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51 初任務は……

その51です。

「さらに問題となりそうなのが、向こうの住民だ」


「というと、移民とか?」


「いや。もっと露骨に、地下のタコ部屋へご案内のお知らせだ」



 現代に限らず、安い労働力は引く手あまたである。


 だが、今のご時世では「基本的人権」がそれを阻む。どんな些細な問題でも、国際機関やら人権団体やらがわんさか押し寄せ、国際的な問題に発展させてしまう。結果、行政的指導やら世界中からのバッシングなどを受けては元も子もない。


 しかし、異世界ならばどうだ?


 根本的な常識から違っている世界――それこそ我々人間とは全く異なる外見の生物が相手ならば、人権云々なんて声も小さくなってしまうのではないか?



「ゲスい話ですね」


「珍しい話ではないのだ。昔は『黒人や黄色人種は肌の色が違うから人間じゃない』なんて真剣に主張する白人が大勢いたのだ」


 魔王サマに言われると重みがある。もっとも、泰地だって「人を外見で判断したことなどない!」なんて胸を張れるはずがないのだから、これも人の業というものなのだろう。


 ……こうやって数々の問題点を示されると、関係者を限定することも国家による秘匿措置も納得できたのだが、同時に異世界はかなりデリケートな問題を孕んでいるとイヤでも気付かされる。



 正直なところ、泰地は「異世界のシェビエツァ王国」と聞いて心が躍った。



 名前の響きから、なんとなく中世ヨーロッパ的な風景が思い浮かび、それこそ流行りの異世界転生みたいだとワクワクしてしまったのだ。


(うわぁ。考えないようにしてたのに、思いっきりプレッシャーが……)


 少年は下腹の辺りがシクシク痛んでくるのを感じていた。


なんか世知辛くてキナ臭い話になってしまいました。


どうしてこうなった……

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