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116 異世界を歩く

その116です。

「ゲアハルトというのは仮の名前で、本当はゲアリンデという名前です……」


 ゲアハルト改めゲアリンデの説明をまとめると、以下のようになる。



 シェビエツァ王国は対魔王戦における先発隊兼主力部隊の役目を担った国家であり、それ故に周辺国のまとめ役的な位置をなし崩し的に担わされている。


 結果、周辺国家との外交バランスには非常に気を使う必要がある。もちろん、ヘタを打って国家同士の戦争へ発展するのを防ぐためだ。


 なので、王家の長子の扱いはとりわけデリケートになる。というよりも、長子を国外に出すなどあってはならない話であり、問答無用で王国に残ってもらわねばならない。


 つまり、長子が女子であるなど絶対不可なのだ。



「フム。要するに祭騎士とやらは、長子が女子であった場合に国内外を誤魔化すために作られた役職、という訳なのだ」


「仰るとおりです。……よくこれだけで分かりましたね。さすがです」


「いや、ほとんど全部説明されたようなものなのだ」


 ルデルは普通に返すが、泰地としては説明されてようやく納得できたところだ。


(なるほど。長子である女子は戦略結婚として嫁がせれば、どうしてもその国の影響力が強くなったと周囲に見なされる。だから男であるとした上で、国の最重要行事である祭事を司っているから神に仕えているようなもんだ、という体にして戦略結婚から遠ざけている――というワケか)


 現代日本じゃ考えられん事情だな、と呆れと同情で揺れる泰地に、ゲアリンデは首から提げていた赤い宝玉をかざしてみせる。


「この赤の宝玉は、シェビエツァ王国建国から間もない頃に魔城で発見された至宝で、世界のありとあらゆるモノを欺くことができるとされているものです。私も、今日まで見破られたことなどなかったんですけど……」


 確かに、サイボーグ(?)のヴェリヨすらも看破できてなかったようだし、こればかりは魔王サマのトンデモぶりに感嘆せざるを得ない。


というわけで、ゲアハルト改めゲアリンデさんでした。

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