第百二話 ダンジョンを軽ーく潜って
102話です。
上層のダンジョンはこの前と同じで弱いモンスターがちょこちょこ出ていた。
「これなら中層も進めるかな?」
エリーナが上目遣いで聞いてくる。
「確かに、でも、あの蛇を倒したところまでで今日は止めておこう。だって、久しぶりのダンジョンだからね」
体がなまってたりするかもしれない。俺も昨日はダウネと戦ったから変に疲れていて力が出せないかもしれない。
「うん。じゃあ。明日!」
「明日行こうか」
元気なエリーナの笑顔が戻ってよかった。
前に進むにつれて、やっぱり少しずつだけど魔物が強くなる。
疲れたなーと思いつつ、前から来た魔物を処理する。
前衛が俺以外にいないから、キラも前に出てはもらっているけど、強くなるまでは怪我しないかと不安になって余計に神経を使う。
まあ、キラが前衛をこなせれば俺の負担も減るし、チームのバランスも良くなる・・はずだ・・
「敵来たよ」
マニラが敵を発見する。
「うん、キラが前に出て!」
俺はキラに指示を出す。
俺はキラが怪我しないように注視しながら別の敵に向き合う。
「キャキャ! キィーー!」
ゴブリンだ。装備品は素材もデザインもまちまちだ。多分、冒険者の落としたものを拾って身に着けているのだろう。
武器もさびてたり、欠けてたりするけど、当たったら痛そうだぁ。
洞窟で黄色や黄緑色にゴブリンの目がこっちを覗いていた。
「エリーナとマニラは魔法の準備お願い」
まずはキラが先生で一撃入れる。ひるんだゴブリンの隙を逃がさず俺が2体目を殺る。
「最後は二人が決めて!」
俺は合図を出して、後ろの2人がそろって魔法を当てた。
「やったー! 討伐完了!」
エリーナは細腕に力こぶ作って自分でポンと叩いた。
ゴブリンの亡骸が霧状になって消えて、魔石が出てきた。
「これを回収してと、」魔石を《収納》に入れて前に進む。
地面が所々固くなってきて、深い地層に近付いてるんだとわかる。
「なんか熱くなってきたね」
エリーナが顔の前で手を仰ぎながら言った。
「うん」
俺は肯いた。
たしかにそうだ。汗の出る量も増えて水のヘル量も増えていた。
戦っていて体が火照ってるだけかと思ってたけど、人感覚で熱くなってるなら多分本当に厚くなってるんだろう。
「どうする? 一度戻るか?」
みんなの判断も聞いてから、決めようか・・
「熱いから帰りたい!」
エリーナがそう言ったので、帰ることにした。
お姫様の言ったことは絶対だから
マニラやキラは魔族だから、ある程度人より丈夫で熱いのも寒いのも大丈夫みたいで気にしている様子もなかったし、進んでもよかったけど。
エリーナのことが第一優先だから、ここは変える一択だ。
俺たちは戦利品を抱えて、ギルドに入った。
これはこの前の時、サンダさんに教えてもらったことだ。
何も持たずにはいると、どうやっても他の冒険者怪しまれるから、いくつかを手で持っていくと、仕事をしている感じが出るらしい。
冒険者としても普段ないもしてないような奴が急に自分より上のランクに行くと面白くない。それで逆恨みをされたりされたら危険だしな。
「こんにちは!」
あえて大きめの声でギルドに入る。
予想通り何人かがこっちを見たから、あとは普通に買取をしてもらう。
変に騒ぐのもまた、挑発しているようになってしまうから。
買い取り額は一応限度内で、魔石が全部売れた。
銀貨の入った袋が2つと、金貨1枚だった。
しかし、魔石なんて買い取ってギルドは何に使うんだろう・・ 今度聞いてみようかな。
「今日はお金たくさん稼いだから、あれ買おう!」
エリーナが指さした方には肉があった。
「お肉買うのか?」
たしかに、肉はうまいから食べたい。けど、寮の部屋にはキッチンも無いし、女将さんに作ってもらわないといけなくなる。
エリーナは肉が欲しそうに目をキラキラさせている。
「買うかぁー」
この前、先輩冒険者のガンバさんがお肉を宿屋に提供してたから、同じような感じでやってもらえればいいかな。
お肉屋さんに行き、エリーナにどれにするか選んでもらう。
「これがいい!」
エリーナは右から3番目の色がいいお肉を選んだ。
「おっ、嬢ちゃん。目がいいね。これはいいお肉だよ。はいじゃあ銀貨5枚もらえるかな」
俺はお金を渡して、肉を手にした。
かなり大きい肉で手にずっしりとしたkん色が伝わる。
ここではさすがに《収納》にしまうわけにはいかないから、そのまま宿に持って帰って、宿の女将さんに料理してもらおうかな。
デカい肉を持っているか、めっちゃ注目される。
途中、お腹の大きい男がよだれたらしてこっち見てた時はさすがに怖かった。
「これでかいよな?」
エリーナは何も持ってないから身軽でぴょんぴょんして歩いてる。
「うーん? ・・おおきいかも? うさちゃん持ってくれてありがとうね」
ああ、エリーナにお礼言われたら断れないや。
「女将さーん! ただいまです。もしよかったら、このお肉を料理に使ってほしいんですけど・・」
「おかえりー。これから買い出しに行くとこだったけど、お肉代が浮きそうだ。こっちにもってきて見せておくれ」
俺は女将さんの所にお肉を持っていった。
エリーナ達3人は着替えをしに2回に上がった。
「おお、この肉はいいよ。料理のリクエストはあるかい?」
リクエストと言われてもこの肉が何の料理に適しているのかが分からない。
「女将さんのお任せでお願いしてもいいですか?」
「わかったよ。それじゃあ、他の材料を買いに行ってくるから、6時ごろに降りてきな。料理を作って待ってるよ」
女将さんの料理楽しみだなあ
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