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107 帰宅までが宴会です

その107です。

「しつこいって言ったら、一人いたよな」


「あー、なんだっけ? 野久保だっけ? あれは怖かったわ」


「そうそう、野久保野久保。怒鳴るわ泣くわ尾行するわ、最悪だよ」


「え? もしかして全員アイツの被害に遭ってる?」


 井園を含めた幹事たちが、ある人物の話題に花が咲かせ始める。


 どうやら、一年三組の「野久保麻佐美」なる人物が異様に執着しており、最後まで納得してなかったのだそうだ。幹事の一人など、今朝も家の近くに隠れていたのを発見して戦慄したとかなんとか。


「ていうかさ、本気すぎでしょ。彼女」


「まあなぁ。俺らがいろはさんを囲むのは、半分ネタみたいな部分もあるけど、アレはなんつーか……崇拝?」


「いや、電波でしょ。アタシが一番の親友でなければならないのよぉぉぉ、みたいな」



 会話の中で語られている情報から、いろははある人物の顔が頭に浮かんだ。


 ただ、該当する女生徒というのは、積極的に前へ出てきて自己主張に励むタイプではなく、むしろ逆に人の輪から離れた場所からチラチラ盗み見ているタイプだった。目立つ人物ではないのだが、気付くと必ず視界に入っているので記憶に残っている。



「ああいうのが、変にこじれると怖いんだよね」


「今もこの建物の外からジッと監視してるかも?」


「やめて。怖すぎ」


 いない人の陰口で笑うというのは気分良くないな、といろはは眉をひそめるが、同時に野久保嬢の常識はずれな行動を聞かされて笑うしかない気分になっていたのも事実だった。


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