第一話 生まれてから十一歳での総評
零章の始め
今思い出せば、私の過去は全て忘れ去りたいものばかりだ。
生まれた場所は何処かの農村で、私は有権者、つまり村長の次女として生まれたが、やんちゃな娘だったと我ながら思う。
父の本を無断で持ち出し上に並べてタワーをつくり、ばれて怒られて。
母親の食器を手榴弾のように投擲して、見事に割る。
姉の制止を振りきり、木によじ登って降りられなくなり、泣きわめいていた所を母親に救助される。
村にいる男の子十五人のグループに喧嘩を売って配下にする。
…思い出すだけでも赤面ものばかりだ。
ちなみにだが、その男の子十五人の一部は自立している。
どうも、親から畑仕事を手伝うように命じられて、グループから脱退いたとかなんとか。
残りは、相も変わらず、私の家の前に来てわちゃわちゃしているんだ。
正直に言って、二、三歳下の私の命令に従うのは如何に。
…さて、話を戻そう。
十の時、五つ上の姉が魔法士の夢を叶えるために、王都の『マギア魔法学園』に入校。
家には私一人になることが多くなる。
この頃になれば、あの幼き時代の荒れた頃と比べて大きく成長したものだ。
母曰く、おしとやかになって静かになったそう。
たまにやんちゃっ子だそう。
あの時は意識が少し朦朧としていたようなもので、何をしているのか理解はしていたが、行動に制限がかけられなくなっていたのだ。
…両親には、多大なる迷惑をお掛けした。
沢山の感謝の気持ちと、謝罪の気持ちで一杯である。
尚、食器の事に関してはまだ許してもらっていない。
いや、本当に申し訳ないと思っている。
私が十一歳になると、村にやって来た冒険者達が私に語ってくれた。
どうやら最近、村の近くの森には危険な魔物が出没するようになったらしい。
父は、その状況を憂い、領主様に手紙をだした。
守るための兵士を、村に常駐させていただけませんか、と。
しかし、返事は剣や槍等の武器、そして『自警団の組織許可書』であった。
そして、私はその自警団の隊長に就任したのだった。
いきなりだったが、勉学に励んでいたので頑張ろうと思う。
思ったよりも短くなってしまった…。
次は長くなります。