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97 汚れた部屋へ

その97です。

 だいたいさぁ、と雪郷はタバコをくわえながら、問題の週刊誌をパラパラとめくった。


「俺が中野予備校に入ったのは、単なるコネ作りのためだって可能性は考えないの?」


「う……」


「それに、中野予備校に所属した人間全てが再建議会にスライドしたってわけじゃないだろ。つか、入らなかった連中がこの手のゴシップ誌にネタを提供してるんだし」


「ㇺ……」


「そもそも、こんなゴシップ誌のネタを馬鹿正直に信じてる訳じゃないよな?」


「…………」


 畳みかける雪郷に、大陽寺は沈黙以外の選択肢は残されてなかった。



 こうなるとは予想できたはずだ。けれど、今朝の新聞広告でたまたま再建議会の記事を目にし、庁舎内をぶらぶら歩いている雪郷の姿をたまたま目撃した瞬間、冷静な判断を失ってしまった――というか、「冷静なつもりだったが全然違っていた」が正しい。



(いちいちコイツの指摘したとおりだ。どうして俺はこんな週刊誌で詰められると考えたんだ。というか、やっぱりコイツはいちいちムカついてくる)


 顔も態度もやる気ゼロ、仕事も可能な限り手を抜き、出世レースも周囲の評価も興味なし……なのに、なぜ公安が支部長待遇で招き入れた? どうしてこいつは大した実績を上げてるでもないのに評価される?




 大陽寺の中で黒い疑念がぐるぐると渦を巻き、彼の理性を再び覆い隠すかと思われたその時、第三の人物が部屋に入ってきた。


おっさんフィーバーはまだまだ継続中です

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