余り語られない撮影所のあれこれ(11) 挨拶 ~おはようございます と お疲れ様です~
★「挨拶 ~おはようございます と お疲れ様です~」
撮影所内では当たり前な事なのですが、世間とは違った挨拶習慣があります。
挨拶が働く人間の基本と良く言われます。ですから、撮影所では挨拶をすることを大切にしていますし、独特の挨拶習慣を身体で覚えていかなければなりません。
挨拶がないと人間関係がギクシャクするのは世間一般と同じですが、撮影所内では更に問題が生じます。
集団で単一の作品を作り上げるという撮影所独特の仕事内容ではあるのですが、たった1回だけの仕事上の顔合わせだったり、ほんの数分だけしか仕事をしなかったりする場合もあるのです。
だからこそ、挨拶は大切です。
さて、撮影所というか業界内の挨拶として定着しているのには、
「おはようございます。」
「お疲れ様でした。」
があります。
一見普通ですが、挨拶のルールが独特なのです。
先ず、自分を主体とする挨拶に心掛けます。
自分が仕事に来たのならば「おはようございます」です。
つまり、これから仕事をする場合は、いくら夜中でも「おはようございます」です。
そして、今日初めて会った相手に対しても「おはようございます」です。
勿論、夜中でもです。
そして、自分が今日の仕事を終えて撮影場所から出る場合は、自分を主体として「お疲れ様でした」というのです。
別の現場で次の仕事があるとしても、ひとつの仕事が終わったとして「お疲れ様でした」と挨拶します。
この挨拶は、撮影所内であれば、撮影所を出るまでに会った人に対して続きます。
それが例えば今日、初めて会った人でも「お疲れ様でした」と挨拶して、自分が仕事が終わったことをアピールするかのように挨拶します。
別に本当にアピールしている訳ではないのでしょうが…w
片方が「おはようございます」と言っているのに、相手は「お疲れ様でした」と挨拶を返す場合や、その逆の場合もあるのです。
さて、ここで問題ですw
お互いにその日最初の挨拶である「おはようございます」を終えて、別々の仕事現場に行った二人が、撮影所内で再開しました。
挨拶は何とするのでしょうか?
答えは、相手を認識できているかどうかによって挨拶を使い分けますw
「こんにちは」「こんばんは」
でもOKなのです。
失礼な話ですが、「おはようございます」と挨拶をしても問題はありませんw
相手から「こんにちは」と言われたら「こんにちは」と返しておけば問題はないのですが、相手から「おはようございます」と言われたら、2回目では?と思っていても「おはようございます」と返すのでも問題ないともいえます。
「お疲れ様でした」に対して「こんにちは」という挨拶やその逆のパターンもあります。
挨拶が全くない事の方が問題なのです。
但し、上司や偉い方や有名俳優さんに対しては、気を付けないといけませんけれどねww
同じ作品を作っているスタッフやキャストに対しては、本日の出演の終了や撮影終了を把握して、普通の挨拶をします。
同じ作品を撮影しているスタッフやキャストは、同じ職場の仲間と思えば理解し易いでしょう。
挨拶としての種類は多くはありませんが、違った時間帯に違った現場でそれぞれに別々の仕事をしているという特殊な業界という世界ですから、独特な挨拶のやり取りとなるのです。
●Q&A
Q:
チビ助が子役事務所で一番最初に教わったのも挨拶でした
オーディションの時も挨拶が出来ない子は落とされる確率高いとも聞きました
A:
どんな仕事場でも挨拶は基本ですが、業界は特に縦社会なところがありますから、挨拶は大事ですよ。
Q:
ちょっと面白かったというか、どんなにグズってる子でも、挨拶だけはめっちゃ大きな声なんですよね
染み付いてるんだろうなぁ…
A:
そうです。身体に染み付いているのですww
東映を去ってから暫く(数年)は、撮影所方式の挨拶が抜けなくて、その日に初めて会う人には、昼でも夜でも「おはようございます」と言ってしまっていた位でしたww
Q:
でも入の時は朝晩関係なく「おはようございます」の職場は増えてる気がしますね〜(笑)
3交代勤務の工場もそうでしたよ(笑)
A:
3交代制の工場!
撮影所もそんな感覚ですよね。
入りと出の人が入り乱れているのですからww
フレックスタイム制やら交代制の職場やらは、出勤したら「おはようございます」ですからねぇw