第七十六話 隠れててね
76話です。
最近書く意欲があってかなり高頻度で投稿できてます。
朝が覚めた俺たちは、昨日の夜に侵入してきた少女の前に立っていた。
「何か話すような気にはなったか?」
「お前たちと話すようなことはない」
昨日と同じで反抗的な態度を取られた。
直接本人の口からも一応聞いておきたかったんだけど。
「俺たちは事情によっては君を無事に解放しようと思っている」
「本当か??」
意外なことにこっちの提案に食いついて来た。
「俺なら君の事を主従関係で逆らえないようにすることもできるんだ。だから、こんな提案する必要が本当はないんだ。俺たちの庇護下ならマニラみたいに守てやってもいい」
少女はひどく悩んでいた。
「やはり私は捨てられてしまったのだろうか・・」
悲しそうに少女は言った。
昨日の夜はかなり警戒していたが誰もこの子を助けに来る気配がなかった。
今まで組織に尽くしてたのだろう、それが一晩で裏切られたのだ。誰だって落ち込む。
「私がお前たちの仲間になることでお前たちのメリットはなんだ?」
少女が聞いて来た。確かにそうだ。俺たちがこいつを善意でつけるのはおかしい。
おかしいがそれがうちの主人エリーナの考えなのだ。『みんな仲良く』小学校の学級目標みたいなことを本気で言ってるそれがエリーナだ。
だから、俺は正直に答える。
「ない。正直言って守るものが増えるのは避けたい。それで本当に守りたいものが守れなくなるのは嫌だからな」
ただ、俺はつづけた。
「エリーナはそういう理屈で動くようなタイプじゃないんだ。だから、信じろなんて言わないけど、少なくとも1人でいるよりは安全だろ」
自分でも言っててこんなハチャメチャな理論通じるわけないと思った。でも、伝えなければ。
少女は肯き、こういった。
「お前たちに協力してやる。何せ私はこの先1人になれば、ほぼ確実に死ぬから。
だから・・だから私の事を守ってくれ。頼む」
「わかった。約束だ。これからは君も守る」
「ありがとう」
彼女は俺たちに初めて涙を見せた。
安心したものなのか、組織に裏切られたものなのかそれは本人にしかわからない。
ただ、彼女がは泣いた。
エリーナは彼女に寄り添い、そのハンカチで涙を拭いてあげていた。
俺はこの子を守るのはいいものの昼間どう過ごしてもらうかを考えていた。
俺たちから離れるのは危険だが、この子を学園に入学させることはできない。
しばらくの間は《透明化》を使って、静かに部屋にいてもらうか。
少女から情報はかなり聞き出した。
それにしてもホウキ屋は「何人いるか?」、「誰が組織に入っているか」すらわからない。
魔王の裏組織だから魔王軍本体よりは少ないと思う。魔王軍本体は1万ぐらいともいわれてる。
裏組織だから多くても100分の1ぐらいの100名だろうな。
ホーセル君みたいに乗り移られた人は基本ホウキ屋の仕業だと思うと少女は白状してくれた。
それにしても俺はこの子を助けて寝返らせたから、魔王に命を狙われるようになったはずだ。
今後俺たちはホウキ屋に狙われるようになるだろう。
そのことを想定して、《拘束》や《魔法無効化》など、考えだけでおさまっていたことを実現できるようにしていかないと・・
俺たちは泣き止ませて、今日は1日《透明化》をかけておくから、静かに部屋にいてもらうようにお願いした。
「わかった」
「何かあったら、《念話》で連絡してね」
俺はそう言って、教室のある教室棟に向かった。
その日はそわそわしながら授業を受け、お昼ご飯を用意していくのを忘れてしまったので、急いで4人分のお弁当を買って、寮室に持ち込んだ。
「お腹が空いて死にそうだった・・」
少女はそう言った。
俺たちは食べながら、少女にたくさんの質問をした。
エリーナが最初に聞いた。
「名前は?」
「私の名前はキラ。名付け親は上官の人」
キラは端的にそう答えた。
「じゃあ、キラちゃんだね!」
エリーナは明るくそう言った。
「うん」
キラはエリーナの明るさに圧されながらも肯いた。
次に質問したのはマニラだった。
年齢の事を聞いていた。俺も気になっていたことだ。見た目的にはエリーナやマニラと同じくらいだと予想だった。
予想通りというか、年齢はマニラの一つ上の8歳だった。
先輩だねって優しくエリーナに言われていた時は照れていた。
俺から質問することはなかったけど、その後も2人からの質問があった。
ただ、時間もお昼の少ない休み時間だったのですぐに授業に向かうことになってしまって互いに残念そうだった。
読んでくれてありがとうございました。
誤字脱字などあると思いますので、報告していただけると幸いです。
良い作品を作れるよう頑張ります。




