表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

~ 未定 ~ 歌詞

作者: Kite

 

 【 未定 】  ……決めてません。


はじめての彼とおとぎの国へ行った。

今では何もないただの荒れ地になってしまったけれど、

幻想のなかに在り続けている。


門出に花束を贈るよ。魅惑の花園がお出迎えしてくれる。

ぎこちない動作で恋人繋ぎをして回ろうか。


古びたジェットコースターに度胸試しで乗り込んだ。

ガタガタ……と音を響かせながら、

触れ合った肩先から伝わる小刻みに震えた身体と

温度が愛しいけれど、途端に――落ちて行く。


夕日に照らされながら、

ゆらゆらと回り続けている。

観覧車に恥ずかしさを忍んで潜り込んで、

訪れる二人だけの世界。

激しく脈立つ鼓動と過ぎて行く空白の時間を、彼が破った。

面影のなかで二人は、約束の指切りを交わし合った。


人混みで離れた距離に嫉妬してしまった。

時間が戻らない様に、この隙間も塞がらずに、

彼がどこかへ行ってしまうような気がした。

不安を拭いでくれる花園へ。花束を貰いに行く。


彼と再び恋人繋ぎをしたおとぎの国はもうなくなってしまった。

あの場所へは行けない。もう、たどり着けない。


はじめての彼とおとぎの国へ行ったけれど、

今は何もないただの荒れ地になってしまった。

たとえ形がなくても回り続けている。

「もう一度」を願っても叶わない。

それでももう一度、彼と指切りをした風景を描きたいけれど、

恋人繋ぎをした彼は面影のなかにしかいない……。

もっと……もっと大切な「(あなた)」になったから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