第五十二話 何かがおかしい!?
52話です
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俺は朝のHRでちゃんとした実力もクラス中に知れ渡り、もうホーセルにいちいちかみつかれることもなく授業に安心して臨んでいた。
まだ、約束の謝罪は受けていないが、そんなことでねちねち言っていたらホーセルと変わらなくなってしまうと思う。だから、ここは大人な対応で謝罪はあきらめていた。このときは。
奴がやって来たのは1時間目の座学の授業が終わった時だった。
また文句をつけに来たのか目の前にどすどすとやって来た。
そして、ホーセルの放った次の言葉に俺が、いやクラス中が凍り付いた。
「ウサ君、僕が悪かったよ。僕も気が立ってて変なことを言ってしまったみたいなんだよ。本当に悪かったと思っているよ。だから、この通りごめんなさい」
素直にそういうと、ホーセルは俺に頭を下げ謝った。気味の悪いくらいに素直だった。
頭を下げたままのホーセルに何も言わないのも悪いと思って俺は、
「頭をあげていいよ」
といった。
「それでお願いがあって、」
ホーセルは顔をあげてそう言うと、
「僕は君に勉強を教えてもらいたいんだ。お願いだ。ウサ君」
俺は混乱したし、間違いなくクラスのみんなも混乱しただろう。
俺たちがポカーンと仰天してる中、サントラがドスドスやってきて、
「ホーセル君、どうしたのよ!? 私と一緒にウサを追い出す作戦だったじゃないの!」
とでかい声でしゃべった。
しかし、ホーセルは
「なんてことを言うんだ。ウサ君は僕らの仲間じゃないか!? なんでそんな非人道的なことをしようとするんだ! サントラ、君とはもう絶交だ。パーティも抜けてもらう!」
と言い切った。誰も予想しないその展開にクラスの中でもサントラ自身が一番驚愕していた。
流石のサントラも、そこまで言われて傷ついたのか、教室から大急ぎで逃げって行った。
俺は開いた口がふさがらなくなっていると、
「ウサ君いやな気分にさせてしまったよね。ゴメンね。あいつには僕から強く言っておいたからもう大丈夫だよ。これからは僕が君の盾となるからね」
と気味の悪いことを言い出した。
いくらテストの点数で負けたとしても、こうまでなるものか? 普通に考えたらひねくれたことを言ってきたり、腹いせにいじめてきたりするものだと思うけど・・・・
明らかに何かがおかしい。と、クラスの連中も思っているのか、俺たちと少し離れた教室の隅でひそひそ話す声が聞こえる。
それにしても、俺の事を嫌っていたホーセルがそんなこと言うなんてどういう風の吹き回しなんだろう。
「ホーセル、ありがたい話だけどどうして俺にそんな風にしてくれるんだ?」
俺が一人でいくら思案しても、無駄なのだ。直接聞くしかないだろうと思い聞いてみた。が、返事は
「ウサ様が素晴らしいお方だからです」
とか、どっかの狂信者みたいな変な理屈を唱えてきた。俺は別に素晴らしくもなければ、何でもないただのホワイトラビットなのに・・
ついには夢中で一人、何か語り始めたホーセルを1度置いて、エリーナと一緒に教室に出た。
幸いホーセルに気づかれることなく、(一人で気持ち悪いレベルで夢中になってしゃべってた)廊下に出ることができた。とにかくこの場から逃げたくて逃げた。
「・・エ、エリーナ、ど、どう思う?」
どもりながら、俺がそういうとエリーナも
「私は・・そのー・・・」
と言葉に詰まっている。
そりゃそうだ。俺本人でさえ全く意味の分からないことを聞いても答えが返ってくるわけがない。
「変なこと聞いてしまったね。ゴメン・・」
俺は謝る。
「・・・・」
「・・・・」
物凄く気まずい時間はとっても長く感じたが、エリーナが端的に言った。
「ホーセル、なんかキモイ」
と。
あと数分もすれば授業が始まるのが怖くて仕方ない。今は廊下にエリーナ達と一緒にいていいが、ホーセルは俺が机にもういないことを気付いて探し始めている。はたから見てもキモイが当事者の俺からすればキモイを通り越して怖いだ。
『昨日の敵は今日の友』とか言うことわざも前世の世界にあったけど、そんなレベルでは決して語られない。別次元に住むバケモノを見るようなおどおどしさすら感じる。
自分を守るためにもホーセルには極力近づかないようにして、あいつは何か変の果物でも食べて、ああなってしまったと考えるのが精神衛生上1番自分にいい。
エリーナや班のメンバーにもホーセルはいったん様子見をすることにしたと伝えて、俺は始業のベルが鳴る直前のホーセルが離れたタイミングで席に戻った。
授業中は斜め後ろにいるホーセルが何か行動を起こしてくるかもと思って授業どころでは無かった
あー、次の時間の行間休みが怖くてたまらない。
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