第八十二話 学園祭Ⅱ
82話です
「ただいまー」
俺は魔物をダンジョンで狩ってから、準備が進んでいる教室に戻っていた。
「おかえりー」
エリーナが作業しながらも返事をしてくれた。
予算が足りない分はもうどうにでもなりそうなくらい稼げた。
後はお店作りをやるだけだけど・・
「お店作りは私たちがやるからうさちゃんは座ってて」
とエリーナに言われてしまった。まだ、アイスづくりで忙しいエリーナがするより俺たちがやった方がと俺は訴えったが、「いや、うさちゃんセンスないじゃん」と一蹴されてしまった。
俺も心当たりがないわけではない。わかっているから今まで買い物をするときは店員さんのおすすめしか買ってきていない。
うーん。何してようかな・・
俺は同じように居心地悪そうに座ってる男3人を見た。
ホーセル、ジルクニス、クラウスそして俺。決して男だけでむさくるしいわけではないけど、いくら幼いからと言っても華があるわけでもない。
飾りは難しい。アイスづくりも不器用なのでやらせてもらえない。
できることも少ないので、俺はサポートにまわるのが聡明だと気づいた。
「おーい。ホーセル暇だろ? ちょっと来て」
「あ、はい!」
ホーセルを連れて教室を出た。
「これから差し入れを持っていこうと思うんだけど、どう思う? もちろん俺のポケットマネーでな」
「それはいいと思うますけど、大丈夫ですか?お財布の方は?」
俺の財布の事を心配してくれてるけど、ホーセルだってあの一件から庶民的にご飯を食堂で食べるようになってたよな・・
「いいんだよ。お金はあるんだし」
まあ、魔物をここより大きい都市で換金しないといけないんだけど。
「じゃあ、行きましょうか。ウサさん」
大勢に配るなら「質より量」だよなあ。
最近はみんな―特に女子―は成長期を迎えて、よく食べるようになったからな・・
うちも食費がかかってしまって大変だ。『食べ盛り×3人』でご飯と食費が消えていく。
「ホーセル、安くてたくさんの量が出るお店知らない?」
「いやあ、僕は知らないです。ここ最近まで高いお店しか言ったことがなかったものなので」
(一言余計だな)
でも、お店分からないかー。
あっそうだ!
俺はホーセルを連れてギルドに向かった。
そう、ギルドで依頼を出せばいいんだ。
受付の前に立つ。お姉さんはさっき帰っていた俺が戻ってきていて目を丸くしていた、
「どうされました?」
お姉さんが聞いて来た。
「依頼をお願いしたいんですが」
「何か適当に見繕えばいいですか?」
「あっそうじゃなくて、俺が依頼を出したいんです」
「・・・・」
お姉さんは3秒くらい止まってたと思う。
出てきた言葉が「はい?」でこっちまで唖然とした。
「ウサさんが、・・依頼を?」
なんだ? 俺が出したら何か問題でもあるのかな?
「問題でもありましたか?」
俺は聞いた。
「いえ、問題はないのですが、その、意外なことで少しびっくりしてしまいました。依頼の方ですがどんな依頼を?」
「安いお店を紹介してほしいのですが?」
「・・なら私が紹介しますよ!」
お姉さんが目をキラキラさせて言ってきた。
「じゃあ、許可貰ってきます!」
そう言って俺が返事をする前にそのままギルマスの部屋に向かっていた。
戻って来た時お姉さんはギルドの制服ではなく私服だった。
「お願いしたらなんか早引きさせてもらいました。テヘ。」
「テヘじゃないでしょうに、本当に仕事は大丈夫なんですか?お姉さん?」
口に罰点を作りながら「だーめ!」というと
「今度からはピピって呼んで。私の名前!」
ピピさんは年齢は教えてくれなかったけど、17くらいかな。赤毛の髪で明るい感じの子だ。
「で、ピピさん。どこにあるか教えてもらってもいいですか?」
「そんな簡単に読んじゃうのかあ」ピピさんは残念そうに言い、
「私についてきて。連れてってあげる」
と言った。
ピピさんについていくと、『スライムのお菓子屋』があった。
「ここって・・」
「そうよ。お菓子屋さんよ! 名前は『スライムのお菓子屋』だけど、店員は人だから安心して」
良かった。てっきりスライムがやってるお店だと思った。
「スライムみたいに柔らかい水まるんっているのが人気なのよ」
お姉さんは自分の事みたいに自身げにそう言った。
(好きなんだろうなあ。お菓子が)
お店の中に入ると確かに『水まるん』が置いてあった。見た目は完全に前世の水まんじゅうそっくりで中には甘いアコーンの実を煮詰めたものが入ってるそうだ。
俺は店員に
「これ、40個ください」
と『水まるん』指しながら言った。
「ホーセルとピピさんも何か入りますか?」
「「僕(私)もいいんですか?(の?)」」
「あーいいよ」
「じゃあ僕は『ゴットルン』をお願いします」
「私はー『カルベン』をお願いします」
『ゴットルン』は固いクッキーが周りにちりばめられたタルト見たいので『カルベン』は前世のカステラそっくりだった。
「じゃあそれでお会計お願いします」
俺はお金と商品を交換して、店を出た。
「ピピさん、今日はありがとうございました」
俺はピピさんにお礼を言っていた。
「これくらいの事、簡単ですのでもし何かあったら言ってください」
そういうと足早にピピさんは帰っていった。
「俺たちも帰るかあ。教室に」
83話も投稿するので投稿されてたら読んでおいてください!
読んでくれてありがとうございました




