第六十六話 多目的室で・・
66話です
演習の授業が終わり、ホームルームも終わった俺たちは多目的室に向かっていた。
メンバーは俺、エリーナ、マニラ、ホーセルの4人何の話かは言われなかったが、多分、魔族の件についてだと思う。
多目的室に入るとダラム先生と教頭先生が椅子に座って待っていた。そうして知らない男の人がもう一人。
「君たちを待っていたよ。私は国立魔族研究所のフレデリック・アルバスというものだ。今日はよろしくね」
「「「よろしくお願いします」」」
急な自己紹介でびっくりしたが、俺たちはしっかり挨拶ができた。
エリーナが代表して俺たちの紹介を始めた。
「私がエリーナでこっちがマニラ、 ホーセルで私の従魔のうさちゃん」
「これがうわさに聞く非情に頭のいいホワイトラビットですか。ほほー。これはこれは」
フレデリックさんがじろじろ俺を見てくるのでたまらず
「何でそんなに見てるんですか!」
「おっと、すいません。軽い職業病みたいなもんです。
ここだけの話、私の研究所で働きませんか??」
「こら、うちの生徒をたぶらかすな」
ダラム先生が調子に乗ったフレデリックさんをいさめた。
「いいじゃないか。ダラム、俺たちの仲だろ」
「お前変わんないなー。」
「お二人はどういう仲で??」
ホーセルが二人が親しげにしているのにびっくりしたように質問した。
「あー。お前たちには話してなかったな。俺たちは」
「「学校の同期だ」」
二人は声をそろえて「同期だ」と言った。
「信じられない」
誰かが言ったのが聞こえた。
エリーナは
「おかしいですよ。普段、ふらふらしている先生とこの国立魔族研究所のまじめな人が知り合いだって。絶対辺です!」
先生は笑いながら、
「おい、そんなにいうなよ。友達なのは本当なんだから。わはは」
と言った。
「そうだよ嬢ちゃん。先生と私は友達なんだ。わはは」
フレデリックさんも言った。
(この二人どこか似ている)
エリーナも俺とおんなじことを思ったのか、
「なんとなく、二人が友達ってことは分かった気がします」
エリーナは納得したみたいだった。
「それはありがとうございます。わかってくれて」
フレデリックさんは軽く微笑んで、腰を下ろした。
「それで、本題ですが、あの日何が起きたかを教えていただけますか?」
フレデリックさんは仕事モードになって、話始めた。
俺がメインで話して、3人が俺の知らないところを捕捉しながら、フレデリックさんに伝えた。
「わかりました。参考になる話をありがとうございました」
「それで何かわかったか?」
ダラム先生がいつものぶっきらぼうさ全開でフレデリックさんに聞いた。
「あー。そうだな。これは私の推測だが、魔族は精神的に弱い人間に乗り移っているのではないか?自尊心が高かったり、精神手に不安定な相手なら催眠術もかかりやすいというデータもあるしな」
「なるほどな。じゃあ、みんなで意識をしっかり持とう!って言っても全員がそうはいきませんよね」
俺たちは対応策を考え始めた。
その後もいろんな案を出し合ったが、どれもまだ正体の分からない魔族に行う手段としてはやっても意味のないものばかりだった。
フレデリックさんは時計を見て、
「今日はここらへんで終わりにしないといけないみたいです。お先に失礼します」
と言って、山高帽を手に取って部屋の扉を開いた。
「じゃあ、ウサさん是非来てください。さよなら」
「さよなら」
俺としてはもう会いたくない・・ だって怖いもん・・
「私たちも解散するか・」
ダラム先生は飽きてきたのか、体を動かしたそうにしてた。
教頭先生もそれが分かったのか「そうですね。私たちも解散にしましょう。生徒の皆さんは何かあったらダラム先生でも誰でもいいので大人に伝えてくださいね」って言った。
だから、俺たちは解散になった。
俺はホーセルと別れ、3人で部屋に戻っていた。
「それにしてもどうやって魔族は人を乗っ取れるのかな?」
エリーナが帰り道そういった。
周りに誰もいないことを確認してから、マニラが
「私も一応魔族だけど、乗っ取り方は知らない。そもそも人と魔族の交流がそんなになかった。私たちの魔王が人との戦いを起こさないためにむやみやたらに近付いてはいけないことになってるから」
と、魔王にかかわることを漏らした。
「私は魔族の街同士の争いで奴隷になったけど、向こうが私を必死で取り戻そうとする理由は分からない。皆に迷惑をかけるあいつらは許せない」
俺はこんなにもマニラのが人に怒っているのをはじめて見た。
「なんとか敵を捕まえないとな」
捕まえた人間は、尋問でもなんでもすれば、情報が少しは手に入るはずだ。
マニラのためにどうにかしたいな。
部屋に入って、魔族の事を調べたくなった俺は、図書館に向かった。
先に風呂に入ってしまったエリーナとマニラには「図書館に行く」と書き残して、部屋を出た。
図書館にはいつものように人が少なく、閑散としていた。
魔族の本のコーナーなんてものはないから、古書や、古本の棚を探し歩き回った。
しかし、全く本が見つからない。それっぽいのは有るけど、全く関係のないことしか書かれていない。
図書館に通っていた時にあったはずの魔族関係の本がなく、受付に向かった。
「魔族に関する本ってありますか?」
普段は生徒の図書委委員が座っているカウンターなので、その近くにいた司書の先生に聞いた。
「ウサさんですね。ここだけの話にしてくださいね」
そういって、先生は俺の耳元で小声で
「今はその本は閲覧禁止命令が出てるんです。生徒が調べると先生が使いたいときに見れなくなってしまう可能性があるから、特別な場所に保管してるんです。先生に伝えてから来てください。お願いします」
そういうことだったのか・・
先生の所に行くか? いや、明日にするか!!
読んでくれてありがとうございます。




