第五十六話 いじめっ子捕獲!!
56話です。 是非読んでみてください。
カミーユの指示で人の姿になった俺は教室の扉の前にいるいじめっ子の見張りを倒す。
そのまま扉を勢いよくあけ、
「動くな! お前たちは完全に包囲されている。 頭の後ろで手を組み膝をつけ!」
と、俺は人生で1度は言ってみたいドラマのセリフを口にした。もちろんドラマのセリフは前世のモノなのでいじめっ子達は「は?」と訳が分からなさそうにしている。
多分大将だと思われる人物が、
「あいつを捕まえろ!」
と言って、唖然としていたいじめっ子達が俺に襲い掛かって来る。
良かった。このまま逃げられたらもっとめんどくさいことになるから、向こうからこっちにつかまりに来てくれるなら好都合。
俺は難なくいじめっ子達を順番に捕縛していく。冒険者ギルドで「何かと便利ですから50メートル買っていってください」と言われたロープがこんなところで役立つとは・・
「俺に火の力を!ファイアーボール」
いじめっ子の一人が俺に向かって後ろから魔法を放ってくる。ここは室内、それも教室だというのに。
もし、人に当たったら大変だし、当たらなくても教室のモノが焼けてしまって火事になる可能性もあるじゃないか!
ここは、《ブラックホール》を使ってすいこんで、
(えっと、発生位置はここらへんで威力はこれくらい?)
「お、俺のファイアーボールが・・」
しっかり吸い込めたし、これで火事の心配することもないし、早くとっ捕まえておこう。
1度は《ファイアーボール》を打たれてヒヤッとしたが、すぐに全員をロープで縛ることができた。
『エリーナ。全員捕縛完了した。先生を呼んできてくれ』
俺は捕まえたいじめっ子達にカミーユのロケットをどこに隠したのか問い詰めた。
「あれは、もうごみ箱の中だよ。だから、俺の知ったこっちゃねぇ」
いじめっ子の大将が捨てたことを宣言すると、
「ぼ、僕のぉー・・ ロケットがぁー・・」
と、カミーユが泣き出してしまった。変身薬の効果は既に切れ、いつものかわいらしい姿になっていた。
「おい、カミーユ落ち着け。大丈夫だ。教室のごみ箱なら、燃えるゴミとして出される。処理するのは火曜日だ。明日までに探せば何とかなるって。」
「そ、そうなの?」
はー。全くこんな風に女の子に泣かれても、突き放すことができるやつはいるだろうか?
少なくともそんなことをする奴は人でなしだ。
先生が(と言っても知らない先生―こちらも首から下がった教員証で分かった―)やってきた。
「先生、この人たちが僕の大事なロケットを取って捨てたんです」
一旦泣き終わり、落ち着いたカミーユが自分自身で伝えた。
「わかった。あとは先生がやっておくから、君は部屋に戻って落ち着くといい」
先生はそう言うとカミーユを部屋に帰るように促した。
「あ、残りの君たち聞きたいことがたくさんあるからあとで担任の先生を通して呼びに行くから」
そういうと俺たちも返された。
『エリーナ、燃えるゴミで出される前に俺は図書室に有った便利な魔方陣が書かれてる本を読んでロケットを探せないか試してから部屋に帰るから、二人はカミーユを誘って食事をしておいてくれ。』
『分かった。気を付けてね。うさちゃん』
今日はエリーナに結構負担をかけてしまったなー。と反省しつつ俺は図書室に向かった。
そうそう、これだな。この前通りがかったときに気になってたんだけど。すぐ見つかってよかったー。なになに? こうして。ここに線を引いて・・・・できたぞ。
これでカミーユのなくなったロケットのことを思い浮かべながら探す。
うん?待てこの魔法陣は落とし主本人しかできないって書いてある・・
何とか改良できないかな・・?
『初級魔法陣―教科書―』同じ魔法陣コーナの本棚に有った明らかに今俺が必要としている本があった。
これを読んだら、魔法陣を改変できるかもしれない・・
明日の朝までがタイムリミットだ。
本を読むこと1時間。この本読んでも魔法陣を改変することはできないな。
次の本を読んでいかないとな。『中級魔法陣―教科書―』これだな。
また、1時間かけて読み終える。『初級魔法陣―教科書―』これで魔法陣の基本的なこと、書き方、道具などが書いてあって申し訳程度の魔法陣の例が学べた。今読んだ『中級魔法陣―教科書―』では、線の位置や図形をあらわす意味が書いてあった。
この本によれば、ここの記号を「私自身」から「誰でも」に変えて、線を引きなおして、円の大きさは少し小さくても大丈夫だから小さくして書けば・・完成!!
「ボン!」完成したと思ったけど、なんか壊れてしまった・・
多分どっかで間違えてしまったんだろう。サイズが小さくなって狂ったのかもしれないからもう一回作って・・
「ボン!」と、音を立ててまた壊れてしまった・・
くそ、『上級魔法陣―教科書―』も読んで間違いを探すか・・
「ここはこうすれば治りますよ」
「あー、そうですね。確かにここが・・ってあなた誰ですか?」
「私は2年生を担当している教師。ウィリアムと申します」
俺の目の前には初老の紳士がいつの間にか立っていた。ホーセルの事もあるし、一応警戒はしてたんだけどな・・
「あなたは1年生のエリーナさんの従魔のウサでしたね。こんな時間まで勉強とは偉いですね。」
形だけは褒めているが、俺が図書館の利用時間を過ぎても使用しているのに怒っているのか目が笑ってない。
「す、すいません。時間が過ぎていることは知っていたんですけど、どうしてもやりたいことがあって。」
「これのことですよね」
そういうと、ウィリアム先生は白い手袋の上にあるロケットを俺に見せた。
「私がすでに見つけておきました。来るとき、エリーナ君が廊下で心配なさっていたのでウサ君を呼びに来たのですよ」
「え? あ、ありがとうございます」
「さあ、部屋に帰りましょう。このロケットは私の方からカミーユ君に渡しておきますので」
俺は先生に連れられて、部屋に帰った。
「それではおやすみなさい。」
そういうとウィリアム先生は帰っていった。
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