58 初任務は……
その58です。
生活臭を一切感じられない建物の中を移動すること十五分ほど――体感的にはその二倍以上に感じたが――の行程を経て、やっと目的地らしき建物のに到着した。
とはいえ、こちらもプレハブに毛が生えた程度の簡素な造りであり、完全に「仕事用」と割り切っているのがイヤでも理解できてしまう。なかなか大きい二階建ての建物だが、芸能事務所とか警察などという雰囲気は完全に欠落している。
中に入っても、イメージは覆らない。インテリアはもちろん、観葉植物すらないのは首尾一貫しているというべきか。
(あのビルの事務所もボロかったけど、居心地は悪くなかったもんなぁ。やっぱ女性がいるのといないのとでは違ってくるもんだな)
マエカケさんの偉大さを噛みしめる泰地が案内されたのは、事務机とPCが整然と並ぶ部屋だった。ある意味、ようやく職場に足を踏み入れたという実感が湧いてくる。
「ほんじゃ、チョータン貸して」
突然の雪里の言葉に泰地は一瞬戸惑ったが、すぐに例の警察手帳代わりの端末の略称だと思い至った。
泰地から端末を受け取ると、雪郷は一台のPCを起動した。程なくOSが立ち上がるのを確認すると、脇にあるマウスパッドのようなモノの上に端末を置き、何やら操作を始める。
……ぺんぽろぴろりん♪
気の抜ける変な電子音が鳴り終わると、ボスは端末を持ち主へ返した。
「いまインストールしたアプリがあれば、今後は一人でここに来れるからヨロシク」
「いや、最初からきちんと段階踏んで説明してくださいよ……」
今日は5編投稿とTwitterで約束したな。
あれは嘘だ(CV:玄田哲章)。
6編やります。
そうすれば、明日からやっと(本当にやっと)異世界へ舞台を移せるんです。
よろしくお願いします。




