第七十七話 俺にできること
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77話です
授業を普通通りこなした俺たちは、寮室に戻った。
「で、どうする?」
俺はキラに聞いた。
「どうするってどういうこと?」
キラが答える前にエリーナが聞いて来た。
「だから、これからは毎日《透明化》をかけておくわけにもいかないから」
「そうだね。何か方針を決めるんだね」
エリーナは自分が早とちりしたことが分かったみたいだった。
俺はキラに目を向ける。
「で、これからどうしたいんだ?」
俺は尋ねた。
「・・・・私が好きにできるものでは」
キラが言いかけたことをエリーナはきっぱり否定した。
「あるよ。選ぶ権利は自分にあるよ。だって人は自由なんだよ。それは魔族でも一緒だよ」
キラはエリーナの意見に圧倒されていた。
キラは声を漏らした。
「私が何かを選んでいいなんてそんな・・」
多分。今まで命令され、従わされて生きてきたからだろう。
分からいのも無理がない。
「自分の事は自分で決めなきゃだめだ」
俺は下を向いているキラに言った。
でも、とキラは言った。
「私は今まで何も考えたことがなかった。だから、自分のしたいこともわからない・・」
「じゃあ、とりあえず強くなろうよ」
エリーナはそう言った。
「強くなれば、狙われても返り討ちにできるし、ね!」
「はい・・」
エリーナに言われ半ば無理やり肯かされていたみたいだったけど・・気のせいかな。
とりあえず、明日のことをどうにかしなければならない。
「キラは明日から学校あるけどどうする?」
「私はとりあえず、外から隠れながら君たちの事を見てようかな・・」
のんきにキラがそんなことを言った。
「危なくないのか? ほら、まだ他のホウキ屋が狙っているみたいだし」
「えっ!?」
俺がそう言ったら、キラは驚いていた。
「あれ? 気づいていなかった?」
「はい・・・・」
「ほら、ここからだと南西のちょっと行ったところとか、北の方とか。あと・・」
俺が敵の場所を言ってると、
「もういい、もういい。わかったから」
自分が気づいてなかったことがあって恥ずかしそうだった。
俺は言った。
「まあ、明日はとにかく外にいるのは危ないから、エリーナの友達みたいな形で見学させてもらえないか聞いておくよ」
「はい」
キラは肯いた。
俺は校長室に向かった。もちろん校長先生に事情を話すためだ。
ただ、本当のことを言うわけにはいかない。
「わかった。訳アリなんだね」
「いや、」
「まあいいよ。ウサ君の事だ」
校長先生と話すとこっちの心を見透かして話してくるから本当に疲れる。
まあ、何とか見学の許可はもらったし大丈夫だろう。
ここに『見学許可証』もあるし、何とかなるかな。
俺はてくてく寮室に戻った。
俺が部屋から離れてもホウキ屋の連中が動く気配はなかった。
俺は部屋に戻り、校長先生から『見学許可証』をもらったことを伝えた。
キラは「ありがとう」というと、それを俺から受け取り俺が渡したカバンにしまっていた。
翌朝のホームルームの時間ダラム先生によってキラが紹介された。
「こいつはキラだ。エリーナの親戚にあたるらしい。今日から数日間学校の見学をされていくんだ」
そういうとダラム先生は自己紹介を促した。
「キラです。よろしくお願いします」
そういうとそそくさと俺たちの隣の席に座った。
クラスの子と仲良くする気はないみたい・・
ホームルームが終わったら、キラはクラスメイトから質問受けまくっていた。
前世の事を思い出した。田舎の学校なので転勤してくる子は少なかった。
そんな時、転校生が来たんだ。
その子は都会から来たみたいで僕たちの知らないことをたくさん知っていたみたいで皆の興味を引いていた。
今のキラはそんな感じだった。
キラはこんなに多くの人と話したのが初めてだったのだろう。
皆の質問1つ1つに嬉しそうに答えていた。
キラに後で聞いたら、こんな風に笑顔で笑ったの初めてだって言ってた。
ステーム先生が教室に入って来た。
「みんな喋ってないで授業始めるぞー」
「「「「はーーい」」」」
幼い声が教室に響く。
女の子の一人が、
「あとでね」
ってキラに言ってた。
こうしてみれば互いに同じなんだよなー。
ヒトとか魔族とか全く関係ないと思うよな。本当にばからしい。そんなことで殺し合うなんて
小さい頃はみんな元気互いを認め合っていたはずなのに年を取り、頑固になり互いにいがみ合ってしまうのは悲しいことだ。
せめて、この教室の生徒が卒業しても幸せでいられるようにしてあげたい。
転生した俺にできることはそれぐらいだと思うから。
読んでくれてありがとうございます。
次の作品も楽しみにしておいてください。




