第七十八話 中に入るのって勇気が必要だよね。
78話です
ステーム先生によって授業は普段通り進められた。
ただ、皆キラの事が気になって、授業中なのにチラチラ伺っていた。
授業も終わり、俺たちはみんなに囲まれていた。
エリーナはともかく、親戚設定のない俺まで囲まれた。
ホーセルにも
「あんなかわいい子がいたの何で紹介してくれなかったんだ?」
って冗談交じりで言われた。
キラはこうなることを察していたのか、サッと教室を出てトイレに行ってしまった。
マーシュとか、シルフォ君もほっぺを膨らませて、
「なんで教えてくれなかったのよ」
って聞いて来た。
そりゃー。設定の中の人物だし、本当に遠い親戚だったとしても紹介することはそんなないと思ってたけど、この世界だと親戚は紹介するものなのか・・?
ただ、本当のことを言うわけにはいかないから、
「ゴメン」
って謝った。
「キャーーー!!」
トイレの方からだ。
「キラはどこだ!?」
俺は心配になってキラの所在を確認しようとしたがいなかった。
「キラならトイレに・・ってヤバいじゃん」
「いそげ!」
俺はエリーナを連れてトイレに走った。
ここでエリーナと離れるのは危険だ。エリーナまで攫われたら困る。
トイレに駆け込むと、キラに渡しておいた『見学許可証』がぽつんと落ちていた。
「遅かったか」
「うさちゃん早く追いかけよう」
キラの事を考えたら追いかけるべきだ。だが、どう考えても罠が仕掛けられている。
やられた。完全にやられた。
おかしいと思ったんだ。普通身柄を回収するなら俺らに捕まった夜すぐに来ると思っていた。
このタイミング・・
俺たちの情がキラに移り、人質としてのかちも十分ある状態だ。
しかし、ここで追いかけなければ、キラは間違いなく殺されるだろう・・
俺がマークしてたホウキ屋たちも全員探知外に出てしまった。
とにかく追いかけなければ、昨日約束したんだから。
荷物は大丈夫かな。
俺はトイレの窓に足をかけた。
「ほら手出して、おりるから」
俺はエリーナに手を出す。
「えっ!? いや待って、ここ4階!4階! ってうわー」
エリーナがにか言ってたけど俺は気にせず降りた。
「きゃあーー」
あっ、そういえばマニラ連れてくるの忘れてた。
『マニラ! 俺とエリーナはこのままキラを追いかけるから、教室の方をよろしく』
念話で伝えた。
マニラには教室を守っておいてもらおう。
俺たちと別行動だ。
ホーセルにもマニラを手伝ってもらうように伝えた。ホーセルは実力も頭の切れもかなりいいから、任せられるだろう。
俺は走って目の前のホウキ屋を追いかける。
だけど、さっきから距離が縮められない。
俺だってウサギ状態じゃないし、エリーナ背負ってるけど、それでも全力疾走だ。
相手が上手いこと道を曲がっていくから離されてしまうしまう。
「もっと速く走れないの?」
エリーナが無茶なこと言う。
「無理だ。これ以上は・・」
悔しい・・ 捕まえられない。
相手だってキラを担いでるはずなのに。
だんだん、家数が空くなっていく。
この方向は森の方向だ。
相手は森の洞窟に入った。
確実に相手の思うままになっている。危険だ。
このままは入ったら安全の保障はない。
もし、相手がキラと同じレベルなら相手が100人でもなんとかなる。ただ、俺より強いやつ、圧倒的に強い罠なんかがあったら、俺もエリーナも確実に死ぬだろう。
「どうする。このまま突っ込むか?」
「そんなの一択! つっこめ私のうさちゃん!!」
「わかった。俺の可愛い主様」
仕方がない・・いっちょ頑張りますか。
少しでも幸せな後悔のない未来のために・・・・
洞窟に足を踏み入れる。
入っただけで感じるたくさんの殺気。
ココだけじゃないここの下にもそのさらに下にも人の気配がする。
「かなり敵が多いな」
「うさちゃん大丈夫そう?」
「うん。キラは先に連れてかれたけど、俺たちは素通りできそうにないな」
目の前にはニヤニヤと笑みを浮かべる男がいた。
「お前たち、まさかここがホウキ屋の土地だと知らずに入って来たのか?」
「キラを助けるために来た」
いちいち聞くなよ。めんどくさいな。
なら、男は言った。
「お前たちはばk ぐへえ」
俺はとにかく物理で殴って男を吹き飛ばした。
「さあ。先に行くよ、エリーナ!」
「うん」
俺は倒した敵を拾った。
《収納》を開く。
「楽しみにしてろよ」
俺は気絶してる敵に言って、《収納》に押し込んだ。
これであとで死んでいたら生物は入れないようにしないといけない。もし、生きていたら、どれくらいの間、持つか?中はどうなっているか?がこいつで実験できる。
実験素材ゲットは嬉しいなと内心思いつつ、奥に進んだ。
しかし、よく考えたらこいつがキラと仲が良かった可能性もあるから、すぐにしまうのは早計だったかも・・
まあ、敵だ。殺されていてもおかしくなかったのだ。そのときは謝って許してもらおう。
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