余り語られない撮影所のあれこれ(182)「地方で映画上映会を開催するには」
余り語られない撮影所のあれこれ(182)「地方で映画上映会を開催するには」
●上映会を企画する
先日、私は小さな上映会を開催しました。
上映会に自分が参加する場合は今までにも有りましたが、自分が企画し開催するという事は殆ど初めてに近いものでした。
結果としては惨憺たるものでしたが、それでもやってみなければ得られない経験が多く出来ました。
今回は、「しくじり先生俺みたいになるな!!」ではありませんが、ある種は参考にして頂き、ある種は反面教師にして頂いて、思い腰をあげるきっかけとなってくれればと思います。
尚、例によって情報のほとんどが約30年前です。
今となっては変わっていることや、無くなっていることもあります。
また、記憶の内容が30年の間に美化されたり劣化してしまっているものも存在します。
その点をご理解の上、あらかじめご了承下さい。
そして、ここでの意見は、あくまでも個人的な意見です。
東映をはじめとした各社や映像業界の直接的な意見ではありません。
その点を予めご理解ご了承下さい。
●上映作品を選ぶ
先ずは「上映作品」を選ぶことから始まります。
「上映作品」は、集客対象となる年齢層などによっても選定基準が違います。
基本的に「映画」などの作品を上映するためには、昔はフイルムを借りて上映していましたが、現在ではDVDやブルーレイなどの媒体での上映が主流になっていて、期間限定の配信などでの提供というのも行われています。
作品を借りるのは、その作品の「上映権料」を制作元会社と契約して配給用に借りている配給会社になります。
勿論、新しい「有名作品」が一番集客を得られやすいのですが、なんと言っても「上映権料・上映使用料」が高くなります。
「入場料金」「入場定員」「上映時間」などによっても「上映権料」や「上映使用料」も違っています。
例え「入場料無料」であっても、入場者が少数であっても「最低料金」扱いとなる「上映使用料」は支払わなければなりません。
例えば、観客ひとり当たり500円の「上映使用料」を配給会社から請求される作品があったとして、「最低料金としての上映使用料」が50000円だとすると、100人までの観客ならば、どれだけ観客が少なかろうと「最低上映使用料」の50000円が請求されます。
これが、観客数が多く200人が鑑賞したとすると100000円の「上映使用料」がかかる事になります。
これらを見越して「鑑賞料金」を設定する必要があるのです。
観客ひとり当たり500円の「上映使用料」が請求される作品に対して、1000円の「鑑賞料金」を設定した場合、50人の観客数で「最低上映使用料」がクリアできる事になります。
つまり、1000円の「鑑賞料金」で100人が鑑賞した場合、「最低上映使用料」50000円を差し引いた50000円が興行主の「利益」となります。
今回の私の上映会では、私が東映に居た時から懇意にして頂いている「國米修市」監督をはじめとする「SPECIAL EFFECTS」制作の作品での上映会という企画でした。
ですから「上映使用料」などの条件面も一般的な配給会社とは違っていましたが、有難い内容にして頂いていました。
「上映作品」自体は、東京をはじめ大阪や愛媛、熊本でも上映した実績のあるものに、あまり「上映実績」のないレアな短編作品を併映するというプレミアを付けた作品群となりました。
●時期を模索する
このように、「上映作品」と観客の兼ね合いで「上映使用料」が決まるので、これから後の事柄が全て絡まってきます。
「上映作品」「上映時期」「上映場所」「準備機材」「人員」「予算」全てが密接にかかわり、様々な調整が図られることとなります。
私の場合は、「上映場所」を探すよりも「上映時期」を決めてしまっていました。
しかし、これが「最大の誤算」であったことは、事後に痛いほど感じるのですが、今となっては後の祭りです。
「上映場所」としては、私の地元「徳島市内」ということは漠然と決めていました。
その上で、「集客が図れるイベントに便乗しよう」ということで、徳島県最高のサブカルチャーのお祭り「マチ★アソビ」に便乗することとしました。
