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26 学校生活の始まり

その26です。

 嵐のような時間は終わった。


 それでも、まだイロハ嬢の時のような混乱にならなかっただけマシだ(もしかしたら、またぞろ魔王サマが何かコントロールしたのかもしれない)。


 徹夜仕事を終えたような足取りで去っていった担任たちを尻目に、1年2組の面々はイロハ嬢を囲んで盛り上がっていた。教室から離れる者などいない。


「じゃあさ、みんなでカラオケ行こうよ。親睦会ってことで!」


 いいねいいね、と更にボルテージが上がっていく。ただ、中心にいるはずのイロハ嬢は、完全に空気に飲み込まれて自分の発言ができていない。



 少し離れた位置から眺めていた長谷野が傍らにいる泰地の脇を突いた。


「どうする――なんて、わざわざ聞く必要もないよな」


「ンだね(そうだね、の方言)。やっぱ気になるし」


 本人の都合はどうなんだろう、などと考えていると、扉を開く音がかすかに聴こえた。




「失礼します」




 大きくなかったが強く通る声に、教室の喧騒は波が引くように収まっていく。


 その声を発した双子姉妹の一種奇妙な雰囲気が、文字どおり熱くなっていた空気に水を差したからだ。


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