余り語られない撮影所のあれこれ(69) 所内神社
★「所内神社」
●初詣
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、新年第1回目は、初詣の時期でもあることから「神社」を語らせて頂きます。
年始なので休もうかとも思いましたがw 新年らしいネタがあったので、時期をずらす訳にも行かずに語らせて頂きます。
但し、普段の6割程度の文量であることはご容赦下さいw
尚、例によって情報のほとんどが30年前ですw
今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在しますwwその点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。
●所内神社
東映には東京撮影所と京都撮影所に各1ヵ所の神社がありました。
先ずは京都撮影所からですが、正門をくぐって西側に並ぶ建物を過ぎてその建物の裏手へ進むと、幾つもの朱塗りの鳥居が連なる小さな神社があります。ここは、稲荷神社を中心に祀られています。
末社ではあるので、小さな御社と小さなお賽銭箱が置かれているだけで、境内のような広いスペースも無く、鳥居も一人づつでなければ狭いように思われるような空間です。
30年前も今も変わりなくたたずんでいます。
次は東京撮影所です。
30年前は今のT-Joyも無く、二階建ての立体駐車場が広がっていました。その立体駐車場の南西部の駐車場の敷地中にありました。
やはり数本の鳥居が並ぶ小さな御社と小さなお賽銭箱は同じですが、こちらは北野神社の末社ですので、鳥居は朱塗りではなく本数も2~3本しか有りませんでした。
現在ではT-Joyの建設に伴い、食堂や喫茶のあるスタジオ21棟の屋上へ移設されているようです。
場所的には余り離れていないので、良いのですかねぇ?
但し、駐車場にあった時よりも周りが広くなっているのは良いことです。
私は30年前ぐらいからしか知りませんが、それ以前では東映東京撮影所の正門はリヴィン大泉側にあり、今のT-Joyの南西側に位置していました。
その昔の正門をくぐって左側=南西側に神社があったのではないかと思われます。
立体駐車場の建設の際には、神社の場所だけ空間を造り、移設もしたかったのでしょう。しかし、流石にT-Joyの建設では移設する事になったのだと思われます。
つまり、30年前は撮影所の所内に入らないでも一般人が神社を見ることも可能でした。
今では航空写真かリヴィン大泉の上層階か周囲の高層マンションからでなければ見れなくなっています。
尚、30年前には立体駐車場と東映東京撮影所との間にはブロック塀がありました。その1ヶ所に南京錠付きの小さな扉があり、そこから立体駐車場の1階部分に入って行けて、神社を参拝出来ました。
まぁ、この立体駐車場は、周囲が暗くなってから警察署内の射撃練習場等に見立てて撮影していたりしました。
●安全祈願&ヒット祈願
神社への参拝は、東映の社員やスタッフやキャストでも頻繁にしてはいませんでした。
社員は年賀を含めて節目にはお祀りを欠かさないのでしょうが、スタッフやキャスト等では、先ず年中行事の節目でお詣りする方はよほど信心深い方なのでしょう。
京都撮影所の神社は参拝し易い場所にありましたから、スタッフやキャストでもお詣りする方は多く見受けられました。
まぁ、これは京都という土地柄がそうさせるのかもしれませんがw
では、スタッフやキャストが所内神社にお詣りする時とは何時なのでしょうか?
それは、撮影に入る前です。
単発のドラマ撮影はクランクイン前に、連続ドラマの撮影の際には1話のクランクイン前に、最低でも「安全祈願」と「ヒット祈願」を行います。
その番組や映画の規模によって、一緒に参拝するスタッフやキャストの数は変わってきますが、本物の神主さんに祝詞をあげて頂いてお祓いして頂く正式で神聖な祭事となります。
1年を通しての長丁場である連続ドラマやヒーロー番組は勿論、映画やVシネマ、大作や特別企画の2時間ドラマ等でも「安全祈願」「ヒット祈願」は行いました。
プロデューサー、監督、カメラマンが最低人数で、主演等のキャストが数名並ぶ場合もありました。
大抵は、クランクインの前には主要スタッフは準備に入っている訳ですから、このプロデューサー、監督、カメラマン、主演以外の助手のスタッフが呼ばれる場合もありました。
ヒロイン等の主要キャストが参加するぐらいの大所帯での「安全祈願」ともなると、上層部=助手以外の主要スタッフや主要キャストは、ハレ着だったりしましたので、私達助手クラスの汚れた平服の者達は、祝詞も聴こえづらい後ろの方で、お祓いの際には頭を下げ一緒に手を合わせているぐらいでした。
そんな大きな祈願祭を執り行った作品でも、クランクアップの時点ではお礼参り等はしていなかったと思います。
●東映以外の場合
世田谷の東宝撮影所の所内にも「牧岡神社」があり、東映と同じようにお祀りが行われています。
この様に東宝や東映のような大きな撮影所という敷地を持つ映画会社は、所内神社を建立してお祀りをしていますが、独自の撮影所やスタジオを持たない会社はどうしているのでしょうか?
それは、3つの方法があります。
1.近場の神社で済ませる。
まずしません。但し、近場の神社が芸能神社なら別です。
2.芸能の神社に行く。
スタッフやキャストが出向いてお祓いを受ける。但し、大所帯では大変ですので、メインスタッフ位だけだと思います。
3.神主さんに来て頂く。
これが一般的です。リーズナブルだし、撮影隊が大所帯になっても大丈夫です。家屋建築の地鎮祭や上棟式の際等の様な感覚に近いでしょう。
●あとがき
ある意味、建設現場と変わらない様な機材を使い、高所作業という危険性もあれば、アクションという怪我を伴う危険性のある作業もある仕事が撮影現場です。
だからこそ、神事は大切なのだと思います。
「神様に安全は願ったから偶然は極力避けて頂けるでしょう。後は、自分で行った行動が結果としての必然の事故を呼び込んでしまわない様に、行動に気を付ければ大丈夫」
「神様は、万人の願いを全て叶える程の暇を持て余している存在ではありません。その人が努力をしていれば、そのご褒美にほんの少しだけど奇跡を見せてくれる存在なのです」
以上は、私の友達の宮司さんの御言葉です。
神頼みなのだとしても「人事を尽くして天命を待つ」事が大切なのだと思います。




