出やすいといっていた割にあの黒兎以外は別に強くなくて、拍子抜けした。
俺たちは「ダンジョン都市のダンジョンは一階層からこんなに強い魔物が!?」って思ってたのに、最初が異様に強くて、それを除けば普通に難易度が上がっていた。
多分、俺たちの運が悪くてあの黒兎に有ったんだろうけど、他の新米冒険者があんなのと出くわしたら良くてパーティ半壊、最悪全滅もあるだろう。
このダンジョンは10階層ごとにボス部屋があると言われているらしい。
そのまま行くとこの下の階層はボス部屋になる。特に怪我もしてないので、そのまま進めそうかをみんなに聞いた。
「大丈夫だよー」
とエリーナが、マニラもキラも問題ないようだ。
俺は目の前の階段を警戒しながら下った。
長い階段を降りると、そこは広い部屋で壁にはコケが生えていて歴史を感じさせられた。
ただ、ところどころ巨大な爪痕が付いていて、そこだけえぐれている。
「この感じ、かなり大きい魔物ですね」
マニラが言った。
俺は本能的に感じた。
そして気づいた。あの爪痕はこの階層のボスではないものだと・・
奴は巨大な体を地面に這いずって行動していた。
ニョロっとした体、シュルシュルという舌の音。これは蛇の魔物だ。
「ヒャアァァァァ!! 蛇だけは・・・・・・!!」
大の蛇嫌いのキラが気絶した。
「キラ! 起きろ!」
と一応は言って見るものの起きるわけもない・・
前、蛇のことが嫌いだと知ったエリーナがカバンに仕掛けた蛇のおもちゃで気絶して、何度も起こそうとしたけど、結局起きるまで半日かかった。
俺は仕方なく、キラを背負って蛇と対峙する。
脳では勝てるとわかっていても、本能的に逃げたくなる。遺伝子の力はかなり強いみたいだ。
「ヤバい・・エリーナ、マニラは大丈夫そうか」
「私は平気!」
と元気にエリーナが言ってるのに対して、
「ウエッ」
ともう限界そうだ。
これはかなりきつい・・
正直言って、マニラは下手に前に出すのではなく、もう下がっていてもら方が安全かもしれない。
「マニラは下がって、俺とエリーナでやるから」
俺は完全に堕ちている、キラをエリーナに渡して蛇と対峙しようと頑張る。
蛇にらみという言葉はこういう意味だって分かるぐらいの金縛り状態であった。
この場でまともに動けるのはエリーナしかいない・・
『エリーナとにかく、魔法で攻撃するんだ!』
『うん、わかったよ』
エリーナは魔法をためている。
俺は何とか体を動かそうとするが、目の前大蛇によって動けなくなっていた。
やっとの思いで指先だけ動いて来たが、指先でできることなんてない。
俺はエリーナが勝てるように応援するだけだった。
俺の事をじっと睨んでいた大蛇は俺が動けないことを確認し終えたかのようにゆっくり近づいてくる。
エリーナの魔法は全くと言っていいほど聞いていないみたいだった。
(・・このままだと喰われる)
俺は本気でそう感じた。
早く逃げなきゃ・・ 動かなきゃと思うほどに俺の体は言うことを聞いてくれない。
せっかく転生して学園も卒業し、これから自由の冒険者ライフができると思っていたのにその終わり方がこれかよ‥
死にたくないよ。俺は足を手を動かそうとするが体が自分の者ではないみたいだ。
大蛇が鎌首を持ち上げてよいしょと俺を丸呑みしようとする。
その時だった。目の前から巨大な黒兎が出てきた。
『僕のライバルにここで死なれたら困りますねぇ』
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僕は土に潜って少し休んでから、ある人を追っていた。
魔力を限りなく出さないようにして、気配を殺しダンジョンの土の中から見ていた。
白兎を見ていた。
奴はこの僕とほぼ互角で渡り合っていてなお、人間と仲良くしていた。
僕なんか人間の前に行くだけで攻撃されるのに・・
それになんか人間に化けたりできてた。
強いとは思っていたけど、魔法を使った奴はすさまじかった。
多分、本気を出されていたら僕の人生はあそこで終わていたと確信できるほどに。
難なく、ボス部屋までたどり着いた奴らはそのままボス部屋に入っていった。
僕も生まれてからの間個のダンジョンの低階層に住んでいるが、ここまで簡単にたどり着いたの勇者のパーティぐらいだったと思う。
ボス部屋の扉を開き、白兎と仲間たちは入っていった。
大蛇の魔物を見た瞬間に一人が倒れたけど、白兎の奴はしっかりと倒れ切る前に受け止めて戦火に担いで戦おうとしていた。
しかし、ウサギとは蛇に逆らうのが難しい生き物だ。
だから、僕はどんなに強い魔物と戦いたくても絶対に中級階層に行けなかった。
蛇のにらみで止まってしまうのは1体だ。他の魔物ならまだ動きやすいが、ウサギに捕まったら確実に動けない。
でも、今は違う。ここで動けないのは白兎、僕が助けに言って蛇を倒せば、僕にも利点が多い。
俺は意を決して地面から飛び出た。
読んでくれてありがとうございます。
次のお話も楽しみにしておいてください。




