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4・胸につかえて、ただ溢れ出す

『ふむ。どうしたのじゃ?星姫』


ふと、さっきまでいなかった空間に白虎が現れる。

彼女は私の契約精霊にして、この世界に存在する"四大聖獣"の西方担当である。


「…別に。なんでもないよ、シロ。あと星姫は止めてってば」


いつもの様に呼び方を注意しながら、上半身を机の上へ投げ出す。


『むぅ、良いではないか。()()記憶こそないものの、お主は我らが五千年の間待っていた特別な存在なのじゃぞ?』

「はいはい。出会えてよかったわー。………はぁ」


鬱々とした気分を晴らそうと、無意識の内に溜息が出た。


『むむ?やはり元気がないではないか!どうしたのじゃ?我に相談してみい』


動作が幼いくせに年上面されるのは癪に障るが、今はそんな軽口を叩く余裕もない。

リディアは聞き取れるか聞き取れないか、ギリギリの音量でポツリと呟いた。


「………現れたの」

『む?何がじゃ?』

「…………本物の、お姫、さま」


ふんわりとした、花の妖精…。

心の中で彼女を思い浮かべて、そう付け足す。


『あぁ!ヒロインのことじゃの』


まるで合点が行ったというように白虎ことシロは言う。


「―ヒロ、イン?」

『いんや、こっちの話じゃ。して?それの何が問題なのじゃ?』


本当に不思議そうに首をかしげるシロの、何気ない一言に我慢していた涙が溢れ出す。

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