96 汚れた部屋へ
その96です。
「再建議会」とは、二十世紀末に設立された右翼団体の名称である。
日本全国津々浦々に支部があり、会員の総数は約3万人と推定されている。その目的は「日本独特の伝統と文化を守り、未来へ継承させること」としている。
過激ともとれる保守的な主張は前時代的、もっと言えば第二次世界大戦時の帝国主義に通じるとされ、マスコミからは「保守団体」どころか「急進的な右翼団体」、「軍国主義者の秘密結社」とまで称されることもあった。
そんな団体だが、いくつかの団体が統合して現在の形になったのが二十世紀末であり、元となった個々の団体を調べるとかなりバラエティに富んでいる。
お寺の住職の呼びかけから始まったものから、地方都市の有力者たちの寄合、伝統ある武道の統括組織、複数の町の消防団が集合して……なんてのもある。
そして、とある私立大学で、警察や自衛隊などの研究を目的としていたサークル――通称「私立中野予備校」も合流しており、サークルに所属していた学生の多くが当然のように再建議会の会員となっている。
「雪郷、お前が中野予備校に所属していたのは知ってる。中野予備校のコネがあったから今のお前がある」
「……大陽寺、いまヒドイこと言ってるぞ」
「否定できるのか?」
「大陽寺よ、お前さんはコネに頼らない生き方してきたの?」
「…………」
怪しいおっさんどもの怪しい会話が続いて申し訳ないです。
残念ながら、もう少し続きます。




