表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/186

165 魔城へ

その165です。

 驚愕の連続だった。


 魔王サマが少年の頭上から背中へ移ったと思ったら、一切の予備動作なしに上空へすっ飛んでしまったのだから。



 満天の黒い薄雲に、ぽつんと小さな穴が穿たれた。けれど、それも瞬きの間に消えてしまう。



 ゲアハルトたちシェビエツァ王国の面々が、一様にあんぐりと口を開いて空を仰ぐ。本気でワケが分からなかった。魔王サマは突飛な行動を好んでいるが、今回のは群を抜いて理解不能だ。


 一分ほどは呆然としていただろうか。はっとゲアハルトはヴェリヨへ振り返る。もちろん、この巨漢は普通に平静な様子だった。慣れっこなのか事前に聞かされていたのかは分からないけれど。



 とにかく説明してもらわないと、と口を開こうとしたのだが、ここで祭騎士は――いや、騎士たちも学者ですらも違和を抱いた。


「耳が……?」


 何か聴こえる気がする。というか、圧迫されてるような感覚がある。


 得体の知れない、しかし確実に訪れるであろう悪い予感めいたざわめきが、ゲアハルト達の冷静さを磨り潰してくる。はっきり言えば、本能が「逃げろ」と強烈に警告していた。


「ッ!」





 刹那、彼らを巨大な影が覆った。





 見上げた視界いっぱいに――――禍々しく巨大な異形がいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