第十九話 体を洗いに
19話です
『オマエハナンダ?』
俺は麻袋の中の得体のしれない生物にそう問われたことで、驚いた。
何と答えよう? というか見なかったことにはできないか?
こんな奴と喋れる勇気が俺にはないんだけど・・・・
『お、俺は、ある人に仕える従魔だ。』
ここで名前を言ったら呪ってくるとかあったら怖いから、名前は伝えずに言った。
『それより、ひ、人に聞く前に自分の名前を名乗れ!』
『・・・・』
奴は返事をしてこない。
『おい! 聞こえているのか? 返事がないとわからないぞ?』
『私は、マ・・。』
『私は、マ?』
俺は小さくて聞こえなかったから、少し近づいて聞き返した。
『マニラ』
『マニラ? 君は魔獣なのか? 人なのか?』
『ゴホゴホ、マゾク。」
マゾク? 魔族は持ち帰るわけにはいかないだろう。
でも、エリーナと同じくらいの年の子がこんな風に路地裏に捨てられているのを見過ごすことができない。
『君は、どうしたいんだ?』
『・・・・、い・・き・・た・・い・・』
『君を助けることは何とかすれば、俺にできると思う。しかし、君は俺と主人に何ができる?』
『なんでも・・します』
『わかった。俺たちに絶対に危害を加えないなら助けよう』
まずは回復魔法をかけたいが、その前に、契約の魔法をしよう。
「従魔契約」じゃなくて、こうゆうときの契約は、「主従契約」でいいかな?
『「主従契約」相手は、マニラ。契約内容は、俺とエリーナに危害を加えないこと。』
これで元気になって襲われることはなくなる。
『よし、《ハイヒール》まだ、痛いところはないか?』
『ありがとうございます。』
『なんで君は、あそこで倒れていたんだ?』
俺が聞くとか彼女は少しずつだが俺に話してくれた。
『私は、もともと魔族の国の村で暮らしていました。
私の住んでいる村は、人の国との国境線がとても近い村でした。
村には自警団のおじさんたちが農業をしながら交代で村を守ってくれていました。
私は家の外で友達と遊んでいるとおじさんたちが急に鐘を鳴らし始めたんです
何の音か私たちは分かりました。6回連続でなったときは、人が攻めてきた時だから早く逃げるようにとお母さんに言われていたからです。
私は遊んでいた友達と近くの森に逃げました。
いえ、正確には逃げようとしました。しかし
魔族の青い血でぬれた剣を持った人さらいにさらわれてしまいました
そして次目を覚ました時は、奴隷を売る奴隷商の檻の中でした。』
マニラは喉が渇いたといったので、俺が水を渡して一気に飲むとまた話し始めた。
『檻の中での生活は1日パン1つと少しの水という過酷なものでした。
毎日、私たちの仲間は離れ離れになりました。
生まれつき魔法が使える私たち魔族は、貴族に人気のようでした。
私たちがさらわれて1週間たった日には脱出しようとするものはもうおず、何とかこの地獄から抜け出すためにアピールし始めました。
私はそんな誇りを失った同族の行為を咎めましたが、私が間違っていたのかもしれません。
2種間ほどたったある日、私の前に貴族が来て、私を買いました。
しかし、私がまだ魔法を一つしか使えないと知ると、他の家に売りました。
次の家は貴族の家よりは小さい家でした。次は大切に扱われると思っていたのですが、現実は違いました。
私が元主人の命で皿を洗っていた時、皿を落として割ってしまいました。
それはとても大切なもので私はまた次の家に売られました。
こうしてどんどん家が変わっていき、私はついにこの家で捨てられました。』
今まで、こんなことを経験したからか、エリーナよりしっかりしているというか、少し寂しい。
多分さっきの怪我は殴られたり、蹴られたり、そういうことをされたりしたときに負ったものなんだろう。
『マニラ、君は、』
『慰めならいらない!』
マニラは、俺から顔をそむけた。
『そうか。で、何がしたいんだ?』
『どういうこと?』
マニラは、不思議そうだった。
『今、君はほぼ自由だ。』
『これからどうするんだ?』
『え? 私は、、、』
何を聞いているんだって、顔をしている。
『君がどこに行っても構わないがここにいたら人さらいにも捕まるかもしれないし何より君は魔族だ。俺たちについてくるなら最低限の身の安全は約束できる。
しかし、着いてこなくても町の外までは安全に逃がすことができる。
どうしたいかは君の自由だ。』
『私は、ウサギ、あなたに着いていきます。』
『わかった。じゃあ少し待っていてくれ。』
『うん? なんで?』
あれ、言ってなかったけ?
『俺、体を洗いに路地裏に来たんだ。』
『あ、あ、そうですか。終わるまで待っていますね。』
『(《シャワー》)』
やっぱお風呂入らないとだな。なんかスッキリ感がない。
それにしても体洗いに行ったら、少女を拾うとは。
マニラも学校に通えば、楽なんだけどなぁ。俺が面倒を見るという点でな。
というか、体を洗うなら部屋でもよかったな。ブラックホールで、吸えばいいからな。
『(《ドライヤー》で乾かして)』
『体を洗い終わったよ。今から、主人の所に行くからな。』
『わかりました。』
俺たちは、宿に向かった。
あ、もちろん《透明化》を使った状態でだ。
読んでくれてありがとうございます。
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少し会話が多くなったかなーって感じです。




