余り語られない撮影所のあれこれ(4) ロケセット
★「ロケセット」
ロケーションセットの略。
製作主任等が交渉して撮影用に借りてきた実際の建物や場所の中でも、建物内部を使って撮影できる場所を、撮影所内のセットと区別してロケセット呼びます。
実在の店舗や工場等の建物をお借りするので、賃借料金をお支払いしますが、場所によって様々な制限もかかります。
傷付けない。は当たり前の様ですが、廃工場や廃墟なんかだと多少は緩和されますので、アクションシーンに使えます。
レギュラーで1年間通して、外観と店内を撮影の度にお借りするということもありました。
そんな場合は、店のお休みの日にお借りするのが基本でした。
内装は、台本上のイメージがそのままで、交渉して使わせてもらえるならば、そのまま使いますが、基本的には、小道具、大道具、美術の部門で飾付けます。撮影が終われば、撤収も同じメンバーです。
ロケセットは、リアルな雰囲気をカメラに納めることができる上に、撮影所内でセットを組むよりも安上がりだったり、セットを組む場所がなかったり、天井まで欲しかったりw監督のワガママだったりwwといった理由の解消の為にも選択されます。
しかし、ロケセットの最大の弱点はカメラポジションが制限される点です。
撮影所内セットであれば、壁の取り外しは自由ですから、ほとんどのカメラポジションを確保できますが、現実のロケセットでは無理ですw
特に狭い店舗のロケセットなんかだと、スタッフの入る場所すら無くて、カメラポジションなんか2アングル位しか選べなかったりしますww
ロケ地は天井の無い場所だったり、ロケセット場所を含む一帯を指したりしますが、ロケセットとして使うだけではなくて、外ロケとしても使える広範囲を借りる場合もあります。
例えば、高崎金属さんと、大谷石採石場さんです。
レギュラーで使えてアクションシーンにも使えるロケセット場所
は、有難いの一言です。
製作主任のひとりは「私がどの番組よりも早く見つけてきたロケ地やロケセットが、長年使われて重宝され、更に他の番組や他の会社の撮影隊からも借りたいと思われる。そんな場所を見つけて来るのが夢です。それは、業界の財産でもあるからです」と言っていました。
だからこそ、撮影等に使用する際に無茶苦茶な使い方をして荒らして欲しくないし、撮影隊も次に繋がるように使用します。
こちらはお借りしているだけなのですから…
現在ではフィルムコミッション等の存在もあって、ロケセット等を探す事も楽にはなった様です。
有難い限りです。
●Q&A
Q:
後に我々ファンが聖地巡礼ができるのも楽しいです
これも、ご迷惑を掛けないようにしなくてはいけませんね。
A:
ありがとうございます。
好きだからこそ聖地と位置づける。
好きだからこそ巡礼する。
ならば、聖地として扱って頂けると有難いですよね。
実際の寺社に落書きする様な人達がいるのを報道等で見ると心配になります。
Q:
海外からの旅行者も
その国のドラマに出てきたロケ地が目当てだったりしますしね(^_^)
聖地巡礼は私有地に入ったり
大騒ぎしたり、難しい問題もありますが、
ファンとロケ地にお住まいの皆さんとの関係がうまくいってる例を沢山見てきてます。
本当に素敵ですよ(^_^)
A:
私も聖地巡礼をします。
自分の関わった場所は懐かしく、関わらなかった場所は、皆さんと同じ気持ちで巡礼していますww
私の最大の聖地巡礼は、ロケセットやロケ地ではなく、東映東京撮影所内なのですがねwwww
Q:
聖地大泉ですね(^_^)
撮影所を開放してくれた
大泉まつり、またやってほしいです。