1/5
プロローグ
『Ⅴ号中戦車 パンター』の有象無象の1車輌として生を受け、数多の戦場を潜り抜けている間に、自己という概念が出来上がっていたらしい。
自分の中に乗る登場員達と同じように、目の前で起こっている物事を見て、考えて、でも結局は何かが変わることはなかったが。
ベルリン防衛戦に参加し、私は|赤軍≪ソ連軍≫のTー34ー85に撃破され、この意識も消えていくのだと、その時は思っていた。
しかし、神様はイタズラが好きらしい。
気がつけば、『私』は人として生まれ変わることになったのである。
零章一話も同時に投稿します。