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36 学校生活の始まり

その36です。

 ともかく、イロハにとっては高校生活初となるまったりとした昼食となった。


 こうなると、やっぱり菓子パン二つと牛乳だけでは物足りない。事前に分かっていれば、なんて贅沢のひとつも零したくなってくる。



 そんな彼女の胸中を悟ってか、ルデルが牛乳を飲みながら提案した。



「イロハさえよければ、次からも招待するのだ」


 もちろん、周囲の喧騒が沈静化して普通に食べられるようになったら話は別だが――と続けようとしたルデルに、彼女は「いいんですかッ!」と掴みかからんばかりの勢いで食いつく。


 スポーツ競技の新記録よりも食事が優先、とは聞いていたけれど、ここまで真剣だったとは予想以上である。というか、逆に抑制した方がよくないかと心配になる領域だ。


 その剣幕に、さすがの魔王サマも少ししどろもどろになってしまう。


「う、ウム。問題はないのだ。できれば、ルデルのくらの低い生活能力を鍛えて欲しいのだ」



 イロハが視線を落とした先には、ご飯に梅干、生のレタスとハムしか入っていない弁当箱があった。


「仕方ないでしょ。魔王サマが来る前までは、一人暮らしするなんて夢にも思ってなかったんだから」



 憮然とする泰地だが、長谷野に「いや、せめて卵焼きくらいはできるだろ?」と尋ねられて、がっくりと肩を落とし項垂れてしまった。


冷凍食品は、魔王サマが許可しないのでしょうかね?

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