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リドルの巣窟

さて、この依頼を受けた俺とルナはリドルが現在棲むと言われている小さな休火山の洞穴の前にいる。その洞穴の入り口の直径はゆうに5メートルはある。


「......まさかと思うけどリドルの体長って」

「尾まで入れると約十二メートルですかね」

「......勝てるかな......」


大きな不安を寄せる中、俺はすごすごと中に入る。意外と湿っているかと思いきや快適な湿度を保っている。まさに生物の生きやすい所だな。


「......変ですね」

「何がだ?」

「ここはそこそこ名のしれたダンジョン。普通ならゴブリンの群れがチラホラ出てくるはず」

「そういやこの前のゴブリンの群れの異常さもあったな。まさかこれのせいか?」

「......かもしれませんね」


ルナの真剣な眼差しと声に緊張が走る。これが本当の異世界なんだ......ワクワクと同時にぞくぞくが止まらなくなっていた。


「あれ、こんな所に宝箱が」


横目に逸らしたルナが宝箱を見つける。それに俺のたまに当たる勘がものを言う。


「まて、もしかしたらあれはミミックかもしれない」



ミミック

宝箱に化けて冒険者を騙しその命を喰らおうとするトラップモンスター。見分け方はいまいち分かってない。


「ミミック、なんで分かるんですか?」

「男の勘」

「信用出来ないフレーズですね」


ルナの言葉に少し心に傷をつけられるが、気にしない振りをして足元に転がっていた石ころを拾い、宝箱目掛けて投げつけた。そしたら宝箱から目や手足が生えてきて巨大な牙が現れた。


「当たりだ!」

「来ますよ!ここじゃフレイムベールは使えませんので悪しからず!」

「分かってらぁ!俺のスキルのチート力舐めんじゃねぇぞ!」


左手をミミックに向け、


解除(アンロック)!!』


と叫ぶ。

するとミミックの手足が徐々に消え、ただの宝箱に戻った。


「......あれ」

「ふふふ、これが解除(アンロック)の本当の力だ」

「さ、流石ですね」

「さてと、何が入ってるかなぁ......」


宝箱に近づいてそそくさと開ける。その中には小さなロケットが入っていた。


「ん?なんだ、ロケットじゃねぇか」

「ろけっと、とは何ですか?」

「ああ、写真とかを中に入れておくペンダントみたいなやつだよ。見たことねぇか?」

「はい。そもそもしゃしん…とは?」


あ、そっかここは異世界で科学技術はそもそもなかったんだった。


「いや、なんでもねぇよ。とにかく思い出を残せるものって事だ」

「ロマンチックな代物ですね」



ロケットの中を開くと、無精髭が似合う男性とその男性に抱えられ笑っている少女の写真が写っていた。それを右ポケットに詰め込んでまた奥へと進む。




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