第四十話 忘れていた事
40話です
さて、何とかギルドに到着した俺たちだが、一つ忘れていることがあった。
そう、ギルドの規定だ。ギルドの規定では自分のランクより1つ強い魔物までしか狩れなくなっているのだ。
これは冒険者の安全を守るために重要なことらしい。昔はこういう規定がなかったそうだけれど、ある日、冒険者のあるチームが仲間の借金を早く返すために自分たちより強い魔物を倒しに森に向かったそうだ。冒険者一行は強い魔物を発見することができたが、そこまでくるうちにメンバー全員がかなり消耗してきていた。
そんななか、無謀にもチーム全員で魔物にかかっていったが、一人残らず返り討ちに会い、パーティは全滅してしまったらしい。だから、ランクの低い冒険者は自分より強そうな魔物がいたら、ゆっくりと歩いて帰るようになっている。ちなみに歩いて帰るのは魔物は逃げる足音があったら本能的に追ってくるからだ。
俺たちは確かに魔物を倒せたし、みんな無事だ。しかし、ここで魔物を出すと重大な規則違反に当たる可能性があるんだ。Bランクまでの魔物なら出すことができるんだけれど・・・・
Aランクの魔物を出せば、怒られるかもしれない。
でも、お金が必要なんだ。ここはイチかバチか、倒しちゃいました。って提出するか。
俺は、ギルドのお姉さんに聞いてみた。
「あのう、俺たちAランクの魔物を倒してしまったんですけど。どうすればいいですか。」
「えーと、じゃあ倉庫の方に来てくださいね。って、Aランクの魔物を倒したんですか?」
「はい・・ やっぱり駄目でしたか」
「うーん。ギルド長に確認してきます。」
このギルドにギルド長なんてものがあったのか。俺は見たことがないもんだからてっきりそんな役職は存在しないもんだと思っていた。
「ギルド長かー。どんな人なんだろう?」
隣でエリーナが少し妄想気味に話していた。
2,3分したら、受付の子が急いで戻ってきて、
「えーと、普通ならダメなんだけど、間違えて倒してしまったならしょうがない。だから、今回だけ特別に買取をしてくれるそうです。次からは気を付けてくださいね。」
「すいません。次からは気を付けます」
俺はしっかりと謝罪をして、倉庫に連れて行ってもらった。
今回は臭い魔物はいなかったんだけど、それでも来ないって。
だから、俺と受付の子二人で裏の倉庫に向かった。二人だからって特にそういうことはないからな。
俺は魔物をどんどん出していく。
「ちょ、ちょっと。どれだけ出すんですか。」
「えーとまだ半分くらいしか出してないんですけど。」
「まだ、半分ですか?」
「はい。」
「そうですね。こんなに出されてもさばききれないので、翌日あたりにもう一回出しに来てもらってもいいですか。」
「はい。わかりました。いったんこの魔物の代金をもらってもいいですか?」
「わかりました。少し計算に時間がかかるのでギルドの建物の方で少しお待ちください。」
俺がギルドに戻るとエリーナが
「早く買い物に行こう」
と話しかけてきた。だから
「ごめん、まだいけないから少し待っていてくれ。」
とかえした。
「なんで?」
「たくさんの魔物を俺っちは倒しただろう」
「うん」
「それで、魔物の金額の計算に時間がかかるみたいなんだ。悪いけど、ほんの少しだけ待ってくれるかな。」
「わかったよ。」
10分くらいたって受付の子が戻ってきた。俺は急いで、受付の子にお金をもらいに行った。
「報酬額の計算できましたか?」
「はい。まず、レッドウ」
俺はお姉さんの声を遮って
「内訳はいいので金額を教えてください。」
ときいた。受付の子は規則が・・と言っていたけれど、時間がなくて急いでるんですと伝えると
「42万シャリキアになります。」
と言ってお金を渡してくれた。
「ありがとうございます」
俺は一礼すると、急いでエリーナのもとに駆け寄る。
「お金もらッて来たよ。エリーナ、行こう。」
「本当?」
「本当。」
「やったー! 早く買い物しに行こう!」
「おい、どこから行く決めたのか?」
「うん。まずは洋服屋さん!」
洋服屋さんか。確かに俺たちの服は普通の服だから、冒険にあまり向いていない。最近は酷使しているから少し糸がほつれてきてる。
たしかに買いに行った方がいいな。どうせなら少しいいモノを買って大切に使おう。
「どこかいい店を知っているのか?」
「うん。さっきお姉さんたちに教えてもらった。」
お姉さんたち? 誰の事だろう? まあ、いいか
「じゃあ、その店に行くか」
俺たちは、お店に向かった。
俺たちは店に入った。店に入ると店員さんが寄ってきて、
「今日は何をお買い求めですか?」
と聞いてきた。俺が代表して、
「冒険にも耐えれて、おしゃれな服を探しています。」
「つまり、機能性と美しさを両立した服ですね。それでしたらこちらにあります。」
俺は、ちょび髭の店員に連れられて、高級冒険者コーナに連れてかれた。
「こちらはAランクの冒険者によくひいきにされているものを多く取り揃えています」
Aランクの冒険者が使うものかー。確かに俺たちも多分あと数回でBランクに上がることはできるからいいかもしれない。
「エリーナ、マニラ気に入ったものある?」
「うーん? ちょっと考える。」
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