第八十八話 モグラのように潜る!?
88話です。
88は末広がりの数字で縁起がいいですね・・
俺たちは食材店『クモの耳』で買い物をした。
俺たちの中でも一番料理に才があるキラが必要なものを買ってくれた。
買ったもののほとんどを《収納》にしまって、宿に戻った。宿で晩御飯が出るから俺たちはそれに間に合うように。
その日はフレックさんによって宿に泊まる他の客に紹介されて、ご飯を食べた。
「おい、新入りよろしくな。俺はガンバっていうんだ」
ガンバとなる男はボロついたローブを着ていたが、貧しい感じはしなく、むしろ歴戦の猛者のような雰囲気を醸し出していた。
「よろしくお願いします」
「お前は最近こっちに来たみたいだから知らないだろうけど、ついこないだはここで勇者様?が修行してたんだぜ」
ガンバさんはまるで自分の事を言うみたいに勇者を見たことを誇らしげに語った。
なんでも勇者が最近発見されたらしくて、国を挙げてその支援、教育をしているそうだ。
これから暮らしていく予定の仲間と食べあった夜も明け、朝になった。
目覚めたのは宿の部屋だった。今考えたら男女混合の4人部屋って結構ヤバくね。
「おはよう」
俺は着替えて、ダンジョンに行くための荷物を確認した。
ダンジョンは、早朝から潜ってざっくり回収するつもりだ。
「起きろー」
エリーナもキラもマニラもみんな揃って、寝相も悪ければ朝に弱い。
でも、子供ってみんなそうなのかな。
「おはよう」
俺は着替えの服を持ってきて3人に渡し、部屋を出る。
流石にそろそろ着替えをのぞいたら怒られるだろ・・
着替えが終わったら、3人は出てきた。
「よし、行くよ」
今日の朝ごはんは食べないので用意はしなくて大丈夫です。と女将さんに言っておいた。
ダンジョンは国とギルドによって管理されていて、国が規制をギルドが実務を行っている。
ダンジョンの前のギルド員に自分のランクを提示してダンジョンに入る。
一回目なこともあって、詳しい説明をしてくれた。
「まず、死んでも我々は何も干渉しません。次に死についてですが、3か月間連絡が一切取れなかったり、目撃が途絶えた場合に一時的に死亡が認められ、5年で確定で死んだことになります」
エリーナも俺もみんなも戦慄した。
「まあ、大抵は五年たつ前に他の冒険者に死体が発見されるのが先ですけどね」
お姉さんはさらっと怖いことを言う。
「えーっと、それでこの契約書にサインをお願いします」
一通りの説明があった。見つけた獲物の優先順位、査定の仕方、シャリキアの街のダンジョンとはまた違ったところもあり、覚えるのに骨が折れそうだ。
「うさちゃんサインしっちゃって!」
俺はエリーナにリーダーをやってもらうつもりだったがエリーナがそう進めるので、俺がリーダーとしてサインした。
「これで本当に良かったのか?」
「うん。これで本当に良かったの」
そういうエリーナはどこか誇らしげだった。
俺たちは無事ダンジョンに降りる許可をもらえた。
ダンジョンに入る、ココはひんやりしていたシャリキアのダンジョンとは違って湿気でジメジメ、高温のモワっとする感じだった。
「うええー。気持ち悪ーい。どうにかならないのー」
エリーナ、俺に言われても困るよーと思いながら、先に進む。
「モルモル!」
まじか、黒兎が出た。
「おっ、うさちゃんのお仲間」
最近エリーナはラビット系統の魔物を見るとうさちゃんの仲間っていう。冗談じゃない・・
「これはブラックラビットですね」
マニラは冷静に分析して言う。言ってるけど、見れば誰でもわかるよね・・実はポンコツなの??
「ここは私が」
キラは短刀を持って駆けていった。
短刀だけ持って単身突っ込むのもやめてほしんだけどな・・ なんかあったら大変だから、追いかけないと・・
ブラックラビットは無残にも首を切られた。
黒兎は「キュウん」
ってかわいく泣いてたけど、俺もあんな風に寝首を狩られないようにしないとな。
怖い怖い。
キラは誇らしげにうさぎをもって
「へっへーーん」
って自慢してるけど、一応俺も種族は同じだからその笑顔は怖い。
ブラックラビットは数十秒経つと消えて、魔石に代わってしまった。
「あっ、」
ウサギが消えて、魔石がキラの手から零れ落ちる。
「よいしょ」
しゃがんで、魔石を拾うとした時だ。
「ぎゅるるる」
奥に緑の巨大な目が光ってる。
「ビッグブラックラビットです」
突っ込まないけど、それは見ればわかるよ、マニラ。
「私が行く」
あっ、キラがまた突っ込んだ。
「おい、まだ行くな」
黒兎の爪が大きく振り上げられる
「危ない!!」
俺はブラックホールでキラの体をこっちに吸い寄せる。
「・・死ぬかと思った」
「これからは突っ込むなよ。よし陣形を組んで。俺とキラは前衛、後衛はマニラとエリーナでくれぐれも日の魔法は使うなよ」
火の魔法なんて使われたら、酸欠でこっちまで死ぬかもしれない。
「よし、行くぞ!」
読んでくれてありがとうございます。




