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76 任務開始
その76です。
先ほどの部屋は、国王直属である近衛騎士団の会議室だったそうで、さすがに決闘なんてできるはずがない。
かくして一同は理解不能な経路を辿り、陽光眩しい城外へと出た。
「さっきの、塔から会議室へ行く時も思ったけど、なんかやたら遠回りをさせられたような気がしますね」
泰地のいささか閉口した呟きに、ゲアハルトが苦笑いする。
「万が一、敵が場内に攻め入ってきた際への備えなんです。容易に国王陛下の元へ辿り着けないようにするのと同時に、壁や階段を多くすることによって対魔法結界術式を埋め込む面積を増やしたりしているのですよ」
「対魔法結界術式」!
さらっと出てきたファンタジーな単語に、少年は少し胸が弾む。けれど、目線の少し先に鎮座している「訓練場」を前にした途端にあっさり凪いでしまった。
レンガ造りのかなり立派な建物なのだが、泰地の第一印象は「学校の武道場みたいだな」だ。なんというか、扉から壁から汗の臭いが滲んできているような錯覚に襲われる。
「俺が言うのもなんだが……相撲部屋を何故か連想しちまった」
どうやらヴェリヨも同様の結論に至ったようだ。
いわゆる体育会系の醸し出すオーラというものは、異世界でも大差はないらしい。




