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129 異世界を歩く

その129です。

「で、何かあったんですか?」


「えっ?」


 質問されて、ゲアリンデは一瞬固まった。感情の勢いに任せてここまで進んだものの、先の展開など頭になかったのだ。



 しかし、彼女はすぐに体勢を立て直す。先ほどのような醜態を晒す気はない。



「あ、いえ、今日は半日ほどの行程でしたけど、身体の調子とかはどうかと思って」


 明らかにその場しのぎの質問だが、それをわざわざ指摘して悦に入るようなアホな子はこの場にはいなかった。


「ええ……馬車そのものはある程度慣れましたけど、一日中ずっと乗ってるのはちょっと勘弁願いたいですね。少しは自分の足で歩きたいというか」


「希望に沿いたいのはやまやまですが、お二人――特にタイジさんは外見がどうしても目立ってしまいますからねぇ……」


 ゲアリンデは悩ましげに腕を組んで小首を傾げる。


 本音を言えば、王家御用達の馬車と察知されないよう擬態されているとはいえ、馬に乗った護衛が四人もいる時点でかなり異様なのだ。


「反対派だけではなく、周辺国からの妨害の可能性も視野に入れると、今の状況でも厳しいですから、申し訳ないです」


「周辺国からもって、外交問題になりませんか?」


「もちろん外交問題です。しかし反対派、特にエックホーフ伯が本気で裏工作をされてしまうと、追及はかなり困難になります」


 悔しくも恥ずかしい話ですが、とゲアリンデは眉間にしわを寄せる。


 こうして真面目な会話をしていると、やはり彼女は王族の一人なのだな、と改めて実感させられる。正直、普通の高校生でしかない泰地では役者不足も甚だしい。



 更に話を接ごうと顔を上げたゲアリンデだが、ここで場の空気が変わった。


次回からフラグ回収ですw

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