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82 騎士サンと決闘

その82です。

 外野が壁際まで下がったのを確認し、エクヴィルツは木剣を構えた。


 右手で持った剣を前に出し、左足を若干下げて正中線を隠した半身の姿勢は、ルデルが事前に予想したとおりである。


「ゲアハルトたちの甲冑といい、提げている剣といい、この国の剣法は日本のそれではなく、いわゆるサーベルを主体とした西洋のそれと似ているのは考えるまでもないのだ」



 日本の剣――日本刀といえば、剃刀の切れ味と鉈の重さを兼ね備えている。肉を切り骨を断つ、という思想に特化した武器だ。


 対する西洋の剣は、金属鎧は容易に斬れない事実から「重く頑丈にして、鈍器代わりに叩いて潰す」、もしくは「鎧の関節部などの隙間を刺し貫く」の二系統に分かれた。


 とはいえ、後者の場合は鎧の下に鎖帷子を着込むため、狙える場所がほぼ「目」のみという状態になってしまう。戦っている最中にそんな繊細な芸当は不可能に近い。


 どうあれ、実戦の場になったらリーチの長い槍を使えば失敗はない――という結論に達するのは、どこの世界も共通だろう。



(つらつら現実逃避してきたけど、本当の本当に大丈夫なんですよね?)


(心配し過ぎなのだ。身体が自然に動くから、それに委ねるのだ)


 ルデルと泰地の脳内会話が終わるのを待っていたかのように、エクヴィルツが一息で間合いを詰めてきた。


この手の蘊蓄は、話半分で読んでください。

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