47 初任務は……
その47です。
シェビエツァ王国の国家元首たる国王は、現状に対して絶望に近い心境となっていた。
魔王復活は人類全体で対処しなければならない命題であるはずなのに、軽視している輩が予想以上に多勢だったからである。
彼らの主張は理解できなくもない。
魔王復活の周期が数十年と(人間の視点では)長期間であるし、魔王がその住処である魔城から出征したという記録がない上に、そもそも人類が敗北した記録もない。これでは悲観論が醸成される道理がないのも頷ける。
だからといって、人類側に一切の犠牲が出なかったという記録もないのだ。
けれど周囲を見渡せば、対魔王を真剣に論議している人間の方が少数派になってしまっている。魔王との戦争は、人間同士の小競り合いも含まれていることは記録で知っていたが、ここまで酷いとは――と、国王は地位と体面がなければ怒鳴り散らしていただろう。
見事に泥沼状況だったが、そこに一条の光が差し込む。
自称「異世界のニホン」から訪れたという特使である。
「……つまり、アレですか? 魔王には魔王サマをぶつけちまえばいいって無茶ブリをしているんですか?」
「分かってくれて助かるよ」
「話の概要を理解するのと承服するのは別問題ですよ!」
「いやさァ。どーせ拒否できないのはお前さんも分かってるんだから、ここは素直にサラッと流しとこうよ」
やっぱこのオッサンとは性格的に合わない、と泰地はボスを恨みがましく睨む。何度も繰り返すが、現実に言葉にされると必定以上にネガティブになるのだ。
今日の更新はここまでです。
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