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50 初任務は……

その50です。



 次に懸念されるのが、「文化」の侵略だ。


「……と言われても、いまいちピンと来ないんですけど」


 泰地が首を傾げるのも無理はない。


 彼は共産主義や冷戦などを言葉や知識としては知っているけれど理解はしていない。キューバ危機で核戦争一歩手前だった、なんて実感が湧くはずもないのは当然だろう。


 対する雪郷の顔には、わずかながらも苦味が浮かんでいる。


「世の中にはいるんだよ。自分の考えが絶対的に正しいと信じて疑わない連中が。ほれ、たとえばシェビエツァ王国は名前のとおり国王が治める封建制だ。これに『一般市民に基本的人権が保障されていないなんてありえない! 我々が正しい民主主義を教えなければ!』なんて張り切ってアジテートし出すのがいるんだわ」



 そんな極端な――なんて軽くスルーできないことに泰地は気付いた。



 普段からネットやテレビのニュースを見ていれば、個人の正義を振りかざして事件に発展するケースは毎日のように発見できる。名作と親しまれていた昔の童話が「差別的表現がある」と一斉に絶版となった話も思い出した。


「きちんと学びたい者がいるのであればともかく、一方的に思想を押し付けては後々の悲劇に繋がるのだ。本当、共産主義者どもは――」


「いや本当に、本当にそのネタは止めましょうよ」


気付くと50の大台に乗りました。


しかし、まだ異世界へ旅立てません。


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