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余り語られない撮影所のあれこれ  作者: 元東△映助
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余り語られない撮影所のあれこれ(12) 今は使っていないだろう助監督の道具vol1(ポスカ) & 30年前だから見られた光景 vol.1

★今は使っていないだろう助監督の道具vol1(ポスカ)


30年前と現在の特撮番組の撮影現場では、何を言ってもCGの有り無しが大きいです。


特撮番組の撮影では、お馴染みの「ピアノ線」が今でも使われていますが、今ではCGで消しちゃえます。

30年前では、CGの使用は、まだまだバカ高くておいそれとは使えませんでした。


そこで使用されたのが「ポスカ」です。言わずと知れたポスターカラー塗料を簡単に塗れる文具です。

「ピアノ線を塗る」という仕事に使用しました。

ピアノ線は、人を吊るために使用するとなるとかなり太くなります。


そのままでは、ピアノ線自体に光沢があることもあり、簡単にカメラに写ってしまいます。


だから、ポスカで被写体のバックになる色でピアノ線を塗って誤魔化しますw

16ミリフィルムでしたから、ある程度の解像度しかありません。だから、誤魔化せたのでしょうw


ポスカは、基本3色を所持していました。

「黒」「白」「青」です。しかも2本づつw

基本は黒です。

ピアノ線を挟む様にポスカ2本の先端を合わして、一気に塗ります。


ポスカの利点は、大抵のモノには塗装できてしまうのと乾燥が早い点です。更に、2色以上の混ぜ合わせも可能です。

それを利用すれば、大抵のモノの色は作り出せます。


白と青を持っているのは、混ぜ合わせて空の色を作るためですww


白っぽい空や青い空もあるので、色調整は大変でしたww


更に、ポスカは簡易な補修材としても使用可能です。

色が剥げちゃった箇所に塗ります。

但し、この場合は勿論3色以外の色も必要になりますww




★30年前だから見られた光景 vol.1


基本的に私のこの「あれこれ」は、当時じゃなかったら分からない事やスタッフじゃなかったら分からない事の「余り語られない」話題を中心に取り上げるコラム形式ですw


さて、今回は「バブル時代」~「崩壊後」の時期である1988年~90年代初頭だから見ることが出来た光景という間口の広いwあやふやな内容ですw

撮影や特撮に限らず、隅をツツクのが私流ww


●その1

「タクシーチケット」


タクシー料金を支払う代わりに、このチケットを手渡して、後日タクシー会社から発券会社へ請求して貰うシステムです。


今や紙のチケットを使う事もなくなっているかとおもいます。

バブル時代は、夜間撮影等々で最終バスや終電も終わってしまった時間に撮影所から帰る事になると製作スタッフがタクシーチケットを発券してくれていました。

金額は未記入でしたから、いくらでも良い様になっていましたが、暗黙的に制限は有りましたし、同じ方面の人間は同乗する乗り合い状態でした。

そして、発券日がスタンプされますので、後日の為に残して置くなんていう食堂の食券みたいな事は出来ませんでした。基本的には…

タクシーチケットを発券した製作スタッフ等が、タクシー会社に電話を入れて配車をお願いするのですが、タクシー会社とはチケット契約がありましたから「東京無線」さんが呼ばれていました。

そんな関係ですから、東映作品でタクシーと言えば「東京無線」さん。特別に配車して貰いタクシーの到着から乗車、出発までのシーンに役者さんを乗せて出演して貰うこともありました。


今では電子決算ですかねぇw

バブル時代と崩壊後の違いは、同じ方向の人が居ても一人毎で使えていたチケットが乗り合いになった事ですねw

発券しない訳にはいきませんのでww

タクシーチケットは「タクシー券」や「タッ券」とも呼ばれていました。


●その2

「携帯電話」


携帯電話の歴史はロケと共に…w


バブル時代~崩壊後は通信産業の発展が目覚ましく、撮影スタッフとしては恩恵に感謝仕切りの時代でした。

今では当たり前のスマホや携帯電話はまだ無くて、固定電話が当たり前で、ロケにでも出ようものならば、コイン式だったりカード式だったりの公衆電話が連絡手段の基本でした。


ロケは、製作主任にとっては撮影所と連絡手段が限定される、ある意味羽根を伸ばせて、ある意味ハラハラな状況でした。

連絡手段の確保として、当時車載電話として名前をあげてきたセルラー(後のau)かな?の車載電話をロケバスに設置しました。

コイン要らずカード要らずの公衆電話という感覚でロケバスの乗車口のタラップの脇に設置されていました。

薄型の公衆電話というイメージですかね。

1989年末の「ジバン」の頃には無くて翌年の「ウインスペクター」の頃には導入されていたと思います。

そして、更に1年後には「ショルダーフォン」へと進化し、製作主任が平野ノラさんのように肩に掛けて電話していましたw


そして、携帯型へと変わって行くのですが、まだまだ電話代も1分いくらの時代でしたし、バッテリーの持ちも悪かったので、使用は制限されていました。

それでも、ロケ先では撮影所と相互連絡が取れる為に段取り等で重宝したようです。


個人的には携帯電話なんてお高いモノは持っていませんでしたから、羨ましかったです。


当時、ロケ先で離れた場所の連絡手段はトランシーバーが基本でした。電話代もかからず、ある程度の距離ならば相互連絡が取れる。但し、相互というより交互でしたし、聞き取り憎いのが難点でした。

私の場合。ウインスペクターの撮影時に、ウインスコードの後部座席にトランシーバーを持ち込んで乗車して、監督の指示を運転をしているタケシレーシングさんに伝えていました。

今では車輌の引き絵の走行シーンが余りみられなくなりましたが、スマホなのでしょうねw


因みに、バイクのスタート指示は、脇の茂み等に隠れて行います。

だいたいカメラ前に進みますから、スタートだけ指示をしておけばOKでした。


尚、スマホに関しては別の日にもう少し別の観点から書こうと思いますw


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