「マチ★アソビ」は、アニメを中心としたイベントで、アニメ制作会社が出店するブースやアニメ出演の声優などを制作会社が招いてトークイベントやミニ上映会を開くなど多彩なコンテンツが観覧できます。
また、コスプレイベントも並行して開催され、アニメはもとより特撮などのキャラクターのコスプレレイヤーさん達が多く集まってきます。
例年であれば、2~3日間開催され、1日当たりのイベント参加者は県内外から20,000人を超えるイベントとなっています。
「マチ★アソビ」に便乗し、その開催期間がそのまま「上映期間」として設定していました。
一般的には土日祝日などの休日の日中や平日の夕方からの時間を上映時間にあてます。
土日祝日は、連休や記念日などを絡めて時期を設定する場合もあり、その際には、祝日等の記念日に合わせた「上映作品」を選定し、その「上映作品」に合った観客の集まる可能性の高い時間を「上映時間」に含める等の配慮が必要となります。
●会場を探す
私の場合は「マチ★アソビ」に便乗した上映会でしたので、「マチ★アソビ」の会場となっている徳島駅から東新町商店街までの300mほどの範囲内で上映会場を選定する必要がありました。
一般的にも公共交通機関を使ってのアクセスが良い会場というのが一番集客が図れます。
更に会場の立地以外にもその設備にも違いがあります。
また、公共施設や民営施設かでも「初期設備」はもとより「使用料金」も変わってきます。
上映場所ということで、本来「ミニシアター」として貸し出している場所もあります。
このような「ミニシアター」の場合は「上映会」に特化していますから、「設備」もそれに合わせたものが「初期設備」として備わっていて、「会場使用料金」に最初から含まれているのが一般的です。
しかし、「ミニシアター」”でも”使用可能な会場という場合の「設備」では、「ビデオプロジェクター(などの映写設備)」や「投影用のスクリーン」、「座席としての椅子」「机」などが「別料金」として設定されている場合が殆どです。
さらに、これが「公共施設」であった場合は、使用料金の「時間単価」が「非営利」と「営利」では大きく変わってきます。
「公共施設」は「非営利」な催し事には比較的寛容で、使用料金としての「時間単価」は驚くほど安いのが特徴といえます。
これに対して「営利=不特定多数を対象に物品を販売する」の場合の「時間単価」驚くほど跳ね上がります。
この「営利」には物販だけではなく「展示会の入場料」などの「無料開放」以外の場合にも適応されるので、今回の「上映会」の場合「パンフレット等の物販」だけではなく「鑑賞料金」も対象となってしまうのです。
この状況に対して施設を貸し出している行政担当者からは、「会費」を支払っている「サークル内での上映会」の場合は「営利」には当たらないということでした。
私の場合も徳島駅前を中心とする上映可能な場所を探しましたが、地方では「ミニシアター」を常設的に維持している民間の会場は「ufotableシネマ」と呼ばれるアニメ制作会社「ufotable」が運営するアニメを中心とした会場しかなく、「マチ★アソビ」の期間中には企画団体の一角として全ての「ミニシアター」が優先的に「マチ★アソビ」の会場として貸し出されていました。
県や市が運営する公営施設はあるのですが、「営利」目的では「使用料」が高く、安い使用料の公営施設は徳島駅周辺から公共交通機関を使っても20分ほど離れた場所にありました。
民間施設としては会議室としての貸し出しと共に「ビデオプロジェクター」や「スクリーン」を備える施設もありましたが、「マチ★アソビ」の会場周辺からは遠い施設となっていました。
最終的には、「マチ★アソビ」の開催場所の一角になっている東新町商店街内にある2か所の「レンタルスペース」が候補として絞られました。
一方は40~50人ほどの観客席が設置でき、「有料ビデオプロジェクター」も貸し出しも可能で、スクリーンも「100インチ有料スクリーン」をはじめ白い壁に投影すれば120インチ以上の大きさを確保でき、更に音響設備も(有料ですが)そろっている真新しい商店街の通り沿いにある1階の場所でしたが、「会場費」としては公営施設より少し安い程度でした。
