第0話のあらすじ
第0話のあらすじを置いておきます。
当然のように第0話のネタバレ全開です。
わざわざ第0話を読みに行くのが面倒だ、という方は読んでみてください。
「並列首都計画」なる、日本全体を首都化させようなんてワケの分からない計画が進む日本。
その一環で愛知県豊田市や静岡県浜松市などの合併で生まれた新都市「豊浜都」。
必要以上に肥大化した街の郊外にある廃ビルで、ホームレスらしき男の変死体が発見される。
捜査を始めようとした二人の刑事――間米と箕山だったが、
あとから乗り込んできた公安警察を名乗る二人に捜査権を奪われる。
「孕石泰地」はこの春から高校生となるごく一般的な庶民だったのだが、
合格直後に「空の魔王」を名乗る黒い子犬のぬいぐるみらしき何かに座にさせられ、
更に日本政府から「公職に就くか、さもなくば常時監視対象となるか」と迫られた結果、
オカルト専門の特務機関「公安ウン課」に所属する羽目になり、
ウン課の先輩である筋肉ダルマな白人男性「ヴェリヨ・ルイク」とともに、
初任務としてこの廃ビルに来ていた。
というのも、この廃ビルは様々な理由から魔界と接続しやすい環境にあり、
ホームレスの男もその影響で死んだのだろう、とはヴェリヨの言である。
しかし、廃ビル内は魔界の侵食が予想以上に進んでおり、魔物が闊歩する空間となっていた。
実は全身武器庫状態なサイボーグだったヴェリヨのおかげで楽勝かと思われたが、
度重なる戦闘の中で二人は分断されてしまう。
初仕事で起こった予想外の事態に動揺する少年だが、
慎重に進んでヴェリヨと合流する作戦を選択する。
ところが、それがつまらないとばかりにちょったいを出してくる魔王サマ。
武器を持った人型の魔物を相手に正面からまともに戦おうと仕掛ける魔王サマに、
困り果てた泰地はふとした違和感からある仮説に辿り着く。
結果、彼の仮説はほぼ正解だった。
この廃ビルでの一連の事件は、(所轄の刑事が先に動いたこと以外は)すべてヤラセだった。
ヴェリヨとの分断は予定どおりの行動であったし、
ホームレスの死体も人型の魔物も、ウン課本部の職員が変装したものだった。
要するに、新人捜査員へのテストという話だった。
安堵と落胆で脱力する泰地だったが、彼の公安ウン課捜査員としての仕事はこれから始まる。
では、続けて「第1話01」を読んでいただけると嬉しいです。