余り語られない撮影所のあれこれ(22) 東映東京撮影所内の「協力会社」
★東映東京撮影所内の「協力会社」
今回は、東映東京撮影所内に存在する会社を紹介しようと思います。
尚、例によって情報のほとんどが30年前ですw
今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在しますwwその点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。
●不思議な不思議な東映東京撮影所
所謂、東映東京撮影所は、通称「東映大泉」とか「大泉撮影所」とか単に「大泉」とよばれますが、その敷地内に、「東映テレビ・プロダクション」、「特撮研究所」、「東映アニメーション」といった関連の各企業を含めての名称となっています。
現地付近へ行かれた方はお分かりですが、「東映アニメーション」などは道を挟んでいますが、敷地内なのですw
かつては「東映アカデミー」と言われる俳優の養成所もありましたが、現在は「東映俳優センター」と合併して所属の俳優・声優のマネジメント部門として、「東映株式会社 東京撮影所 マネージメント部」(通称:東映マネージメント)となっているようです。
そんな「大泉撮影所」でも前記の「東映テレビ・プロダクション(通称:テレビプロ)」、「東映アニメーション」、「東映マネージメント」等は東映の関連企業ですが、関連企業でもないのに「特撮研究所」などの撮影に「協力する会社」が敷地内に会社の事務所や社屋や倉庫を建てて業務をしています。
●協力会社
東映の関連会社ではないものの大泉撮影所内で会社業務を行っている「協力会社」は、店子状態で撮影所の一角に存在するのですが、撮影所内に会社や倉庫があった方が何かと便利だと思われる「衣装」「小道具」等の会社がありました。
両方共にストック倉庫が撮影所内に無いと、撮影の度にわざわざ大量の服や物品を外から輸送しなければならないことが生じますから、合理的というか自然発生的にというか、撮影所内に会社と倉庫が建てられることとなるのです。
私が所属していた「斡旋会社」も敷地内にありました。
撮影所内の仕事や他社の仕事を斡旋してくれて、スケジュールまで考えてくれていたのが「斡旋会社」でした。
因みに、東映東京撮影所で撮影に携わるスタッフのほとんどが東映の社員ではありません。
協力会社に所属する社員や、斡旋会社から仕事を斡旋されている個人事業主、そして全くのフリーのスタッフもいました。
協力会社それぞれは独立していますから、東映の専属ではありませんが、敷地内にありますので東映東京撮影所内の仕事がほとんどでもあります。
●衣装
30年前には「スーパー戦隊」「メタルヒーロー」を担当する「東京衣装」さんと、「はぐれ刑事」「火曜サスペンス」「土曜ワイド」等のドラマを担当する「東京衣装新社」さんがありました。
詳しくは、前記の「余り語られない撮影所のあれこれ(3) 衣装」を参照して下さいね。
ある意味専属契約に近いですが、他社の撮影の為の衣装も貸し出していました。
●小道具
小道具は「スーパー戦隊」等の「装美社」。
「メタルヒーロー」等の「大晃商会」。
「はぐれ刑事」や「火曜サスペンス」「土曜ワイド」等の「東京美工」。
でしたが、今や「東京美工」さんが「スーパー戦隊」「仮面ライダー」「各ドラマ」に一手にテロップされているようです。
「装美社」も「大晃商会」も本社自体が東映大泉撮影所内にありましたが、「東京美工」だけは東映大泉撮影所内にあるのは「第二営業部」でした。
小道具の会社も衣装の会社と同じく様々な物品を用意しなければならない為に、大きな倉庫を所有していました。
そして、衣装さんが縫製作業をする様に小道具さんも小道具の修理や補正、また、小道具備品の作成用に小さな工房も持っていました。
小道具と言ってもエキストラを含めた役者さん達が手に持つ「持ち道具」をはじめ、装飾の範囲にまで拡がっているのでは?と思われる「看板」等の作成も小道具さんの範疇でした。
警察官を例にあげて説明すると、制服の上下と靴下、時には手袋までは「衣装」さんの範疇ですが、帽子、拳銃、ホルスター、警棒、手錠、靴などの身に付けるものは「小道具」さんの範疇でした。
そして、警察署の看板や赤色灯、パトカーのカッティングシート(警視庁や◯◯県警のロゴや車体ナンバー)や偽装ナンバープレート(当時は、プレートナンバーを隠す目的で偽装ナンバープレートを貼っていました)は「小道具」さんでした。
それほどに「小道具」さんの範疇は拡かったのです。
「小道具」さんは「衣装」さんと同様に改めて詳しくご紹介したいと思います。
●特撮研究所
通称「矢島特撮」とも呼ばれる、言わずと知れた特殊技術シーンを撮影する協力会社です。
この会社は、本当に改めて紹介したいのですが、実は詳しくは知らないのですww
特撮ファンより少し知っていることが多い程度ですからww
●その他
その他の敷地内にある協力会社としては、前記の様に「斡旋会社」も存在しました。
しかし、それ以外に私が知らないだけで、敷地内に協力会社があった可能性があるのです。
以下は、私の勝手な判断で「敷地内に存在する協力会社」の範囲に含めていない撮影関連の部所です。
「大道具」さんは「東映美術センター」でしたから東映の関連企業だと思っています。
メイクさんは、メイクルームはあっても会社事務所は所内にはなくて、撮影所に通って来ていたと思っています。
撮影部は、会社として存在している訳ではなくて、東映のカメラや機材を使って社員カメラマンや斡旋された契約カメラマン、そして撮影助手さん達が撮影していると思っています。
色々な部所が集まって来なければ出来ないのが「撮影」です。
「協力会社」が撮影所の敷地内にあたかも東映の関係部所の様に存在している事実も、ひとつひとつの作品を作る為の「協力」をする為に存在していると思えば、凄い事だと思ってしまいます。