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105 帰宅までが宴会です

その105です。

 予想以上に和気藹藹な高校生たちを眺める店主の前に、幹事の一人である井園が頭を下げながら近付いてきた。


「すみません、挨拶が遅れちゃって。今日は本当にありがとうございます」


「気にすんなよ。他の連中につかまってたりしてたのは見えてたから。人気者だな、お前」


「いやぁ、それほどでも」


「ま、あのイロハちゃんのおかげだろうけど」


「そのとおりなんだよなぁ……」


 二人が顔を少し巡らせると、クラスの半数近い集団の中心に据えられた河居いろは嬢が目に飛び込んでくる。少し困ったような表情も垣間見えるが、基本的にはにこやかに対応している。テレビの取材とかで慣れているのだろうか。


「しかしまあ、驚いたな。まさか本当にイロハちゃんがあのパルテノンに入学してるとは」


 まるで相撲取りのような体格の従兄弟が「イロハちゃん」と呼ぶと犯罪臭がハンパないな、なんて思いながらも、井園は「うちの学校をパルテノンって呼ぶのはやめてくださいよ」と一応ツッコんだ。



 先にも書いたが、彼らが通う浜松浜北南高校は、「北南高」もしくは「パルテノン」と呼ばれることが多い。


 後者の呼称については、一応の理由はある。


 この高校は、先にも書いたとおり豊浜都がかなり力を入れて設立した箱モノであり、設備は過剰と評していいくらい充実している。



 例えば、四階建ての校舎の白い外装には最新の光触媒が使われており、雨が降れば汚れが粗方流されていくので、十年以上が経過した現在も新築と見紛う(とは言い過ぎだが)純白を保っている。



 もちろん、その白さだけではパルテノンなんて呼ばれるはずがない。


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