方や15人ほどしか観客席は確保できないし、スクリーンもなければ音響設備はあるものの何十年も使っていないという、「今や使用されていない昔のミニライブ会場」という施設でしたが、私の昔からの知り合いの店の2階ということもあり、格安で借りることが可能でした。
徳島での最初の上映会ということで、監督とも相談して小ロットとはいえ格安で借りられる会場に決定しました。
●準備
「上映会」の場合、最低限な「設備」をはじめとした「準備」が必要となります。
大きなところでは以下のようなものが考えられます。
・「上映作品」の映像媒体に合わせた「映写装置」
昔はフィルムでの上映が多かったために、専門の映写設備が必要でした。
そのため映画の上映を生業とする「移動映画館」を運営する業者もありました。
現在ではデジタル設備や記憶媒体の進化により「ビデオプロジェクター」があれば、DVDやブルーレイのプレイヤーはもとよりパソコンを使った上映も可能となります。
「上映会場」によっては、基本的には有料で貸し出しをして貰えるのが一般的となっています。
「ミニシアター」であれば、使用可能な設備として常設されています。
この場合には、「上映会」に特化した設備が多く会場の貸し出し費用に含まれている場合もあります。
私の場合には、プロ仕様の「ビデオプロジェクター」の型落ちを知り合いのイベント業者から譲って貰えたおかげで、数千円の部品交換だけで数十万円の映写設備を手に入れることができたのは幸運でした。
・「スクリーン」
これも「上映会場」で有料貸出をしている場合が多く、「ミニシアター」の場合などでは映画館並みの大きさのスクリーンが設置されていますから、映写装置と同じく会場貸し出し費用に含まれている場合もあります。
また、会議室等の利用のためにスペースを貸し出している「レンタルスペース」においては、ロール式で天井から設置されている「スクリーン」を使用するタイプや、三脚状態の脚に「ロールスクリーン」を張る方式が一般的で、これも有料で貸し出されています。
「ミニシアター」では上映作品の縦横比であるアスペクト比や音響設備によって「スクリーンサイズ」が設定されています。
一般的には「80インチ~120インチ」の小さなスクリーンから「200インチ」を超えるスクリーンを持つ「ミニシアター」も存在します。
通常映画館ではインチ数に換算して「250インチ~500インチ程度」のスクリーンが常設されています。
民間で使用される「ビデオプロジェクター」の場合は、その光源の光量から余り長い距離に光が届きません。
その関係上、余り大きな「スクリーン」では上映出来ません。
ですから、多くの場合「ビデオプロジェクター」での上映での「スクリーン」は、「50インチ〜120インチ」が主流です。
私の場合も「ビデオプロジェクター」を使用する予定でしたから、中古の「80インチスクリーン」を購入して今回の上映会に臨みました。
・「音響設備」
これも「上映会場」に設置されている「スピーカー」が一般的で、一般的には有料で貸し出して貰えますが、会場自体に音響設備が設置されていない場合には、運営側が音響設備を用意しなければならなくなります。
その場合は、「スピーカー」だけでなくて「音響アンプ」も用意しなければならなくなります。
私の場合、「音響アンプ」の要らないミニピンで繋ぐだけの簡易の「スピーカー」を「ビデオプロジェクター」に直接繋いで音を確保していました。
結果としては、観客15人程度の小さな小屋(=劇場=上映会場)では、それぐらいでも充分な音響設備でした。
・「番宣物」
所謂「ポスター」や「チラシ(=フライヤー)」の類いです。
本来であれば、デザインから始まり印刷に至るまでを自分達で企画し発注しなければなりません。
カラーにするのか?単色にするのか?何部印刷するのか?
何処に貼って貰うのか?何処に置いて貰うのか?
それらは「上映作品」によっても、「観客」によっても千差万別に変わってきます。
どんな「観客」が観る作品なのか?誰に観て欲しいのか?
