第八十一話 学園祭
81話です
俺たちは学園祭の準備をしていた。
学園祭、それは年に1度、生徒がこの国立シャリキア学園を紹介するために開かれる催しだ。
学園に所属する生徒はもちろんの事、入学を考えている小さい―生徒も小さいがそれより幼い―貴族の子弟などがくる。そう、学園外から様々な人が来るのだ。
もちろんその中には、有名貴族や、商人などもいる。
その人たちは出資―つまりお金を出すこと―してくれたりする。
「何で出資してくれるのか?」と先生に聞いたら、「ココだけの話、何人か優秀な生徒の進路をそこの執事や、商人見習いとして働いてみないかって促したりするんだ」と教えてくれた。
さて、学園祭の準備だが、最初から大変なことになった。
出し物を何にするかが決まらないのだ。
女子は、「お店屋さん」。男子は「展示会」。で別れてしまってる。
女の子たちはみんな、お花を売りたいとか、カフェがしたいなんて話していて、男の子は面倒くせーから点字でいいじゃんか!っていう感じだ。
半年もたたないうちにクラスが分離する危機に瀕していた。
お店屋派代表エリーナは俺とホーセルに
「男子にお店をやるように説得してこい」
と言われてしまった・・
ホーセルも男子の友達はすべて失ったし、失うものなんて大してないけど、「それは・・」って尻込みしていた。俺も、男子にそんなこと言って、牙を向けられたらたまったもんじゃない。
でも、主の命令なんだよなぁ・・
俺はなんとか説得を試みようと男子に話しかけた。
「ねえ、そこまで展示会にこだわらなくても、当日のお店の運営は女子に任せて準備を男子がやれば、当日遊べていいんじゃないかな?」
しかし、男子もここまでくると意地で引き返せなくなっている。
「嫌だよ。俺たちは自分たちで作ったものを展示したいんだ。それより女子にお店やは辞めるように言ってきてくれよ」
とジルクニスが反論した。
板挟み状態で苦しい俺は吹っ切れた。
教壇に上がり、教卓の前に立つ。
「みんな聞いてください。」
二つに分かれた男子と女子のグループの視線が集まった。
大きな声で言った。
「俺は女装メイド喫茶がやりたい!!」
「「「「「えーー??」」」」
そうだ。皆困惑しろ。
「え、えーとうさちゃんどうしちゃったの?」
エリーナがびっくりしたように聞いて来た。
「どうしたも何も俺は女装メイド喫茶がやりたいんだ。いいだろ?皆?」
これでごり押し、ダメなら男子と女子がクラスでまとまる、完璧な作戦だ。
俺のあまりにも変な意見で教室は凍り付く。
「うさちゃん。悪役演じなくていいよ」
エリーナの言葉で俺の心は凍り付いた。
なぜわかった。俺が上手いことやろうとしてたのに・・
「ばれたら、しょうがない。でも女装メイド喫茶皆でやろうぜ」
もう無理があるけどこれを突き通すしか道がない・・
ジルクニスが口を開いた。
「女装メイド喫茶をやるくらいなら、女子のお店屋さんやってもいいかな」
と、それで男子の意見も変わった。
「確かにな」「でも悪くないかも・・」
と。
これでいい方向にまとまってくれたら問題ないな。
その後は男子が譲る形でお店屋さんになった。
問題は何のお店屋さんにするかだけど、意外にも早く決まった。
エリーナ提案の「アイス屋さん」だ。
この暑くなってきた時期にぴったりだ。
氷なら魔術を使えばすぐにできるし、形や色で俺たちのクラスらしさを表現することもできる。
そこからの準備は早かった。
女子がデザインの絵をかき、男子が実際に作り試食。食べやすさや見た目いろんなことを考慮して改良。それを何回も繰り返すことでやっと初めの1本出来上がった。
俺は最初の1本を試食しながら、エリーナに言った。
「最初はどうなるかと思っていたけど、いい感じに準備が進んできたな」
「うん。私が言い出しっぺだから頑張らないとね!」
エリーナは肯いていた。
しかし、学園祭の準備だけで毎日が過ぎるわけでもない。
ここ最近のアイスの試作で学校からもらった予算が大分消し飛んだ。
けど、問題ない学園祭の追加資金の調達は認められている。
俺は暇な奴らを募った。
「これからダンジョンに行く。暇な奴はついてこーい」
集まったメンバーはこうだ。
ホーセル。ジルクニス。クラウス。の3人だ。
ホーセルは誰とも協力で来てなかったし、ジルクニスとクラウスの2人は剣術の腕はいいけど、手先の器用さがなくてどの作業もできなかったらしい。
俺は男4人でダンジョンへ潜りに向かった。
「ここからは強い魔物が出てくるから気を付けるように」
俺たちは剣士、剣士、剣士、ウサギのフルアタックでどんどん攻略していった。
魔物からしたら、避けても剣、避けても剣、避けても剣、避けてもかぎ爪でたまったものじゃないだろう。
誰かが傷を受けてもすぐに俺が回復するので、ヒーラーもいなければ、遠距離もちもいない。
完全にやってることはイノシシだった。
しかし、倒したものは数知れず、ベアー、スネーク、タートル、ウルフ、サラマンダーなどとにかくたくさんの魔物を屠った。
ある程度狩ったところで、ギルドに引き渡しに言った。
今回もアポなしだ。
「あのー。アポなしで大量の・・」
「わかってます。分かってます。すいません」
俺はお姉さんが言い切るより早く誤った。
これもいつもの流れだ。
「一応5体の魔石までなら買取りますので出してください」
お姉さんはもう俺が《収納》からどんな魔物を取り出しても動じなくなってた。
俺は5体を出し、その分のお金をもらった。
次回からはダンジョンに潜る前に伝えておくようにしとかないとな・・
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