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56 初任務は……

その56です。

 頭上で「ふざけるなと言いたくなるのも分かるのだ」と言わんばかりにルデルが頷いているのが分かる。こういう状況でなければ意見が一致しないのな、と泰地は無意識に笑ってしまった。


 さて、と雪郷はある方向を指差す。その先には、工場とか倉庫を連想させる灰色でドームみたいな屋根の建物らしきアイコンがあった。どうやらそこが目的地らしい。



「まさか、歩くのは一マスずつとかじゃないですよね?」


「そこまでアホなこだわりはないよ。じゃ、行こうか……といっても、歩いて三十秒もないけど」



 草むらを表現しているらしいドット模様の地面を歩く。これがきちんと草を踏んでいるような感触があって気味が悪い。この世界を創った奴は――雪郷ではないだろう――異常である。もちろん褒め言葉じゃない。


 そうこうしているうちに、目的地のアイコンがみるみる大きくなってきた。荒いドット絵なので、近付いてみると奇怪さがより際立って感じてしまう。


 最接近したらしいのだが、それは高さ一メートルほどの立て看板のようだった。だが、側面に回っても後ろ側へ走っても、見える面は常に同じだ。このこだわりも気持ち悪い。


「で、これはどうやって入るんですか? まさか……」


「もちろん、重なればいいのよ」


 ひょい、と一歩踏み出した雪郷がアイコンに重なると、そのまま消失してしまった。古いゲームでは見慣れた現象だけど、実際に発動されると恐怖が先に来る。




「ま、とっとといっとけ」




 背後のヴェリヨに強く背中を叩かれてよろめいた少年は、否応なく工場(?)のアイコンと重なっていた。


なんだかんだ言っても、ドット絵は落ち着きます(おっさん)。

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