私の場合は、お借りする「上映作品」の監督から「ポスター」も「チラシ」も頂き、更には「徳島版チラシ」もWEB作成して頂いて、それをコピーして「ポスター」と共に貼っていました。
・「上映スケジュール」の設定
意外に重要なのがこの「上映スケジュール」の設定です。
上映会場にスタッフが常時いらっしゃる「ミニシアター」などでは、その「小屋主(=館長)」と相談して決定することもできます。
会場の開場時間や閉館時間との兼ね合いや、「上映作品」の「上映時間」と「休憩時間」と「観客の入れ替え時間」の兼ね合いと、その「余白時間」から「上映スケジュール」を設定します。
私の場合は、会場となる店舗が朝10時開店で午後6時閉店の8時間しか使用ができない状況であり、1時間半程度の上映時間の作品と30分程度の上映時間の併映作品を組み合わせて、その組み合わせを3セット作り、尚且つ間に「上映作品」の「差し換え時間」や「休憩時間」、「開場・閉館の準備時間」を入れ込まなければなりませんでした。
・「9:50 開場時間(店主が店舗に来る時間)」
・「10:00 上映開始時間」
・「10:00~10:30 A作品の上映(30分)」
・「10:35~10:50 休憩及び作品の入替時間は私のトーク」
・「10:30~10:35 の5分間は、調整タイム」
・「11:00~12:00 B作品の上映(1時間)」
・「10:50~11:00 の10分も調整タイム」
・「12:00~12:30 昼休憩」
・「12:30~13:00 C作品の上映(30分)」
・「13:05~13:20 5分の調整タイム後、休憩及び入替時間は私のトーク」
・「13:30~15:00 10分の調整タイム後、D作品の上映(1時間半)」
・「15:00~15:20 休憩時間 及び作品の入替時間」
・「15:20~15:30 E作品の鑑賞前の注意」
・「15:30~16:00 E作品の上映(30分)」
・「16:00~16:10 休憩時間 及び作品の入替時間」
・「16:10~17:40 F作品の上映(1時間半)」
・「17:40~18:00 閉館作業」
以上が私の「上映スケジュール」でしたが、事後になって上映作品の間の10分間の調整タイムは5分間でも良かったかなあと思っています。
●設営
会場の「設営」は、会場にお願いする場合と自分で行う場合があります。
「ポスター」の貼り出す場所などが決まっている「ミニシアター」などの会場では、会場スタッフにお願いする場合もあります。
また、会場によっては「物販」の場所や「チラシ」の置き場所が決まっている場合もあります。
これに対して、会議用のスペースなどを利用した「レンタルスペース」などをレンタルした場合などは、運営スタッフですべての準備をしなければなりません。
下記は最低限の準備と設営になります。
・「ポスターの貼り付け」
・「上映予定時間の貼り付け」
・「チラシの設置」
・「スクリーンの設置」
・「ビデオプロジェクターの設置」
・「スピーカーの用意」
・「観客席の設置」
・「物販用の机・椅子の設置」
・「物販の金額札の用意」
・「会場の清掃」
・「鑑賞料金・物販のお釣りの用意」
少なくとも上記のことを、私の場合は一人で準備し設営しました。
あ、観客席の準備と清掃は会場をお借りした店主に一部手伝ってもらいました。
●運営
「ミニシアター」が上映会場であれば、上映が始まってからの諸々は会場スタッフが代行して頂ける場合もあります。
・「開場準備」
・「鑑賞料金の徴収(=もぎり)」
・「パンフレットや関連物の販売」
・「上映作品の映写準備」
・「上映作品の入替作業」
・「上映時間の間の清掃・整備・調整作業」
・「閉館作業」
これらが基本的な上映中・上映後の作業となります。
細かな場合であれば、「会場内でのトラブルの相談」なども請け負わなければならない事もあります。
これは「観客間のトラブル」はもとより「観客やスタッフが会場を汚した・傷つけた」などといった観客やスタッフと会場主とのトラブルも対象となります。
ですから場数の少ない方達ならば、運営スタッフを複数人で行うことをお勧めします。
勿論、経験者が居れば心強くなることでしょう。
●撤収
「撤収」の際には、「原状復帰」が基本となります。
実際のところは、会場を「原状復帰以上で返却」が理想となります。
そのためにも、会場に「ゴミ箱」の設置の有無や「上映時間の間の清掃」が重要となります。
「ゴミ箱」は、「ゴミ袋」を1枚目立つところに設置しておくだけでも大丈夫です。
勿論、運営側の「ゴミ」も持ち帰るように準備することも大切です。
借りている「上映会場」との間で「清掃業務」や「ゴミ処理の仕方」「撤収時間の設定」も事前に話し合っておくこともお勧めします。
「上映会」だけに限らず「イベント」の開催時にも忘れやすいことですが、「次回借りる事がある」のならば尚更「飛ぶ鳥、跡を濁さず」や「終わり良ければ全て良し」の精神で撤収を行ってください。
