77 任務開始
その77です。
中に入ると、ますます「相撲部屋」の印象が強くなってしまった。床の大半は土がむき出しだったからである。
「それでは、一時間後に開始としましょう。我々はあちらの部屋を使ってよろしいですかな?」
エックホーフの問いに、ゲアハルトは「ご随意に」と答える。さすがに言葉尻の棘は隠せなかったようだ。
エックホーフ一同が控室へ消えたのと同時に、泰地は盛大な溜息を吐き出した。
「どういうつもりなんですか、魔王サマ。いつになくあからさまな挑発なんかして」
「ウム、気付いていたのだ」
「期間は短くても、中身が濃い付き合いですからねぇ……」
このやり取りに、イケメン騎士は「あれは狙った挑発なのですか?」と驚く。まあ、魔王を名乗っている(容姿はアレだが)のだから、普通に尊大であると考える方が自然というものだ。
魔王ルデルは「なんだかんだで抜け目がなくて面倒見が良い」が、ヴェリヨや泰地の正直な印象である。多角的な視点で判断した後に、死なない程度に追い込む――積極的かつ模範的なスパルタ教育と表現するべきか。
「なんとなく予想はできますけどね」
泰地の諦観した表情に、ルデルは「ウム?」と先を促す。
「その方が楽しそうだからでしょ?」
「ウム。その点が大きいのは否定しないのだ」
本日はここまでです。
少しはテンポが上がって来たでしょうか?




