第七十九話 中に入るとわかること
79話です
俺たちは《収納》に男を入れた後、奥に進んだ。
多分気配の感じからして、下にも部屋があるんだけど、下手にぶち破って、崩落でもしたら皆まとめてぺちゃんこだ。
進めば、進むほど敵が強くなる・・ことはなく、数が増えていくだけだった。
俺は全部をワンパンで済ませていった。《収納》にはたくさんの実験体(生きている人)が溜まっていった。
俺があまりにも早く倒すから、エリーナも途中から、「せめて、自己紹介だけでも言わせたら・・」ってひきつったような笑みを浮かべていた。
でも、速く倒して先に進みたいから・・いいよね?
その後もばったばったと敵を倒して、どんどん奥に潜っていた。
それにしても途中に分岐もなく一方通行で罠も何もしかけられていなかった。
もしかして、『ホウキ屋』ってそこまでの脅威ではないのか?
「エリーナどう思う? なんか簡単に進めすぎてない?」
「そう、私も不思議に思ってた。キラだってそんなに弱くなかったのに・・」
もしかして、キラの言ってた「私は『ホウキ屋』でも実力が高い方だのに・・」という話は本当だったのか・・ 冗談だと思ってた。だって魔王の裏組織って言ってたから。
でも、キラには上官がいるって言ってたから、キラが実力1番というわけではないのだろう。
なんだかんだと歩きながら進んでたら、大分深いところまで来ていた。
一応周りの気配を確認っと。
えーーと・・・・うん。あとはこの扉の中だけだな。
「エリーナ、最後の部屋だ。多分キラはここにいる」
「うん」
「ここまでは足止めだったかもしれないがここからはキラを攫えるほどの実力者がいる。俺は『ホウキ屋』を一人で相手するから、エリーナはキラの救出を頼んだよ」
「わかったよ」
エリーナはそう言って、肯いた。
俺は扉を足で蹴って開けた。
「キラを返してもらうぞ」
開口1番俺はそう言った。
目の前には男が、その後ろにキラが横たわっていた。
「のこのことよくここまでやって来たな? おかしいとは思わなかったのか? こんな簡単に奥に進めて?」
そういうと、男は「従魔召喚」と唱えた。
呼び出されて出てきたの『ブラックスネーク』『レッドスネーク』だった。
あっ、戦ったことがあるやつだ。
俺は、全速で相手に詰め寄り、殴った。が、かわされた。
この速さでよけられたとなると相当鍛えられてるんだな。
俺が感心していると、男が後ろから魔法を放ってきた。
細かい石の粒が俺たちを襲う。
とっさに《ウォーターボール》でエリーナを守ったが、俺に石が突き刺さる。
「ぐはっ」
もろに受けた。
「うさちゃん、大丈夫?」
「少なくとも大丈夫ではない」
俺の防御力でも怪我する威力って・・
軽くショットガン並みの威力があるぞ。
自分自身に《ハイヒール》をかけ、回復する。
「何とか回復した。エリーナは後ろに下がっていてくれ」
エリーナは無言でうなずき後ろに下がった。
男は俺に聞いて来た。
「大丈夫でーすか?? 今降参すれば許してあげます。もちろん首はもらいますがね。」
そういうとぎゃははと笑って左右から蛇を差し向けてきた。
「死ね」
冷淡にそう言って、俺に巨大な岩の塊を飛ばした。
正面は岩、左右は蛇、後ろにはエリーナがいる。
蛇が首を持ち上げた瞬間、俺は蛇に《エアカッター》を使って首を打ち落とし、正面の岩を《ブラックホール》で吸収した。
男は先までの笑い顔がゆがんで、無表情になった。
「なんで? ねえなんで?」
俺に聞いているというよりは、わめいてるのに近かった。
俺は男の首まで近づき、「悪いな」と言い、《兎化腕》で屠った。
「エリーナ、キラを・・」
「もう、大丈夫だよ」
エリーナは俺が言うより早く、キラに近付き声をかけていた。
「う、う、ううーーん!! おはよう、エリーナ。ここどこ?」
キラが寝ぼけてる。眠らされていたみたいで何も覚えていないみたいだった。
「おはようって覚えてなかったの!?」
エリーナは拍子抜けしている。
「まあ、いいじゃないか? さ、うちに帰りましょう」
俺は、部屋の中にある大事そうな書類だけしまった。
「はーい」
エリーナは肯き、キラと一緒に部屋から出た。
それにしてもキラは眠らされていた。何か相手を眠らされるアイテムでもあるのかな・・
もし、そんなものがあるなら気を付けないといけない。
俺はうちに帰り、最初に入れた敵を取り出していた。
もちろん網で縛った状態だから、暴れないようにはしている。
「お前はホウキ屋か?」
「いうか?」
キラはのんきにぐっすり眠って気持ちいいって帰り道言ってたから、仕事を頼んでも大丈夫かな
「キラ、お前拷問の仕方は知ってるか?」
「はい」
キラはゆっくりと肯いた。
「じゃあ、今度頼むよ・・ 大きな音を出してもいい部屋を用意するからよろしく」
「もちろんです。頑張ります」
俺に仕事を任せられてうれしそうだった。ていうのは気のせいかな。
「君には戻ってもらうよ」
俺は縛ってるやつの足を持って《収納》にしまった。
「えっ、いや、あの中は・・」
「何かあるのか? でも何も言わないって言われたしなあ」
俺はいたずらそうにそういった。
「いいますから、あの中は許してください」
おっ、拷問の必要はなくなったか・・
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