第八十五話 旅鳥
85話です。
読んでもらえると嬉しいです。
俺はフレーデルの街に向かっていた。
「酔わないように気をつけろよ」
と言っても、生理現象は起きるもので途中途中で休んでいかないと行けなかった。
「うさちゃんもうちょっと、ゆっくり歩けない?」
エリーナが何度目かの休憩でそう愚痴った。
エリーナがそういうのも無理がない。今日の朝に出発してから、もう3回くらいゲボってる。
『ゲボ―――』って感じで、ね。
「わかったけど、そうすると食料が足りなくなるんだけど・・」
「収納にたくさん入れてないの?」
エリーナの言うこともわかるけど、新しい街の貨幣価値もわからないし、物価だって流通が悪い「フレーデル」の方が確実に値が張るだろうから、それを考えると買いだめはできなかった。お金は残しておかないといざとなったとき困ってしまう。
「俺は3日で着く予定だったんだけど、予備含めて6日分は収納に入れておいたんだ。でも、これでは一週間はかかっちゃうよ」
「うーん」
とエリーナはうなる。
「よし、わかった!」
エリーナは何かひらめいたように言うと、周りを見渡した。
「ほら、あそこ。あの森なら魔物がうじゃうじゃいそうだよ」
そう言って涎を垂らした。
まさか、あそこで魔物を狩るのか・・・・?
「レッツゴー!! 私のうさちゃん!」
やっぱり・・か・・
「魔物さーん、魔物さーん。出ておいで―」
エリーナは能天気に大股でペッたんぺったん歩いてる。
「はしたないよ」
マニラが「全くしょうがないなぁ」と言うと、
「あっ・・・・てへ」
エリーナは恥ずかしさをごまかすようにおちゃらけて普通に歩きだした。
魔物は出てきた。
ただ、俺たちが想定したより小さくてかわいかった。
「キュー―ン」
「ホワイトラビット?? 」
多分、キラが言った。
「おい、さすがに共食いは・・」
「じゅるり」
もしかして、エリーナ俺の事も非常食だと思ってたのか・・?
「おーい、エリーナさん戻っておいで」
俺は狩人の目でウサギを見るエリーナの前で手を振ったり、肩をゆすったりした。
エリーナはウサギが草影に消えてしまった。
「あーー。」
「おい、エリーナ。まさか俺の同族を食う気だったわけじゃないだろうな?」
「も、もちろん。そんなことするわけないじゃん。アハ、アハハ」
目が泳いでいる・・ 本気だったのか・・?
「と、とにかく次を次を探そう」
そういうと、また歩き出した。
次に見つけたのは、ブラウンベアーだった。
ベアー種の中でもブラウンは最弱で個体数が少ない。ただ、ベアー種の中では1番美味しいし、希少価値も高い・・
「じゅるり」
エリーナはまた横でよだれを垂らしている。
「これなら食べるのによさそうですね。じゃあ、うさちゃんは討伐お願いしますね。私たちはその辺でキノコでも取っておきますよ」
マニラとキラは、エリーナと俺を置いて行ってしまった。
「おーい、エリーナ目を覚ませ。戦うぞ」
まあ、いいか。首をシュッパと切っておしまいだな。
さっさと、首を切ったので、俺は血抜きを始めた。
血抜きって何回やっても慣れないよな・・
エリーナは肉に興味津々でガン見できてるのは本当にすごい根性というか欲望だよな。
「キノコ探しに行ったマニラとキラを探しに行くよ」
俺はマニラがどっちの方向に行ったのかを「従属契約」したことで分かるようになっているからエリーナと探しに行った。
合流してから、俺たちは晩御飯の準備を始めた。
薪を取って、俺は火を魔法でつけた。
「エリーナ、この鍋が沸騰するまで見ててくれないか?」
「うん。いいよ」
俺は血抜きした肉をうまく解体してブロック状にした。
キラに肉のブロックを渡して、こま切れにするように頼んで、マニラのいるキノコのかごの前に向かった。
マニラは学校にいた4年間の間に『鑑定』を使えるようになっていたので食べれるキノコを分けてもらっていた。
「うさちゃん。お願い手伝って―」
って叫んでいる。
俺は『鑑定』が『鑑定Ⅱ』に変化したので1度に調べられる量が増えてパッと見れるようになった。
「わかったよー」
俺はキノコを分別して、非食用の物だけ《収納》にしまってグザイをぜーんぶ入れて煮込んだ。
交代でコトコトに込んで完成したご飯をみんなでいただく。
「「「「いただきまーす!!」」」」
暗くなって、みんなで焚火を囲むのは普段と違って特別な感じで高揚した感じがあった。
「静かでいいよね」
と、エリーナが言った。
上を見上げると、夜空にきらきら星が広がっていた。
「星がきれいだね」
と、マニラが言った。
夜になって動物たちも寝静まり、俺たち以外の音は自然ののどかな音しかしてなかった。
一晩たって、俺たちはまた進み始めた。
もちろん、3人はすごく酔っていた。
昨日綺麗な夜を過ごしたけど、それで酔わなくなるほど世の名甘くないみたいだ。
(下はうさちゃんのイメージです。下手だけど勘弁してくれ。)
読んでもらってくれてありがとうございます。