これは、私が撮影所で「制作進行」のアルバイトを行っていた時代に「制作主任」から「最低限行わなければならいこと」として一番最初に教わったことでした。
「ミニシアター」などの常設する上映会場を借りていて、上映会場にスタッフが居て「撤収作業」の大半を行ってくれる場合でもこの精神は忘れない方が良いです。
特に観客数が少なく、上映会場スタッフに心配をかけさせてしまうような状況になっている場合であれば、会場側は気の毒がってくれたりもしますが、余計に「普段通り以上の撤収」を心掛けて欲しいものです。
・「上映機器の撤収」
・「スピーカーの撤収」
・「スクリーンの撤収」
・「机・椅子の撤収」
・「ポスターの撤収」
・「チラシの回収」
・「その他備品類の撤収」
上記の撤収項目の内で上映会場に貸し出して頂いているものに関しては、破損個所や汚れがないかを確認して返却します。
特にポスターやチラシを粘着性のもので貼ってあったのならば、粘着部分が残らないように心掛け、壁等を欠損させたのであれば、正直に申請して対応すると、トラブルを避ける事にもなりましす次回に繋がる事にもなります。
●反省と…
「上映会」やそれを含む「イベント」が終了すれば、慰労会や反省会と称して会食や酒の席を設けるのも良いでしょう。
しかし、忘れてならないのは「実質的な反省」です。
イベント自体が成功ならば、その「要因」を考え「改善点」も考え、次回に活かすことに繋げます。
勿論、イベントが自体に不満が残るのならば、これも「要因」を考え「改善点」も考え、次回こそはと想いを巡らせるのです。
私の今回の敗因は「虎の威を借る狐」を行おうとしたところ「虎に食べられた狐」となったことでした。
「マチ★アソビ」というイベントの宣伝に載せてもらったら良かったのか?とも考えましたが、それでも周囲のイベント内容の豪華さが目立ちました。
人気声優を呼んでのトークショーやライブが格安で鑑賞できるのです。
中には無料で鑑賞できたり拝聴できたりするイベントすら存在する訳です。
SNSを通じて「マチ★アソビ」の運営スタッフには、私のイベントのことは伝わっていましたが、いかんせん「アニメ中心」のイベントであり、2日間廻っても全てを見ることが難しいほどの規模でした。
また、この「マチ★アソビ」の中に特撮好きな人は居る可能性はありますが、コスプレイベントに参加されていたり、運営スタッフとしてボランティア活動をされていたりと、時間を作って「上映会」を観に来ることが難しい方たちでもありました。
「マチ★アソビ」終了後に報道機関から2日間でのべ58000人の集客があったと発表されました。
このことは、県内の参加者だけではなく県外の参加者が多かったことを意味しています。
それで、「マチ★アソビ」の数日前から「宿泊施設が満室で取れない」という声がSNS上でも散見することが出来ていました。
つまり、県外からの弾丸日帰り参加という猛者さえも居たのです。
「田舎だから集客できなかった」とは思いたくありません。
「良薬も度を過ぎれば毒となる」ということが今回の最大の反省点となりました。
私としては、状況をみて年内に「リベンジ」を考えています。
●あとがき
有料参加型のイベントの運営は、ギャンブルと同じくリスクを伴うものです。
無償での提供であればリスクがないように思われますが、それでも「無料にもかかわらず集客が出来なかった」という汚名と実績が残ってしまうというリスクが伴います。
大きな「集客」を図るための所謂「客寄せ」があれば、大きく成功に導ける可能性は否めません。
しかし、そこにも大きなリスクは伴います。
大きな「客寄せ」は「大きな資金」が伴うことを意味します。
だからこそ、何にも増して大切なのは「いかに資金を注ぎ込まずに『宣伝』をすることができるのか」であることは明らかです。
そのためには、自分が行おうとしているイベントの内容をよく理解し、周囲へその良い点を拡散していかなければなりません。
そして、その利点を生かす「宣伝方法」を考えなければならないのだと思います。
まぁ、惨敗している私が言っても仕方ないことかもしれませんが…
「上映会」は、少し特殊なイベントの形です。
昔からあったイベントではありましたが、昔はフィルム作品の上映が中心で大がかりな専門機材が必要で、「移動映画館」を扱う会社等に頼んで「上映会」を開くことが一般的で、個人で「上映会」を開くことなど夢のまた夢でした。
それが現在では、映像媒体のや機材の進化により機材さえ簡単に借りられ、個人でもセッティングが可能になり、誰でも催せるほどに身近になっています。
つまり、「上映会に行こう」ではなく「上映会を行おう」が可能となっているのです。
自分の好きな作品を勝手に上映することは、前途したように「上映権」の関係上容易にはできませんが、撮影機材も容易に手に入れられる現在では自分の撮影・編集した作品を上映することも可能ということなのです。
ハードルが高そうに思える「上映会」というイベントも、今やこんなにも身近になっているのです。