悪意に翻弄されし人生
こんにちは。
ブクマ付いてて嬉しかったです!
俺は…自分で言うのもなんだが、努力ができるという天才だった。
努力なんて誰でも出来る。それは誰だって知っている。でも、だからといって全員がその通りにできるわけじゃないという事も知っている筈だ。
俺はその努力ができる人種だった。ただ、それだけだった。なのに俺の人生は、悪意に翻弄されてばかりだった…
小学生…多少嫉妬していた奴はいたが、それでもまだ悪意にさらされる事なく普通に暮らして居られた。
中学生…努力して点数を取っていく俺を目立ちたがりやで、クラスの輪を乱す存在として無視したり、机への落書きが始まった。
頑張っただけなのに、そうなった事への理解が出来なかったのを覚えている。
高校生…イジメが、キツかった。
大学生…一人で、勉強シタ
社会人…がんばた。結果出した。恨まれた。ハメラレタ。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで…そう考えながら死んだ。
思えば普通の心理状態じゃなかったんだろうな。…まぁいい、兎に角俺は殺された。妬み、嫉む心に。
だから意識が目覚めて親らしき人物が目に映ったとき、本当に嬉しかった。今度こそ無難に生きてやるって思ってた。平和に過ごせりゃそれで良いって。
でも、世界は俺に厳しかった。俺は何故か黒髪黒目だったんだ。親と全然違って。
そしてその黒という色はこの世界では呪われていて、不吉とされている色だった。それ故にまともなご飯も貰えず、暴力を振るわれ、奴隷のように働かさせられた。
前世の記憶が無ければ、これが当然と考えて一生このままだった事だろう。しかし、そうはならなかった。
幸運はもう一つあった。じいちゃんとの出会いだ。この出会いがなければ、俺はすぐに擦り切れて、壊れてしまっていただろう。
ほとんど偶然だが、ある時、村の人がほとんど近づかない場所に住んでいて、最早浮浪者と見間違えそうなじいちゃんと過ごす事になったんだ。
じいちゃんは差別をしなかった。少なかったけど、まともなご飯をくれた。俺がイライラしていて強く当たってしまっても、笑って許してくれた。
でも、そんな細やかな幸せも許しては貰えなかった。もう分かるだろ?そう、奴ら、火を付けやがった!!
じいちゃんは足を悪くしてた。きっと助からなかったのだろう。でも、俺はその場で悪意の塊に立ち向かうという事が出来なかった。生きてると信じて家に突撃することもできなかった。
怖かったんだ。死んでしまうことが…情けなかった。逃げ出す俺が…
そうして俺は逃げ出した。村の外には魔物がいる。だから今まで逃げられなかった訳だが、俺は抗った。必死で抗った。
そして気づいた頃には…俺は魔物に恐れられる程になった。身体は傷だらけ。戦いに明け暮れた事で顔は無愛想。
そんな俺の事が、俺は嫌いだった。努力は見せちゃいけない。強い事がバレてはいけない。笑え!笑え!笑え!
そして俺は黒髪黒目を隠す為に、道化の姿を取るようになった。これなら笑う事だって出来るだろうと。
そう、思えばこれが始まりだったのだ…人類の裏切り者、偽りの弱者伝説の…
読んで下さりありがとうございました!
次から話が動く感じですかね。